じゃあ、あんたが作ってみろよ
第9話 おにぎり食べて、元気だせ!
12月2日(火)放送分
放送中のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)は中盤の折り返し点を過ぎ、後半戦に入った。テレビの前の視聴者が画面に“クギヅケ”になっていた程度を示す「注目度」を基に、最近の朝ドラ5作品(全125~130回)を第1回から第65回までの数値で比較したところ、「らんまん」(2023年度前期)が50代以上を中心に幅広い支持を得たのに対し、「あんぱん」は男性を中心に40歳代以下の視聴者を、「おむすび」(2024年度後期)は若い女性の心をつかんでいるなど、各作品の個性が浮き彫りになった。
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活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。数字が高いほど、番組に夢中で目が離せなくなった人が多かったことが分かるというわけだ。
比較したのは、神木隆之介さん主演で植物学者の牧野富太郎をモデルに描いた「らんまん」、趣里さん主演で「ブギの女王」笠置シヅ子をモデルにした「ブギウギ」(2023年度後期)、伊藤沙莉さん主演で日本初の女性弁護士の一人、三淵嘉子をモデルにした「虎に翼」(2024年度前期)、橋本環奈さん主演の「おむすび」、今田美桜さん主演で「アンパンマン」のやなせたかしとその妻、小松暢がモデルとされる「あんぱん」(2025年度前期)の5作品。
結果は、全年代が対象となる「個人全体」「男性全体」「女性全体」とも、「らんまん」が1位。中でも「男女60歳以上」「女性40~59歳」で特に多くの視聴者の心を引き付けていたことが分かる。「男性13〜24歳」で最下位など弱点はあるが、基本的にどの世代の視聴者にも好評だったことがうかがえる。オーソドックスな朝ドラの視聴イメージに近い作品だったともいえる。
一方、放送中の「あんぱん」は、コア視聴層(男女13〜49歳)で1位。性別、年代別では「男性13〜24歳」「男性40〜59歳」で1位となった。主演の今田さんや、 河合優実さん、 原菜乃華さんが演じる朝田家3姉妹が男性視聴者の心をつかんで離さなかったのかもしれない。朝ドラのメイン視聴者とされる「女性」(全年代)では「らんまん」「虎に翼」に次ぐ3位。番組序盤(第1〜25回)に比べ、0.5ポイント改善しており、終盤に向けてどのように変わっていくかが楽しみだ。
5作の中で世帯視聴率(REVISIO調べ)が1位だった「虎に翼」は1位こそないものの、男女どの年代でも2位や3位が多く、各性別、各世代の心をまんべんなくつかんでいたことがうかがえる。
「おむすび」は番組序盤(第1〜25回)では、橋本さんへの期待感からか、全年代が対象の「男性全体」が1位で、今回の折り返し点でも「らんまん」に抜かれたものの2位。世代別では「女性13〜24歳」で1位だったことが興味深い。
劇中で描かれたパラパラなど、ギャルの文化やファッションが、当時を知らない女性たちの心をつかんだのだろうか。第65話はヒロインの結(橋本さん)が翔也(佐野勇斗さん)に逆プロポーズし、2人は結婚した。直近で2人の恋の行方が盛り上がっていた時期だったため、この年代の関心が高まった可能性も考えられる。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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