完全新作スペシャルドラマ『ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH』
完全新作スペシャルドラマ『ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH』
12月28日(日)放送分
2025年10~12月に放送された秋の連続ドラマの最終回で、視聴者を最も引き付けた作品は何だったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっている程度を示す「注目度」でランキング化したところ、上位には“視聴率”のランキングとはかなり違った作品が並んだ。「相棒」のような長寿シリーズの新作のほか、野木亜紀子さん、三谷幸喜さん、岡田恵和さんら“大物”脚本家のオリジナル新作も並んだバラエティー豊かな秋ドラマのラインアップの中で、最終的に視聴者を本当にクギヅケにしていた作品は何だったのか調べてみた。
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活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO株式会社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。
視聴率は、番組にチャンネルを合わせていた世帯や個人の割合はわかるが、画面の番組をどこまで集中して視聴していたかどうかはわからない。視聴率と注目度を合わせると、番組の見られ方の本当の姿がうかがえるというわけだ。
今回のランキングは、民放で10月からゴールデン帯やプライム帯に放送されている連続ドラマ16作品の最終回を対象に調べた。
まず、いわゆる“視聴率”に当たる、REVISIO社の「世帯テレビオン率」のベスト3は、1位が「ザ・ロイヤルファミリー」(TBS系、日曜午後9時)、2位が「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系、火曜午後10時)、3位が「相棒 season24」(テレビ朝日系、水曜午後9時)。初回の4位から2位に浮上した「じゃあ……」を除くと、初回とほぼ同じ安定の顔ぶれだ。
ただ、注目度ランキングになると、作品が大きく入れ替わる。全年代が対象の「個人全体」の3位には、世帯テレビオン率1位の「ザ・ロイヤルファミリー」が順当にランクインしたが、2位は三谷さんの脚本の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(フジテレビ系、水曜午後10時)、1位は野木亜紀子さんの脚本の「ちょっとだけエスパー」(テレビ朝日系、火曜午後9時)と大物脚本家の話題作が並んだ。「もしも……」と「ちょっとだけ……」はそれぞれ、初回の注目度が個人全体で14位と8位とやや低迷していたが、最終回では視聴者の視線をしっかり引き付けていたのはさすがだ。
個人全体で1位の「ちょっとだけエスパー」は、比較的若い「コア視聴層」(男女13~49歳)で1位、全年代の「女性」で2位なのに対し、個人全体で2位の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は、全年代の「男性」で2位と、つかんだ視聴者層が全く対照的なのが興味深い。「もしも……」は比較的若い「コア視聴層」では13位とまったくふるわず、男性でも50代以上に支えられていたことがうかがえる。
逆に個人全体で3位の「ザ・ロイヤルファミリー」は、全年代の「男性」で3位、全年代の「女性」と比較的若い「コア視聴層」でともに6位と比較的バランスが取れていて、「世帯テレビオン率」が1位だったのも納得の結果だ。
一方、初回の注目度で、個人全体1位だった「終幕のロンド ーもう二度と、会えないあなたにー」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)はランクを落としたものの、個人全体4位とまずまずの結果。全年代の「女性」は初回から引き続き1位と変わらなかったが、全年代の「男性」が初回の1位から10位に大幅に下げたのが響いた。
初回の注目度で個人全体2位だった「フェイクマミー」(TBS系、金曜午後10時)は、最終回では個人全体9位でフィニッシュ。初回は、「男性」「女性」「コア視聴層」のいずれでも3位内に入っていたが、いずれも圏外に転落していた。
初回の注目度が「コア視聴層」で6位、世帯テレビオン率は4位とまずまずのスタートを切り、大化けが期待された「じゃあ、あんたが作ってみろよ」は、全体の注目度では初回の11位から最終回の7位へとわずかなランクアップのように見えるが、ターゲット別で見ると、全年代の「男性」が1位、比較的若い「コア視聴層」で3位とベスト3にしっかり食い込んだ。竹内涼真さん演じる海老原勝男の昭和的な“化石男”っぷりが話題になったが、海老原らと同年代の「コア視聴層」とともに、幅広い世代の「男性」の心もつかんでいたというのが面白い。
真犯人を巡る考察がネット上で盛り上がった「良いこと悪いこと」(日本テレビ系、土曜午後9時)は、初回の「個人全体」の注目度が15位発進だったが、最終回では5位へと大きくランクアップ。特に、全年代の「女性」では3位に入る大健闘を見せた。「終幕のロンド」とは、ジャンルが異なる作品なのだが、なぜかどちらも「女性」に強く、「男性」は弱い。どこかに視聴者に訴える共通点があるのだろうか。
秋ドラマは“大物”脚本家のオリジナル新作が目立ったが、いずれも初回は好スタートとはいかなかった。それでも、最終回の注目度は「個人全体」で「ちょっとだけエスパー」が1位、「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」が2位、岡田恵和さん脚本の「小さい頃は、神様がいて」(フジテレビ系、木曜午後10時)が6位といずれも上位にランクインした。視聴率的にはやや苦戦した作品も多かったが、しっかりターゲットの心をつかんでくるあたりはベテランの力ということだろう。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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2025年12月30日 20:00時点
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