ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン:ファイルーズあいがイベントで涙 徐倫役「人生で最大の誇り」 最終話の制作秘話も

「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」の上映イベントに登場した(左から)松澤千晶さん、鈴木健一総監督、田村睦心さん、ファイルーズあいさん、梅原裕一郎さん、浪川大輔さん(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SO製作委員会
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「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」の上映イベントに登場した(左から)松澤千晶さん、鈴木健一総監督、田村睦心さん、ファイルーズあいさん、梅原裕一郎さん、浪川大輔さん(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SO製作委員会

 荒木飛呂彦さんの人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」の第6部が原作のアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」のイベント「『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』最終話放送直前上映イベント」が3月26日、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場(東京都港区)で開催され、主人公の空条徐倫役のファイルーズあいさんら声優陣、鈴木健一総監督が登場した。ファイルーズさんは、声優を志すきっかけともなったという憧れの存在である徐倫を演じ、「『ジョジョ』のおかげでつらいことも苦しいことも乗り越えてこられました。そんな人生の道しるべになった作品、大切なキャラクターに関わらせていただけたことは、感謝しかありません。『ジョジョ』を愛する全ての皆さんに徐倫の生きざまを見せられたことは、私の人生で最大の誇りになりました」と涙ながらに思いを語った。

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 イベントでは、第36、37、最終38話を上映。ファイルーズさんのほか、エルメェス・コステロ役の田村睦心さん、ナルシソ・アナスイ役の浪川大輔さん、ウェザー・リポート役の梅原裕一郎さんも登場した。

 作品の完結に、鈴木総監督は「疲れたねー……」といい、「でも無事に終わってよかった。役者さんもスタッフもみんな頑張って、目指した方向にいい感じのフィルムに仕上がった」と語った。テレビアニメ終盤では、徐倫一行とプッチ神父との最終決戦が描かれ、プッチのスタンド、メイド・イン・ヘブンの能力により、時が加速する中でバトルが繰り広げられた。鈴木総監督は「原作をご存じの方も多いと思うので、どうやって“時の加速”をアニメで表現するか、(制作が)始まった当初から現場で『絶対このシーンは大変だ』と頭を悩ませていました。皆さんが驚くような映像を作りたいという思いで挑戦しました」と制作の苦労を明かした。すかさず田村さんが「プッチが速すぎで、これは勝てる気がしない」と感じたと完成したシーンを絶賛した。

 総力戦では「アナスイが頼もしかった」と感想があがるも、アナスイが承太郎に徐倫との結婚を許してもらおうとするタイミングがおかしいとキャスト陣から次々と突っ込むと、アナスイ役の浪川さんは「『今じゃねえだろ!』と世界中が思っていると思う」と笑顔を見せ、「なんとかこの状況を乗り越えるために、自分を奮い立たせる覚悟というスイッチを押してほしいという気持ちがあったのだと思います」と思いを語った。

 徐倫と留置所で出会ってから行動を共にしてきたエルメェスについて田村さんは「彼女は自身の目的を果たせた状態だったので、その後は、いかに敵がすごいか、徐倫が成長したかということをリアクションで伝える立ち位置だった」と語ると、鈴木総監督も「過去のシリーズでは(スターダストクルセイダースの)ポルナレフや(ファントムブラッドの)スピードワゴンもそうだった。代々受け継がれている役割ですよね」とコメント。田村さんは「そんな大切なポジションを任せていただけて光栄です」と笑顔を見せた。

 戦いの途中で“退場”したウェザー・リポートを演じた梅原さんは「報われない人生で、彼が世界を恨んでしまうのももっともだと思います。でも彼の死に際でのアナスイの『彼はこの数日幸福だった』という言葉はウェザーを演じている身としても本当にそうだなと思いました。自分が何者か知らないまま死んでいくつらさよりは、自分の過去を分かった上で人生を清算するつもりで徐倫に後を託せたのがよかった。生きた証しを残せたのは大きかったと思います」と思いを語った。

 最終話の話題では、鈴木総監督がクライマックスに向けてこだわったシーンや音楽に関するエピソードを語り、「原作にはない描写を加えるにあたり原作者である荒木飛呂彦先生の許可を得た」と明かした。ファイルーズさんは「これまでの『ジョジョ』シリーズを通して見てきた身としては、今までのお話の最終決着なんだなと改めて実感し切ない気持ちになりました」と感想を語った。

 イベントの最後には、登壇者が一人一人思いを語った。鈴木総監督は「今日は本当にありがとうございました。ジョースター家の戦いは一旦終わりましたが引き続きまた一から戻ってぜひ見ていただけたらと思います!」と呼びかけた。梅原さんは「ウェザー・リポートとして『ジョジョ』の世界で生きられたことをうれしく思います。ぜひ何度も見直して仲間たちの生きざまを見届けていただけたら幸いです」と話した。

 浪川さんは「ファイルーズさんを筆頭に監督、キャスト、スタッフの皆さんも愛情を持って作り上げた作品です。ぜひこの先も、ストーンオーシャンをはじめ『ジョジョ』の世界は面白い、素晴らしい作品だということを言い続けて、応援していただけるとうれしいです」と語った。田村さんは「私は中学生時代にストーンオーシャンの原作に出会いました。その後声優になり、エルメェスという役を任せていただいてうれしく思います。改めて総監督のお話を聞いてアニメへの解像度も上がりましたし、また放送やNetflixでたくさん見て新たな気づきを得たいと思いました。皆さんもぜひたくさん見ていただけるとうれしいです」とメッセージを送った。

 ファイルーズさんは「『空条徐倫役です』と皆さんの前で言えることが本当に幸せです……」と話し、感極まって目頭を押さえた。「ジョジョ」シリーズへの思い、徐倫への熱い思いを語り、イベントを締めくくった。

 「ジョジョの奇妙な冒険」は、1986年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が始まった人気マンガ。数世代にわたる個性的な悪人たちとの戦いを描いた壮大なストーリーや独特の擬音を用いた表現、独特の立ちポーズなどが人気を博している。

 テレビアニメは、第1部「ファントムブラッド」と第2部「戦闘潮流」が原作の第1シーズンが2012年10月~2013年4月、第3部「スターダストクルセイダース」が原作の第2シーズンが2014年4~9月、2015年1~6月、第4部「ダイヤモンドは砕けない」が原作の第3シーズンが2016年4~12月、第5部「黄金の風」が原作の第4シーズンが2018年10月~2019年7月に放送された。

 第6部「ストーンオーシャン」はシリーズ初の女性主人公で、空条承太郎の娘・空条徐倫が、無実の罪で刑務所に収監され、脱獄しようとする……というストーリー。最終回となる第38話が4月7日深夜にTOKYO MXほかで放送される。Netflixでも配信中。

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