解説:「呪術廻戦」 “神回”で話題の魔虚羅の強さとは? “呪いの王”宿儺と激突

「呪術廻戦」コミックス第14巻の書影
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「呪術廻戦」コミックス第14巻の書影

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第2期「渋谷事変」(MBS・TBS系)。11月16日に放送された第41話「霹靂-弐-」では、“呪いの王”両面宿儺(りょうめんすくな)と伏黒恵の式神・八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)の強者同士の激しい戦いが描かれ、SNSでは「神回」「戦闘が激アツ」などといった声が相次いだ。魔虚羅はどれほど強かったのか? 能力も含め解説する。

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 ◇五条悟と同じ六眼持ち・無下限呪術使いを倒した?

 魔虚羅は、「呪術廻戦」のメインキャラクターの一人の伏黒恵が操る術式・十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)によって召喚された式神だ。十種影法術は10種の式神を扱う術式で、最初から使役できる式神は二匹の玉犬(ぎょくけん)のみで、ほかの式神は術者自身が戦って調伏しなければ使役できない。魔虚羅は、その強さから、伏黒をはじめ歴代の十種影法術師の中で調伏できた者は一人もいない“最強の式神”とされている。召喚しても、調伏できず、逆に殺されてしまう可能性もある。

 昔、“最強の呪術師”五条悟と同じ六眼持ち、無下限呪術使いの五条家当主が、十種影法術使いの禪院家当主と御前試合で相打ちになったことがあったといい、伏黒はそのことを知っていた。伏黒は、禪院家当主が自らを道連れにして、魔虚羅を召喚したと推測し、魔虚羅の召喚は、切り札、奥の手だと考え、これまで召喚してこなかった。

 第41話では、呪詛師・重面春太が、満身創痍(そうい)の伏黒を奇襲した。これまでの最大のピンチになって初めて、魔虚羅を召喚する決心をした。召喚された魔虚羅は神々しく、独特のオーラを放ち、伏黒は魔虚羅に一瞬で吹き飛ばされ、重面も目の前の異様な式神におののく。“呪いの王”宿儺は、何らかの理由で伏黒のことを買っており、伏黒を救うべく、魔虚羅との戦いに臨んだ。

 宿儺は、五条が「力の全てを取り戻した宿儺ならちょっとしんどいかな」と語るほどの実力の持ち主で、そんな宿儺と魔虚羅が激突した。強者同士の戦いが、MAPPAによるハイクオリティーな映像で描かれ、「神回」となった。

 ◇最強の式神 その能力

 魔虚羅は巨躯で筋肉質の人型の式神で、飛行もできる。第41話では、渋谷を縦横無尽に飛び回り、宿儺との激しい肉弾戦を見せた。宿儺とステゴロできるフィジカルとスピードもさることながら、能力もほかの式神とは一線を画す。

 正のエネルギーをまとった対呪霊に特化した剣を右腕に備え、その威力は宿儺が「俺が呪霊だったら一撃で消し飛んでいた」と評すほど。呪霊を一撃で倒せる武器ということもあり、この剣だけでも最強の式神と呼ぶにふさわしい。

 魔虚羅の真骨頂は別にあった。それは「あらゆる事象への適応」だ。受けた攻撃の耐性を徐々に獲得していき、次第に同じ攻撃が通用しなくなる。相手に有効な攻撃を与えられるように学習もする。

 魔虚羅を倒すただ一つの方法は「初見の技で適応前に破る」ことで、一撃で決着をつけるしかない。何より魔虚羅の強さを際立たせているのは“適応の解釈範囲”の広さだ。

 宿儺は解(かい)という斬撃を飛ばす術式で魔虚羅と戦っていたが、魔虚羅は解に適応。宿儺の必殺技というべき領域展開・伏魔御厨子(ふくまみづし)で、解に加え、捌(はち)という斬撃を絶え間なく浴びせても魔虚羅を倒すには至らなかった。魔虚羅は、宿儺の斬撃自体に適応していたため、攻撃が効かなかった。

 優れた観察眼で状況を見極めた宿儺は、すぐさま炎を用いた攻撃・開(フーガ)に切り替えて勝利したが、領域展開でも倒しきれなかったことからも、魔虚羅の異常な強さがうかがえる。

 ◇魔虚羅を上回る宿儺の底知れない強さ

 圧倒的な強さから、魔虚羅を調伏しての使役は“無理ゲー”感もある。そんな魔虚羅を倒してしまう宿儺の強さも際立った。宿儺は死蝋(しろう)である全20本の指を取り込むことで完全に復活すると言われているが、劇中ではまだ20本全てを取り込んでおらず、いまだ実力を十全に発揮しているわけではない。それでも、宿儺は魔虚羅に勝利した。魔虚羅を倒した開についても詳細が明かされておらず、宿儺の強さは底知れない。今後、宿儺たちがどんなアツいバトルを見せてくれるのかも楽しみにしてほしい。

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