ブギウギ:前半「東京編」を振り返る スズ子上京から愛助との恋まで 「大空の弟」歌唱シーンも話題に

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」でヒロインを演じる趣里さん
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」でヒロインを演じる趣里さん

 俳優の趣里さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。1月4日から後半戦がスタートするが、2023年10月2日~12月28日まで放送された前半はどのようなストーリーだったのか。ここでは、上京したヒロイン・スズ子(趣里さん)が歌手としてめざましく成長していく「東京編」を、視聴者の声とともに振り返る。

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 ◇「スウィングの女王」の誕生

 ドラマは、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲を歌った戦後の大スター、笠置シヅ子さん(1914-1985年)が主人公のモデル。大阪・福島にある銭湯「はな湯」の娘として育った花田鈴子(後の福来スズ子)は、勉強は苦手だが歌うことが大好きで、小学校を卒業すると梅丸少女歌劇団(USK)に入団。やがて、東京の梅丸楽劇団から視察にやって来た演出家の松永(新納慎也さん)に見いだされ、USKの後輩・秋山(伊原六花さん)と共に上京し、歌手としての第一歩を踏み出した。

 上京したスズ子は、秋山と一緒にチズ(ふせえりさん)が営む下宿で暮らすことに。そして、梅丸楽劇団を訪れた初日、作曲家の羽鳥(草なぎ剛さん)やバンドマスターの一井(陰山泰さん)らと出会う。スズ子は、羽鳥が茨田りつ子(菊地凛子さん)が歌う「別れのブルース」の作曲者だと知り、感銘を受ける。

 第28回(2023年11月8日放送)では、スズ子と羽鳥のレッスン初日の様子が描かれた。羽鳥はスズ子が歌う「ラッパと娘」に満足せず、歌の出だしばかり500回以上歌い直させた。終始穏やかな笑顔でスズ子に歌い直しを求める羽鳥の姿が「笑顔の鬼」と話題になった。

 第30回(2023年11月10日放送)では、「スウィングの女王」誕生の瞬間が描かれた。梅丸楽劇団の旗揚げ公演のステージに立ったスズ子は、躍動感あふれるダンスとパワフルな歌声で観客を魅了。約3分にわたってフルコーラスで「ラッパと娘」を歌い上げると、視聴者から「鳥肌が立った」「感動して泣いた」など称賛の声が集まった。

 ◇最愛の母・ツヤの死

 スズ子の公演での様子は新聞でも取り上げられ、スズ子の家族や銭湯「はな湯」の常連客も大喜び。そんな中、スズ子の母・ツヤ(水川あさみさん)は病で床に伏していた。

 一方、スズ子の弟・六郎(黒崎煌代さん)にも赤紙が届く。六郎は、床に伏すツヤの元へ駆け込み、「すごいやろ!?」と胸を張る。六郎は無邪気に喜ぶが、ツヤと父・梅吉(柳葉敏郎さん)は複雑な表情を浮かべていた。

 第38回(2023年11月22日放送)で、六郎は出征前に東京のスズ子のもとを訪れる。久しぶりに再会した2人は、出征前最後の姉弟水入らずの時間を過ごす。

 その夜、2人が布団を並べて寝ていると、六郎は不安な胸中を吐露。六郎は「どないなって死ぬんか思うと、頭おかしなりそうなるんや」とスズ子に本音を打ち明けた。スズ子にすがりつき泣く六郎の姿に、視聴者から「切ない」という声が続出した。

 出征する六郎を見送ると、公演真っただ中のスズ子のもとに、大阪から「ハハキトク」の電報が届く。スズ子は、母が危篤であることを劇団関係者に告げるが、羽鳥から歌手としての覚悟を問われ、東京に残りステージで歌うことを決意。「センチメンタル・ダイナ」を歌い踊り、観客から大きな拍手と歓声を浴びた。

 第39回(2023年11月23日放送)で、スズ子は大阪の実家に戻ったが、ツヤの病状は深刻だった。スズ子が、かつてツヤも同席したUSKの入団試験で披露した「恋はやさし野辺の花よ」を歌うと、ツヤは涙を流しながらも笑顔で拍手を送った。そしてこの日、ツヤは息を引き取るが、この場面が「美しい別れのシーン」と視聴者の涙を誘った。

 ◇「神回」と言われた「大空の弟」歌唱シーン

 スズ子は、ツヤが亡くなって一人になった梅吉と東京で一緒に暮らし始める。一方、戦時下での警察の取り締まりは厳しくなり、梅丸楽劇団は派手な演目や演出、演奏を全て取りやめることに。戦地へと招集される楽団員も後を絶たず、ついに劇団の解散が辛島(安井順平さん)からスズ子や羽鳥たちに告げられた。

 スズ子は自分の楽団を立ち上げることを決意し、梅丸楽劇団でバンマスだった一井やピアノの二村(えなりかずきさん)ら4人の楽団メンバーと、マネジャーの五木ひろき(村上新悟さん)と共に「福来スズ子とその楽団」を結成。そこに、かつてスズ子に弟子入りを志願していた小夜(富田望生さん)も付き人として加わり、新たなスタートを切った。

 そんな折、梅吉の元に役場から人が訪ねてきて、六郎の戦死の知らせを手渡した。梅吉は六郎の死を受け入れられず、スズ子も悲しみに打ちひしがれていた。まともに歌が歌えなくなったスズ子のために、羽鳥は六郎について書いた楽曲「大空の弟」を作曲した。

 「神回」とも言われた第49回(2023年12月7日放送)では、羽鳥が企画したスズ子とりつ子の共同コンサートの様子が描かれた。スズ子は天国の六郎に届けとばかりに、涙を流しながら「大空の弟」を熱唱。約9分半にわたってスズ子のステージシーンが描かれ、視聴者から「圧巻」「涙が止まらない」と大きな反響を呼んだ。

 ◇愛助との運命の出会い

 松永への淡い恋心は描かれたものの、これまで恋愛とは無縁だったスズ子。そんなスズ子にも、第51回(2023年12月11日放送)で運命の出会いが。巡業先の愛知でスズ子の大ファンという学生・村山愛助(水上恒司さん)と知り合い、次第にひかれていく。

 スズ子は愛助から告白されるが、9歳も年が離れていること、マネジャーの五木から「村山興業」社長で愛助の母・トミ(小雪さん)を敵に回すべきではないとクギをさされたこと、村山興業東京支社長の坂口(黒田有さん)から関係を絶つよう迫られていたことで、返事を保留する。

 しかし、第57回(2023年12月19日放送)で再び愛助に交際を申し込まれたスズ子は、その申し出を受け入れ、2人は恋人同士に。愛助の真っすぐな告白に、視聴者も「幸せになってほしい」と2人の恋を応援した。

 トミに反対されながらも愛を育んでいくスズ子と愛助だったが、愛助の結核が再発。入院中の愛助を献身的に看病するスズ子の姿に胸を打たれた坂口は、スズ子にこれまでの無礼をわび、2人の仲を認めた。愛助は退院して、スズ子と三鷹に借りた家で一緒に暮らし、療養生活を始めるのだった。

 戦争が激しさを増す中、スズ子は巡業で愛助と離れることを不安に思うが、愛助は「こんなときやからこそ、歌ってほしい」とスズ子の背中を押し、前半はラストを迎えた。

 さまざまな困難を乗り越え、互いに支え合い愛を深めてきたスズ子と愛助。終戦を迎える後半からは、2人の関係はどのように変化していくのだろうか。また、歌手として歌う覚悟を新たにしたスズ子の今後の活躍からも目が離せない。

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