全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
荒木飛呂彦(あらき・ひろひこ)さんの人気マンガを高橋一生さん主演で実写化するNHKのドラマ「岸辺露伴は動かない」(総合)の第3期が12月26日、27日に放送される。「ジャンケン小僧」という原作の人気エピソードを実写化するが、独特な世界観を持つ原作をドラマに落とし込むにあたり、「現実にどこまでできるのか」と演出の渡辺一貴さんの挑戦があった。今回「これまでで一番、一生さんとお話ししたかもしれません」と明かす渡辺さんに話を聞いた。
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ドラマは、荒木さんの人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ(集英社)のキャラクター・岸辺露伴を主人公としたスピンオフ「岸辺露伴は動かない」(同)が原作。人を本にしてその記憶や性格などを“読む”能力を持つマンガ家・露伴が、奇怪な事件や不可思議な現象に遭遇するサスペンス・ホラー。アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」にも参加した小林靖子さんが脚本を手掛ける。
第3期となる今回は、26日に第7話「ホットサマー・マーサ」、27日に第8話「ジャンケン小僧」を放送。「ホットサマー・マーサ」は今年発表されたばかりの新作エピソード、「ジャンケン小僧」は「ジョジョの奇妙な冒険」第4部「ダイヤモンドは砕けない」で描かれた露伴が活躍する人気エピソードの実写化となる。
渡辺さんは「『ホットサマー・マーサ』は複雑に時間が飛んだり、(荒木先生の)いろいろなメッセージが入っているお話で、そこを読み解くのが楽しくもあり、難しくもあり。一生さんとシーンごとに『ここ、こういうことだよね』とディスカッションしながら、お互いの考えをすり合わせていきました」と振り返る。
続けて「『ジャンケン小僧』は展開的には、露伴と少年の対決とシンプルですが、原作で展開されるスタンド(ジョジョの世界の架空の超能力)を実写ドラマに落とし込むときに“現実にどこまでできるのか”すごく考えました。微妙なアレンジが必要になるので、その辺りのあんばいについても一生さんとも細かくお話ししました。今回はこれまでで一番、一生さんとお話ししたかもしれません」と明かす。
「微妙なアレンジ」について、渡辺さんは「ざっくり言うと『身体的な動き』と『セリフ』の二つです」と説明する。
原作の『ジャンケン小僧』では露伴とジャンケン小僧が(スタンドパワーで)飛びながら勝負していたと思うのですが、現実ではジョジョの世界のように人は飛ばない(笑い)。私も含めてその絵が脳裏に焼き付いているファンも多いと思うのですが、それにこだわりすぎてしまうと、実写化は難しい。でも、(実写ドラマとして)その絵を想像させるようにはしたいので、(一生さんと)どうしたら現実の芝居に落とし込んでも違和感のない表現になるのかお話ししました」
話し合いの結果、高橋さんは「細かい体の動き」で、原作マンガを違和感なく表現した。
「一度見ただけではなかなか気付かない、何回も見ていただくと気付くことなのですが、目や手の動きなど一生さんが本当に細かい表現をしているんです。その動きには全部意味があって、そのおかげでドラマが違和感のない実写化になっています」
「セリフ」については「原作マンガそのままの(ジョジョの世界観の)セリフのやり取りにしてしまうと、現実の世界だと少し浮いてしまう部分がある。ちょっとした語尾の言い回しとか、言葉のチョイスの変更で調整しています」という。
最後に、「ホットサマー・マーサ」「ジャンケン小僧」について「かなりメッセージ性の強いお話と娯楽性の強いお話になっています。両方とも、これまでと違った岸辺露伴の一面を見られるのではないかと思います」とアピールした。
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