「第35回東京国際映画祭」のラインアップ発表会見が9月21日、東京都内で開催された。会見では、今年のオープニング作品で二宮和也さんが主演を務める映画「ラーゲリより愛を込めて」(瀬々敬久監督)が紹介されたほか、女優の橋本愛さんが昨年に続いてフェスティバル・アンバサダーを務めることが発表された。
同映画祭でオープニング作品として上映される「ラーゲリより愛を込めて」は、辺見じゅんさんのノンフィクション小説「収容所から来た遺書」(文春文庫)が原作。運命に翻弄(ほんろう)されながら再会を願い続けたふたりの愛を描いた実話で、二宮さんは事実無根のスパイ容疑により妻と4人の子どもを日本に残してラーゲリ(強制収容所)に収容される山本幡男を演じる。クロージング作品として、黒澤明の名作を英国で再映画化した「生きる LIVING」(オリヴァー・ハーマナス監督)が上映される。
また、コンペティション部門に出品される15作品も発表され、日本映画は稲垣吾郎さん主演の「窓辺にて」(今泉力哉監督)、鈴木亮平さんが主人公役を務める「エゴイスト」(松永大司監督)、山田杏奈さんが出演する「山女」(福永壮志監督)など3作品が選ばれた。
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会見には、2年連続でアンバサダーを務める橋本さんが登場し、「ありがたいことですし、とても光栄なことだと思います」と喜びつつ、「2年連続ということで、もうちょっとできることがないかと考えた時、今の日本の映画界に立ちはだかる課題について、自分の気持ちをお話できたら」と危機感も表現。「一番はハラスメントと呼ばれることや、労働環境の問題。映画界に限らずいろんな問題があるなと、現場を経験していて思うことはあって。一番感じるのは世代間の溝」とし、「お互いに声を聞き合う、という姿勢が、これからのものづくりにおいてすごく大事なことなんじゃないかなと思います」と考えを語った。会見には今泉監督、福永監督、松永監督も出席した。
東京国際映画祭は、1985年にスタートし、今年で35回目を迎えるアジア最大級の映画祭。今年は10月24日~11月2日に東京ミッドタウン日比谷(東京都千代田区)や東京国際フォーラム(同)などの会場で開催される。
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