ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
三浦建太郎さんのマンガ「ベルセルク」が原作のテレビアニメ「ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION」が10月1日深夜からTOKYO MXほかで放送される。テレビアニメは、劇場版アニメ3部作「ベルセルク 黄金時代篇」に新規カットを加えたリマスター版。「ベルセルク」の連載が始まったのは1989年。今から30年以上前にさかのぼる。劇場版に声優として参加したこともあるお笑い芸人のケンドーコバヤシ(ケンコバ)さんは、同作の大ファンで、連載開始当初から愛読していた。「ベルセルク」はその後のファンタジーマンガ、アニメなどに多大な影響を与えた名作だ。「ベルセルク」に衝撃を受けたというケンコバさんに、同作への思いを聞いた。
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「ベルセルク」は、1989年に「月刊アニマルハウス」(白泉社)で連載をスタートし、現在は「ヤングアニマル」(同)で連載中。戦乱で荒廃した世界を舞台に、巨大な剣を使うガッツが、異形の化け物を相手に壮絶な戦いを繰り広げる姿を描いている。30年以上前、「ベルセルク」を初めて読んだケンコバさんは、何を感じたのだろうか?
「三浦先生が『ベルセルク』の前に連載していた『王狼』『王狼伝』を読んでいて、好きな作者の方だったので、そのまま入った感じです。『王狼』『王狼伝』はモンゴルの話でしたけど、『ベルセルク』はいきなり世界が変わって、驚いたことを覚えています。すごい絵で刀のバトルを描く印象が強かったです。“デカ武器”の元祖で、(ガッツが使う巨剣の)ドラゴンころしという命名もいいですよね。当時、『ヤングアニマル』は、宮迫(博之)さんの家で読んでいたんです。宮迫さんは東京の仕事が多くて、大阪の家で留守番してたんすよ。『ヤングアニマル』をいつも買ってたんで、そこで読ましてもらってましたね。宮迫さんよりも僕の方が住んでいる感じの家だったんです。素人の僕が言うのもなんですけど、雑誌上の扱いもよかった記憶があります。力が入っているのが、何となく分かるじゃないですか」
特に思い入れのあるキャラクターはワイアルドだという。罪人達による黒犬騎士団の団長で、残虐なキャラクターで、アニメには登場しない。「アニメでカットされた理由も分かるんです。その辺も含めて好きです。エンジョイ&エキサイティングですね」と語る。なお、「エンジョイ&エキサイティング」とは、黒犬騎士団の心得だ。
ワイアルドも魅力的なキャラクターではあるが、「ベルセルク」といえば、ガッツとグリフィスの関係性が物語の核となっている。ガッツとグリフィスの関係を描いたシーンで特に印象に残っているのが、2人の決闘シーンだ。
「ガッツ、グリフィスだと、やっぱり、1回目と2回目の決闘シーンの対比が印象的です。2回目は、妙な切なさがあって、意外とグリフィスに共感しちゃうんです。1回目は力の差がありすぎたけど、いつの間にか逆転していた。グリフィスとしては『ガッツ、なんでやねん!』という思いもあるはず。実生活でもこういうことってありますよね。最初は自分の方が野球うまかったのに、真剣に野球に取り組んだ人と全然差が付くとか。経験したことがあるような話で、気持ちが分かるんです。グリフィスがあの後、真っすぐ女の部屋に忍び込むっていうのも含めてね。グリフィスはつかみどころのない、すごく高尚な存在だったけど、2回目の決闘の後、すごく共感できるんすよね」
蝕 (しょく)のシーンもインパクトが大きい。ケンコバさんは「血が垂れてきて、ガッツの目が血で前が見えなくなる。思い出したくないくらい強烈なシーンです。あんなに救いのない話はないですね」と衝撃を受けたという。
「ベルセルク 黄金時代篇」は、ファンの間でも人気が高い「黄金時代」を3部作で劇場版アニメ化した。第1部「ベルセルク 黄金時代篇 I 覇王の卵」、第2部「ベルセルク 黄金時代篇 II ドルドレイ攻略」が2012年、第3部「ベルセルク 黄金時代篇III 降臨」が2013年に公開された。ケンコバさんはアニメ、「黄金時代篇I 覇王の卵」で“30人斬りのバズーソ”の異名を持つバズーソ役の声優に挑戦した。同作が公開されたのは約10年前だ。
「もう10年ですか……。合戦をCGで視点を変えて描くというのが、すごかったですよね。大軍勢に動きは迫力がありました。実験的なアニメだったんでしょうね。声優として出演させていただくのは、プレッシャーが大きかったです。本職ではないですし、監督に全ての責任を負ってもらうために、監督の言うことを1から10までちゃんと聞きました。監督は、僕が門外漢ということも分かってくれて、丁寧に指導していただきました。でも、自分のシーンを見ると、ムズかゆいです。見直す時は、バズーソのシーンを飛ばしたくなります」
テレビアニメ「ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION」は、恩田尚之総作画監督の元、「夢のかがり火」など原作の名シーンが新規カットとして追加され、既存の数百カットに手を加えたリマスター版となる。「ベルセルク」のアニメシリーズに楽曲を提供してきた平沢進さん、鷺巣詩郎さんが新規楽曲を提供する。
「劇場版をテレビアニメとして放送するのは珍しいことですし、僕としてもやってほしいという思いがありました。より多くの人に『ベルセルク』を知ってほしいですし、すごくいい機会になりそうです。30年以上、連載しているので、20代の人とかがこの名作に触れるきっかけになるでしょうし。黄金時代篇は、やっぱりいいですよ。アニメで見たり、マンガを読んだだけなのに、さも自分が体験したかのような思い出になっているんです。あの頃はよかった……と同窓会ができそう。鷹の団の面々もいいんです。知り合いの美容師に聞いたんですけど、キャスカ以降、ショートの子が増えたらしんですよ。剛力彩芽ちゃんもキャスカ以降でしょう。キャスカは、格好よかったですね。あの後、いろいろなことがありましたが……」
キャスカ以降、ショートが増えたという話の真偽は分からないが、「黄金時代篇」は原作でも人気のエピソードだ。「ベルセルク」に初めて触れる人も楽しめるはず。
三浦さんは昨年5月に亡くなった。連載が終わるかと思いきや、三浦さんの親友で「自殺島」などで知られるマンガ家の森恒二さんが監修し、「原作・三浦建太郎 マンガ・スタジオ我画 監修・森恒二」として連載を再開したことも話題になった。
「奇跡ですよね。森先生という盟友がいて、スタジオ我画で人材が育っていた。純粋にうれしかったです。最後まで読みます」と語るケンコバさん。「ベルセルク」の伝説はまだまだ続く。
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