ドラゴンボールDAIMA
第5話 パンジ
11月11日(月)放送分
月刊マンガ誌「Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)で連載された学園ラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「ホリミヤ」の新作「ホリミヤ -piece-」が、7月にTOKYO MX、MBSほかで放送を開始した。新作は、「ホリミヤ」のキャスト、スタッフが再集結し、前作では描かれなかった原作の人気エピソードがアニメ化される。メインキャラクターの堀さんこと堀京子を演じる戸松遥さんは、同作には独特の空気感、“ホリミヤ節”があると感じているといい、「私たちの力量が試される」と話す。新作、堀さんの魅力を聞いた。
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「ホリミヤ」は、ウェブで連載されたHEROさんのマンガ「堀さんと宮村くん」の構成、作画を新たにして2011年に「Gファンタジー」で連載を開始した。クラスの中心的存在の堀京子とあまり目立たない存在だった宮村伊澄の恋模様や、仲間たちとの青春が描かれた。
前作のテレビアニメは2021年1~3月に放送され、原作の終盤に当たる堀さんや宮村たちの卒業式までが描かれた。戸松さんは、新作アニメの制作が決まり、「本当にうれしかった」と語る。
「前回、あんなにきれいに終わったということもあって、次は何をやるんだろう?と思ったんですけど、時系列関係なくいろいろなお話をピックアップしてアニメ化すると聞いて、そういうやり方で新作を作るってなかなか新しいし、面白いなと思いました。きっとファンの皆さんが『この話をアニメで見たかったな』というお話も今回入っていると思うので、それをできるというのはすごくうれしかったですね」
「振り幅がある堀さんを演じるのはすごく楽しい」という戸松さん。前作の収録では、毎回「ドキドキしていた」という。
「前作は、宮村くんと堀さんの恋愛模様が描かれる回が多かったので、結構ドキドキするというか。客観的に原作やシナリオを見ていても、アフレコの映像を見ても『うわー!』みたいな(笑い)。私は、前作の堀さんが食べている粘土味のアメを宮村くんがキスをして奪うお話が好きで、『はぁ、青春だな!』みたいな。あとは、宮村くんが掘さんの弟の創太に対して言った『創太の“お姉ちゃん”はとらないからさ “京子”をくれないかな』というせりふが、私、すごく好きで! かなりドキドキさせられるシーンが多かったですね。アフレコに入ると、堀さんの感情の波が激しい時が多いので、そっちに忙しくなっちゃうんですけど、アフレコ前に台本開いた時は、『ひゃー、きょうはこのお話か!』とドキドキしていました」
新作アニメの収録では、シナリオを読み、「青春しているな!」と感じたという。
「前作で宮村くんと堀さんの恋愛模様はしっかりと描かれたので、新作では、ある意味安心感を持って見ていただけると思います。『この二人がどうにかなっちゃうんじゃないか?』『別れるんじゃないか?』という心配は一切いらない。安定の二人があった上で、体育祭とか学校の青春の部分が描かれていて、みんながワイワイしているというか、『学校生活の青春をしているな』みたいな。また新しい『ホリミヤ』が見られて楽しいんじゃないかなと思います」
新作アニメでも、もちろんちゃきちゃきとして明るい堀さんは健在だ。
「修学旅行でも体育祭でも、どこに行っても『堀さんは堀さんなんだな』という感じがあるというか。そのちゃきちゃきした感じや、ちょっとドSな感じ、明るさに結構救われる瞬間もありますね。あと、前作でも描かれましたが、堀さんが宮村くんに『ののしってほしい』というシーンが結構たくさんあります。宮村くんからすると意味が分からない堀さんの遊び心(笑い)。ある時から掘さんは変な癖(へき)に目覚めてしまったので(笑い)」
戸松さんは、「ホリミヤ」には“ホリミヤ節”ともいえる独特の空気感があるといい、それが作品の魅力だと感じているという。
「うまく言えないんですけど、キャラクターたちがしゃべる間(ま)なのか、しゃべり方の節なので、独特のホリミヤ節みたいなものがあるんです。石浜(真史)監督もおっしゃっていたんですけど、アニメでシナリオにせりふをちょっと書き加えると、途端に『ホリミヤ』ではなくなってしまうと。原作で先生が書かれたせりふの言い回しなどを大事にしないと、本当に一言ちょっと変えるだけで急に違う人になってしまうと」
戸松さんらキャストも“ホリミヤ節”を大事にしている。
「当然ですけど、アニメになると、キャラがしゃべっているから不自然になってはダメですし、空気感みたいなものがナチュラルにキャラから出てこないといけない。そこが、表現する私たちの力量が試されるところでもあるので」
新作アニメは、前作に比べてせりふのボリュームが増え、テンポも早くなっているという。
「前作よりシーンの切り替えが多くて、少し忙しくなったというか。ボリュームが増えてわちゃわちゃ感がある新作には、そのテンポがすごく合っているんですよね。ただ、宮村くんと堀さんの二人のシーンは、ゆったりと間を使って、尺を使って、演出的にすごく時間をかけて描かれていて。みんながたくさんしゃべっているわちゃわちゃとしたシーンと、宮村くんと堀さんのシーンとのメリハリがすごく面白いなと思っています。すごくにぎやかなシーンもあるし、前作と同じく『ホリミヤ』のドキドキさせてくれるあの空気感もすごく大事にして作られているので、どっちの良さもあるなと」
戸松さんは、「ホリミヤ」で描かれる“ガラケー(ガラパゴス携帯)”を使ったやり取りも魅力的だと語る。「ホリミヤ」は、前身となった「堀さんと宮村くん」が2007年からウェブで連載されていたこともあり、キャラクターたちがガラケーを使っている。
「恐らく現代の子たちが見た時に、連絡の取り方がちょっと古いと思うかもしれないんですけど、ガラケーでのやり取りの良さみたいなのも含めての『ホリミヤ』だと思うんですよね。作品によっては、原作ではガラケーだったところをスマホに変える場合もあると思うんですけど、それをあえて変えずに、原作の良いところをそのままに生かしているのが『ホリミヤ』なので、それもあって独特の世界観に見えているのかなと思います。前作でも、堀さんが宮村くんからのメールの返事が来なくてやきもきするシーンが描かれましたが、既読の機能がないガラケーのメールの良さがあるのよ!と(笑い)」
前作、新作アニメと堀さんを演じてきた戸松さんに、改めて堀さんの魅力を聞いた。
「明るいところ、と一言で言うと簡単になっちゃうんですけど、分け隔てなく誰に対しても面倒見がいいし、誰に対しても壁がないというか。だから、宮村くんのような『自分はクラスで浮いている』という感覚がある人にも、壁をぶち破って話しかけられたんだと思います。ただ、単に明るいだけじゃなくて、どんどん掘り下げていくと、面倒臭い部分もあって、すごく人間味があるんですよね。人間って一つの部分だけじゃないし、明るい人だって落ち込むし、面倒臭い部分もあるし、怒るし、泣くし。憧れる人でもあり、すごく共感できるところもあって、親近感を持たせてくれるところがすごく好きですね」
戸松さんは、堀さんに限らず「どのキャラクターにも人間臭い部分がすごくある」といい、「キャラ説明が『この人はこういう人』と一つの面で終わらないところが深い」と「ホリミヤ」の魅力を語る。
新作「ホリミヤ -piece-」では、明るくて、面倒臭いけれど、とびきりチャーミングな堀さんの魅力を堪能できるはずだ。
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