モンスター
#11 求める者たちへ
12月23日(月)放送分
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第28回「本能寺の変」が、7月23日に放送される。同作の一つ前の戦国大河といえば、2020年の「麒麟がくる」だ。初めて明智光秀を主人公に据えた大河ドラマで、長谷川博己さん演じる義を重んじる実直な性格の光秀が人気を集めた。ここでは、「どうする家康」第28回と同じ副題で、2021年2月7日に放送された「麒麟がくる」最終回(第44回)を振り返りたいと思う。
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「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマで、「太平記」(1991年)などで知られる池端俊策さんのオリジナル作。ドラマでは謎めいた明智光秀の前半生にも光を当て、戦国の英傑たちの運命を描いた。
最終回では、宿敵・武田家を打ち滅ぼした戦勝祝いの席で、光秀(長谷川さん)は信長(染谷将太さん)から理不尽な叱責を受け、饗応役(きょうおうやく)の任を解かれる。追い打ちをかけるように信長は、光秀と縁深い四国の長宗我部征伐に相談もなしに乗り出すと告げる。
戸惑う光秀に、信長はさらに備後の鞆(とも)にいる将軍・義昭(滝藤賢一さん)を「殺せ」と究極の命令を突きつける。将軍を討てば「戦が終わる」と考える信長に光秀は「殿は戦の度に変わってしまった」と、その行き過ぎた態度をいさめるが、信長は「己を変えたのは戦ではなく光秀自身だ」と冷たく言い放つ。
やがて光秀は伝吾(徳重聡さん)、左馬助(間宮祥太朗さん)、斎藤利三(須賀貴匡さん)の3人の重臣に「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す」と謀反の決意を伝える。信長を討ち、心ある者と手を携え、世を平らかにすることが自分の役目であると考える光秀は、天正10(1582)年6月2日未明、軍勢を率いて本能寺を急襲する。
「そうか十兵衛か。であれば、是非もなし」と何かを悟る信長。自ら槍(やり)や弓、刀を手に明智の軍勢に応戦するが、傷を負ってしまい、近習の蘭丸(板垣瑞生さん)に火を付けることを指示すると、「わしはここで死ぬ。わしの首は誰にも渡さぬ、わしを焼き尽くせ」との言葉を残して、自ら命を絶つ。
火の手が上がる本能寺を見つめ、光秀は信長と歩んだ日々を回想。SNSでは「十兵衛とノッブの思い出振り返りシーンあかん」「2人のときめきメモリアルが走馬灯のように浮かんでは消え浮かんでは消え…」「もう涙で前が見えない」などと視聴者は反応。 「明智光秀と織田信長、運命の人やん。1年見続けて良かったと思った回想シーン」「史上最高に切ない『本能寺の変』、胸が痛い…」「本能寺の恋…」という感想もつぶやかれていた。
なお、「本能寺の変」後の世の動きについてはナレーションベースで、「山崎の戦い」と光秀の死についても「6月13日。西国から思わぬ速さで戻った、羽柴秀吉が立ち塞がったのである。光秀は敗れた。世の動きは一気に早まった」と語られたのみ。
そこから時間は一気に3年が経過。実は光秀は「丹波の山奥に潜み、今も生きている」といううわさがあり、駒(門脇麦さん)は人混みで“光秀らしき男”を目にする。駒はその人影を見失うも、「十兵衛様」とつぶやくと、“光秀らしき男”が馬にまたがり、疾走するシーンへ。ここで画面にはドラマ終了を告げる「完」という文字が浮かび上がった。
光秀と信長の「不思議な友情物語」の終幕となった「麒麟がくる」の本能寺の変。
当時、脚本を手掛けた池端さんは「光秀は信長を殺したくて殺すわけでもなく、憎らしいから殺すわけでもありません。やむを得ず、自分の親友を殺したんです」と位置づけると、「ここまで一緒に歩いてきて、一緒に夢を語った相手を殺すのはつらいですから、本能寺で信長を殺しても『やった!』という快感ではなく、悲しさがありますし、大きな夢を持った人間は、やはり大きな犠牲を払わなければならない。その心の痛みを描きました」と語っていた。
果たして「どうする家康」ではどのような展開になるのか。今夜の放送に注目だ。
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