解説:混戦模様の春ドラマ初回注目度ランキング 視聴者をクギヅケにしたのは性別、世代でバラバラ 個人1位は「夫婦別姓刑事」

主な春ドラマの出演者。(左上から時計回りで)「LOVED ONE」「GIFT」「タツキ先生は甘すぎる!」「ボーダレス~広域移動捜査隊~」
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主な春ドラマの出演者。(左上から時計回りで)「LOVED ONE」「GIFT」「タツキ先生は甘すぎる!」「ボーダレス~広域移動捜査隊~」

 2026年4月に始まった春の連続ドラマの初回で、視聴者を最も引き付けた作品は何だったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっている程度を示す「注目度」でランキング化したところ、いわゆる“世帯視聴率”とは全く違う顔触れが並んだ。性別や年代別でもそれぞれ大きく違っている。視聴者が好みのドラマを求めさまよっている感じすらする混戦模様の幕開けとなった。

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 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO株式会社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。

 視聴率は、番組にチャンネルを合わせていた世帯や個人の割合はわかるが、実は画面の番組をどこまで集中して視聴していたかどうかはわからない。視聴率と注目度を合わせると、番組の見られ方の本当の姿がうかがえるというわけだ。

 今回のランキングは、4月に放送が始まったNHKと民放のゴールデン帯やプライム帯の連続ドラマ17作品の初回を対象に調べた。

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 ◇“世帯視聴率”1位はやはり「GIFT

 まず、いわゆる“世帯視聴率”に当たる、REVISIO社の「世帯テレビオン率」のベスト3は、1位が「GIFT」で8.1%、2位が「未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3」(テレビ朝日系、木曜午後9時)で7.3%、3位が「ボーダレス~広域移動捜査隊~」(テレ朝系、水曜午後9時)で6.2%。以下は、「サバ缶、宇宙へ行く」(フジテレビ系、月曜午後9時)の5.4%、「時すでにおスシ!?」(TBS系、火曜午後10時)の5.3%、「銀河の一票」(フジテレビ系、月曜午後10時)が続く。1位がほぼ定席のTBS系日曜劇場枠の「GIFT」を始め、フジ系の「月9」やTBS系の「火曜ドラマ」など、視聴者がついているドラマ枠がいつも通り並んでいる。

 ◇注目度「個人全体」の1位は「夫婦別姓刑事」 男性の支持受け

 ただ、視聴者がドラマにどこまで集中していたかを示す「注目度」のランキングでは、顔触れが大きく異なる。

 注目度の「個人全体」で1位と2位に輝いたのは、同じフジ系の「夫婦別姓刑事」(火曜午後9時)と「LOVED ONE」(水曜午後10時)。それぞれ視聴率では14位と12位と下位に低迷したが、見ていた視聴者の多くをクギヅケにしていたことがうかがえる。この2作の特徴は、男性の支持が強いこと。「男性」の注目度ランキングでも1位と2位は同じ顔ぶれだった。

 「夫婦別姓刑事」は橋本愛さんと、“曲者”佐藤二朗さんが、同じ署で刑事として働く夫婦を演じている。警察には「夫婦は同じ部署に配属してはならない」という暗黙のルールが存在するため、別姓のまま、夫婦であることを隠してバディーを組んでいるというのがドラマの肝。シリアスな回、コメディータッチの回などが混在しつつ、最終的には、ある連続殺人事件が次第に2人の過去や家族をも巻き込む予測不能な展開を導き、衝撃の結末へと向かう考察型ミステリーになるという。

 「LOVED ONE」は、ディーン・フジオカさんが、米国でメディカルイグザミナーとして数多くの検死を担当してきた変わり者の天才法医学者、水沢真澄を演じている。男女13~49歳のやや若い世代を対象にした「コア視聴層」でも注目度1位に入った。

 ◇「GIFT」は注目度の「個人全体」で3位

 注目度の「個人全体」3位は、「世帯テレビオン率」1位の「GIFT」。人気作が続くTBS系「日曜劇場」の新作だが、3月まで放送していた「リブート」(TBS系、日曜午後9時)があらゆるランキングでトップに輝いたような勢いはない。「世帯テレビオン率」が2ケタに届かず、注目度は「女性」と「コア視聴層」で2位とさすがの実力を見せたが、「男性」は4位のスタートとなった。もともと「日曜劇場」は男性視聴者が比較的多い枠だったが、次第に女性視聴者に主体がシフトしているのかもしれない。

 ◇「女性」の注目度1位は「10回切って倒れない木はない」

 ドラマのメイン視聴者と言われる女性だが、注目度では「個人全体」と「女性」のランキングは大きく違っている。

 「女性」の注目度1位は「10回切って倒れない木はない」(日本テレビ系、日曜午後10時半)だが、「個人全体」は12位。「女性」3位の「まぐだら屋のマリア」(NHK総合、土曜午後10時)は「個人全体」では14位だ。

 男女13~49歳のやや若い世代を対象にした「コア視聴層」で3位に入ったのは「エラー」(テレ朝系、日曜午後10時15分)だが、「個人全体」では最下位17位に沈んだ。

 冬ドラマは「リブート」が、「注目度」「世帯テレビオン率」とも独り勝ち状態だったが、春ドラマは、視聴者のハートをわしづかみにするような強烈な作品はなく、性別や世代別で大きく好みが分散する形になった。

 最終回のランキングでも、同じような混戦状態が続くのか。それとも、冬ドラマの「リブート」のように独り勝ち状態になっているのだろうか。(文・佐々本浩材/MANTANWEB)

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