長澤まさみさん主演の連続ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」(カンテレ・フジテレビ系、2022年)に「ボンボンガール」の一人、篠山あさみ役で出演し、注目を集めた華村あすかさんが、24歳の誕生日を迎える3月18日に最新写真集「真価論」(講談社)を発売する。昨年、2017年の芸能界デビュー以降、一つの特徴にもなっていた長い黒髪をバッサリとカットし、心機一転。「エルピス」での好演を経て、発売する写真集について、「居場所をもらえたような気持ち」と明かす華村さんに話を聞いた。
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写真集の撮影は83歳の写真家・沢渡朔さんが担当。華村さんの「今の自分を客観的に見つめ、かつ自分を認めてあげよう」という思いが今作のコンセプトになっている。
「手応えがあるない、ではなく、自分が“こういうものを望んでいた”という部分をかなえていただけたので、後悔もないですし、これ以上でもこれ以下でもないものが作れたっていう感じで、すごく納得、満足しています」
そもそも、写真集発売の話が来たタイミングが、「私自身が髪を切って、今後の人生のことをどうしようかと、今までにないくらい考えている期間中だった」といい、オファー自体に「すごく救われたんです」と告白する。
「自分がいくら悩もうと、落ち込もうとも、手を差し伸べてくださる方がいらっしゃって、この世界でやっていけるかどうか、自信がついたというよりかは希望がもらえて、『いていいんだ』と居場所をもらえた気持ちにもなりました。そういうことが入り口だったので、すごく思い入れの強い写真集になったなと思えて。自分自身、体を鍛えたり、髪を切ったりと、以前と比べて変わった部分もあったので、こういったご縁をいただけて、変わった部分を表現できたのは、すごくうれしかったですし、そういった気持ちも含めて、皆さんにこの写真集が届いたらいいなと思います」
写真集には そんな華村さんが「体を張って」チャレンジしたカットも収録されている。
「撮影では、誰かに言われたのではなく、勝手に自分にミッションを与えて、絶対、誰も登らないような場所に登ったりもしていまして(笑い)。自分でもよく分からない負けず嫌いが顔を出した結果というか、私が体を張って登っているところも撮っていただいたので、鍛えた筋肉がより生かされているカットにもなっています。基本的に写真集はクールなカットで構成されているのですが、そこは『あすかちゃん、何やっているの?』と、見る人によっては面白いんじゃないのかなって思っています」
そのほか、特にお気に入りとして挙げたのが、華村さんいわく鍛え上げた「理想の腹筋」を見せているカットだ。
「山の中で、岩にコケが張り付いているような場所に私が寝そべっているのですが、私の理想の腹筋と、理想の体のラインに仕上がっている写真がある。撮ってもらっているときは全く気がついていなかったので、これは沢渡さんがすごいのですが、ぜひ見ていただきたい一枚です。後は海沿いにあるスタジオでも撮影したのですが、そこは所有している方の自宅にもなっていて、趣味で集めた海賊グッズとか面白い小物が揃っている。そんなおうち兼スタジオの“船長の部屋”みたいな一室で、私の大好きなストライプの衣装を着て、ギターを持っているカットもお気に入りです」
髪を切る以前のことを、「このお仕事は好きなのですが、自分はどうありたいのか分からなくなって、笑顔がめちゃくちゃ消えた」とも明かす華村さん。
「毎日鏡を見て、幻滅しながら生活していた時期でした。でも、この世界に身を置いて、自分に可能性を感じられずにどうしようっていう気持ちがある一方、時間の無駄というのも分かっていたから、そこから抜け出したかったんです。そこでまずは髪を切ってみようと。そうしたら心境も少しずつ変わってきて……」
華村さん自身が“こうなりたい”と望んだことの一つが髪を短くすることだったといい、実際に目に見えて変化もあった。
「できるところから変わって行かないと、気持ちも変わらないと思って、その最短の方法が私にとっては髪を切ることでした。案の定、切ってからファッションも楽しめるようになったし、『短いほうがいい』っていう声しかなくて。後は髪を切ってから仕事が急に決まったり、それは気のせいなのかもしれないのですが、切っていなかったらどうなっていたのかと思うと、本当に良かったなと思います」
改めて「エルピス」出演の反響について、「普段から仲のいい方たちからはもちろん連絡は来ましたが、何よりも、いろいろな場所で、いろいろな仕事をする度に『見ていました』と言われて。自分の知名度が上がったとか、演技への反響というよりかは、そんな注目される作品に自分は出られたんだって、とんでもないご縁をいただけたんだなってことを感じました」と話す華村さん。今後、“この世界”でどうしていきたいのか……。
「どの仕事も一緒だとは思うのですが、特にお芝居では、ちゃんと認めてもらわないと、続かない職種だなって思っていて。それは知名度ではなくて、結局は質。求められるものにちゃんと応えられる力がないと、その時たまたまこなせたとしても、長くは続かないもの。マネジャーさんがいてくれて、できている仕事ではあるけれど、頼ってばかりでもよくないから、ある意味、一人でやっていく覚悟でいないといけないですし、自分でやり切って次をつかみ取らないと、という気持ちで、一つ一つの役や仕事に取り組んで結果を残していきたいですし、結果を残す=(イコール)認められるってことだと思っているので、認められるように頑張っていきたいと思っています」
写真集「真価論」はA4判、112ページ。価格は3520円。3月18日にSHIBUYA TSUTAYA(東京都渋谷区)で発売記念イベントを開催する。
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