ばけばけ:日本人になることになぜ“錦織”吉沢亮は反対するのか 視聴者が最もクギヅケになった場面は? 第114回を注目度で振り返る

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第114回(3月12日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時4分の69.9%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇ヘブンの日本名を考えてきた勘右衛門

 第114回は、トキ(高石さん)とヘブン(トミー・バストウさん)が知事の江藤(佐野史郎さん)を訪ね、ヘブンが日本人になる許可をもらえるようお願いする場面から始まる。江藤には、取り付く島もなく一蹴され、トキは錦織(吉沢亮さん)に協力を頼もうと中学校を訪れるが、錦織にも断られてしまう。失意のトキとヘブンの元に、勘右衛門(小日向文世さん)が訪ねてくる。日本人になるヘブンに、勘右衛門は名前を考えてきたと告げる。

 テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、開始早々から60%台後半の高い注目度で入り、序盤にこの日の最高値を記録。終盤、ラストシーンでも“山”を作って、次回第115回につないだ。

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 ◇錦織はなぜヘブンを助けないのか?

 冒頭の午前8時0分台(68.4%)は、トキとヘブンが、応接間で江藤知事と話す場面。「わしは怒ってなどおりません」と言う江藤だが、ヘブンが日本人になっても問題のない人物かというと「そげですかいの」と、やはり松江を捨て、熊本に移ったことが引っ掛かっている様子。ヘブンやトキが「やっぱり怒ってる」とささやき合うと、江藤が「怒ってません」と一喝するも、その後は「怒ってらんて」と優しい口調に。かわいがっていたヘブンに裏切られ、可愛さ余って憎さ百倍といったところなのだろう。3人の息の合った会話が楽しい場面だ。

 その後、オープニングで注目度は58%台まで下がるが、ドラマが再開すると回復。午前8時4分にはこの日の最高値69.9%を記録した。松江中学校を訪ねたトキが、出てきた錦織と再会する場面だ。

 「あの話ならヘブンさんにお断りしたはずだが」「あの話だよな?」

 トキの頼みごとを聞くまでもないと、あっさり断る錦織。熊本に行ったことをまだ怒っているのかとトキが尋ねると、錦織はぼそぼそと小声で答える。

 「本当に、誰も、何も、わかっちゃいない」

 意味深な言葉にトキが「えっ」と言うと、「怒ってなどいない」とはっきり否定する。ここまでが午前8時4分台だ。

 続く午前8時5分台は、トキが「本当ですか?」と切り出すと、なぜ知事に掛け合ってくれないのかと食い下がるあたりから。そんなトキに、錦織はまた含みを持たせた言い方をする。

 「日本人にならないほうがよいと思っているからだ」

 驚くトキに「驚くことか?」とつぶやくと、「君なら少しは分かってくれると思っていたが」と言い残し去っていく。

 「なんかね? 日本人にならんほうがいいって」。一緒に聞いていたサワ(円井わんさん)がトキに尋ねると「わからん」と言いながらも「わかるけど」とつぶやく。外国人であるヘブンと結婚したトキは、錦織が言いたいことがやはり「わかる」のだ。ただ、「わかりたくない」のだろう。

 そんな問答のようなやりとりが続いた午前8時5分台は68.3%と、やや注目度が下がったものの、視聴者の関心を集め続けていたことがうかがえる。

 ◇松江で初めて迎えた朝と違う! 自身の変化にうろたえるヘブン

 中盤、注目度は60%台前半を推移。勘右衛門(小日向文世さん)がヘブンに、日本名を与えるあたりも注目度は上がってこない。モデルの小泉八雲と同じ「八雲」で、意外性がなかったからだろうか。

 エンディング前の午前8時14分台に68.8%と、注目度が再び上昇するのだが、ここでも錦織がからんでくる。

 久しぶりに松江で朝を迎えたヘブン。米をつく音を耳にし、布団から起き上がると表に出る。この場面はヘブンが松江で初めて朝を迎えた第23回(2025年10月29日放送)の場面と重ねあわせている。

 当時は、米をつく音で目を覚ましたヘブンは、憧れの“神々の国の首都”松江で迎える幻想的な朝の風景に感動を覚える。浴衣姿のまま旅館を出ると、美しい街並みを目にし、人々がものを売る声、遠くで響く鐘の音を聞く。「遠くで鐘の音が響く中、人々は太陽と社がある方角に向けて、手をたたいて神々への祈りをささげる。これら全てが神秘的で新鮮に感じられる」「まさにここは君と来ることを願っていた……神々の国の首都だ」と心の中でつぶやいた。

 だが、今回、ヘブンは同じものを目にしているはずなのに、感じ方は全く違う。そんなヘブンの内面を表現するかのように、劇中の音楽も、映像もどんどんおかしくなっていく。自身の変化に動揺するヘブンに、橋の上で錦織が「何をうろたえているんですか」と声を掛ける。

 病に侵され、やせ細った錦織は以前のような“明るさ”や“軽さ”が消え、今にも消え入りそうなたたずまいを、眼光の鋭さや、その強固な意志が支えているような感じを受ける。ヘブンの日本での生活に寄り添い続け、最もヘブンとトキを知る錦織が何を語るのか? 含みを持たせた言い回しが続いた錦織の本意は? 続きを一刻も早く見たくなる、非常に気になる終わり方だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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