名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
アニメやゲームが人気の「アイカツ!」シリーズの10周年を記念した新作劇場版アニメ「アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~」が公開された。2012年10月~2016年3月に放送されたテレビアニメ第1作「アイカツ!」の主人公・星宮いちごたちの“未来への向き合い”を描いた「アイカツ!」の集大成とも言える作品になっている。「アイカツ!」「アイカツプラネット!」などの監督を務めたほか、シリーズ他作品にもスーパーバイザーとして参加してきた木村隆一監督に、「アイカツ!」の10年を振り返ってもらいつつ、新作について聞いた。
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「アイカツ!シリーズ」は、女の子がトップアイドルを目指す姿を描くプロジェクトで、2012年10月に始動した。テレビアニメ1年目の作品紹介文句は「スポ根サクセスストーリー」だった。
「『アイドルでスポ根をやりたい』というお話が最初にありました。目標になる先輩がいて、その先輩に追いつくために頑張っていくというある意味、典型的なスポ根の物語の構造で作っていました。バンダイのカード事業部もかなり力を入れていたアニメで、できる限りのことをやりたいという思いでした。ただ、自由にやらせていただきました。キャストについても強い要望があったわけではなく、役に合っていれば……という感じでしたので、すごくやりやすかったですね」
主人公・星宮いちご役の諸星すみれさんはオーディションを受けた時は小学生で、中学1年生から収録した。
「すごく若かったですよね。ほかのキャストも経験があまりない子が多かったのですが、こちらの要望だったんです。キャラクターが成長していく物語だったので、若い人を選んだところがあります。劇中のキャラクターと役者さんがシンクロして成長してくれたらと思っていました。ほかの作品と差別化したかったところもありましたし。皆さん、あっという間に成長しましたけど。1年で随分変わりましたから。今回の新作は、みんなの演技がキャラクターより大人になりすぎちゃうんじゃないかな?と少し心配していましたが、アフレコをしてみたらすぐに当時のキャラクターの演技に戻ってくれて、さすがだな!となりました」
「アイカツ!」が始まったのは、東日本大震災の翌年、2012年だった。当時の時代背景が、作品に与えた影響も大きかった。
「東日本大震災の後でしたし、子供にとっても大変な時期でしたので、『アイカツ!』を見ている時は、大変なことは忘れて、楽しくしていられる時間になれば……と考えていました。昭和のスポ根だったら、意地悪なキャラクターが出てくるイメージがあるかもしれませんが、もう少し気楽に見られるようにしようとしました。クセはあるけど、ものすごく嫌な人はいない世界。すごく不幸な人がいるわけではなく、お金持ちの子もいますが、それだけが突出しているキャラクターではない。見ている子供たちが、自分がどこか投影できるようなキャラクターでお話を作ろうとしていました。特別な事件が起きなくても、人生には、やっぱり大変なことはいっぱいありますし、子供たちが、自分の身の回りにあることを考えられるような作品にしたいと思っていました」
「芸能人はカードが命」「うんうん!それもまたアイカツ!だね」など「アイカツ!」から数々の名ぜりふが生まれた。「穏やかじゃない!」「血を吸うわよ」「オケオケオッケー」などの決めぜりふも絶妙なタイミングで飛び出すキャラクターが魅力的だ。
「加藤さん(シリーズ構成、脚本の加藤陽一さん)がすごくこだわったところです。僕ではなく、加藤さんがほとんど作ったところです。キャラクターをきちんと印象付ける、分かりやすく子供たちに伝わるキャラクターを作りたかったんです。当時は長期放送だったおかげで、視聴者の方の反応をお話の中に入れることができて、このせりふがウケたから、また使おう……と楽しく作っていました。新作でもそこは加藤さんがすごく意識していました。僕も加藤さんも久しぶりの『アイカツ!』だったので、忘れていることもあったのですが、作りながら、ここはこうだよね!と言いながら作っていました」
新作は、スターライト学園高等部3年のいちご、あおい、蘭たちが、半年後に迫る卒業を意識し始める……というストーリー。卒業しても、アイドル活動は続くが、卒業は一つの分岐点でもあり、いちごたちが、これからどんな道を歩んでいきたいかを考えることになる。新作では、いちごたちの卒業、成長……大きな変化が描かれている。変化はあるが、変わらないこともある。
「放送当時、『アイカツ!』を見ていた子供たちも卒業する、卒業した年齢になっています。10代、20代の10年は大きいですからね。環境、自分が大きく変わります。その子たちが映画を見て、当時を思い返したり、大人になること、卒業すること、今の自分について考えたりする。僕たちからエールを送るような作品にしたかったんです」
諸星さんは「アイカツ!」への思いを「私の青春そのもの」と語ったことがあった。木村監督にとって「アイカツ!」はそんな存在になっているのだろうか?
「僕にとっても青春ですね。2度目の青春かもしれません。テレビ放送中は3年半くらいずっと学園祭をやっている感じでした。スタッフの仲がすごくよくて、スタッフ自身が作品のファンという人もいっぱいいました。すごくありがたいことです。その雰囲気が作品にも出ていたのかな?と思っています」
ツイッターで同作の感想レポートキャンペーン第2弾を実施中。「#アイカツ10thレポ」を付けて投稿した人を対象に抽選で景品をプレゼントする。1月29日には大阪ステーションシティシネマ(大阪市北区)、なんばパークスシネマ(大阪市浪速区)で上映記念舞台あいさつが開催される。
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