元科捜研の主婦
6話「パワハラ社長、謎の死!同級生が毒殺犯!?」
2月20日(金)放送分
毎回切ないストーリーが話題を呼んでいる川口春奈さん主演の連続ドラマ「silent」(フジテレビ系、木曜午後10時)。中でも毎話の印象的なシーンに盛り込まれたさまざまな“伏線”がドラマファンの心をつかんでいる。SNSではラブストーリーでは異例ともいえる“考察ブーム”も巻き起こっている。
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「silent」は、昨年「フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞した新人脚本家・生方美久さんによるオリジナルラブストーリー。主人公の青羽紬(あおば・つむぎ、川口さん)が、8年前に突然姿を消した昔の恋人・佐倉想(そう、目黒連さん)と再会するも、想がほとんど聴力を失っていた事実に直面。彼に対する気持ちと、今の自分を支えてくれている人たちへの思いが交錯し、葛藤していく……。
紬と想だけでなく、紬の今の恋人・戸川湊斗(鈴鹿央士さん)や、聴覚を失って失意の中にあった想を支えた、ろう者の桃野奈々(夏帆さん)ら2人をとりまく人々のさまざまな思いもすくい上げたストーリーが話題を呼び、見逃し配信が6話までの累計で3400万回再生という異例のヒットを記録している。
そんな中、盛り上がりに一役買っているのが“伏線”の数々だ。代表的なものが、第1話で描かれた「うるさい」という言葉にまつわるエピソードだ。同話で描かれた高校時代の紬と想の通学シーンでは、はしゃぐ紬を想が「うるさい」とたしなめて2人で笑い合う。
ところが、同じ第1話のラストで、8年ぶりに想と再会した紬だったが、想が失聴したことに気付かず語りかける。すると、想は「うるさい。お前、うるさいんだよ」と涙ながらに手話で返す……。8年を経て変わった2人の関係を同じ言葉で表現し、しかもタイトルの「silent(静けさ)」と対になる「うるさい」という言葉であるという卓越した手法に気付いたドラマファンがSNSで盛り上がり、考察ブームの火付け役となった。
伏線とその回収は、「真犯人を捜す」といった作品全体にわたるテーマのヒントになることも多いため、ミステリー、サスペンス系のドラマではよくみられる演出だ。実際「あなたの番です(あな番)」(日本テレビ系)、「最愛」(TBS系)といった作品で盛り込まれ、今回のような考察ブームを巻き起こした。
確かにラブストーリーでも、思わせぶりな仕草など広い意味での伏線はあるが、ここまでさりげなく丁寧に磨かれた“伏線”は珍しい。ひょっとしたらSNSがなかった時代であれば、広く知られることもなかったかもしれない。しかし「あな番」などをきっかけに、伏線や小ネタを見つけてはSNSで率先して共有し、みんなで盛り上がるという新たな楽しみ方が生まれた。そうした近年のテレビ視聴の流れが、「silent」がヒットした土壌にあるといえるだろう。
しかし、あくまでも“伏線”はヒットした理由の一つにすぎない。そもそも、制作サイドは、視聴者が見つけた“伏線”の存在について明示していない。川口さん、目黒さん、鈴鹿さん、夏帆さんといったキャスト陣の丁寧な演技と、繊細で美しいストーリー、そして音楽を含めた絶妙な演出が根底にあっての“伏線”なのだ。さらに盛り上がるであろうクライマックスを前に2週間の“おあずけ”となるが、改めて7話までを見返しつつ12月1日放送の第8話を待ちたい。
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