はんにゃ金田:念願の大河出演の“その先” 目指すは「喜劇王」 藤原斉信役好演も相方・川島は「似合ってるじゃん、平家」

NHK大河ドラマ「光る君へ」で藤原斉信を演じる金田哲さん (C)NHK
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NHK大河ドラマ「光る君へ」で藤原斉信を演じる金田哲さん (C)NHK

 俳優の吉高由里子さん主演の大河ドラマ光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に出演しているお笑いコンビ「はんにゃ.」の金田哲さん。演じる藤原斉信は、同じ藤原姓の道長(柄本佑さん)、公任(町田啓太さん)、行成(渡辺大知さん)と都度、行動を共にし、視聴者からは「平安のF4」と呼ばれ、人気を博している、初の大河ドラマながら、臆せず好演を続ける金田さんに役どころや、今の思いなどを聞いた。

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 ◇斉信役に親近感 「言霊にしがちなのもそっくり」

 昨年3月の出演発表の際、斉信について「若いころから切れ者で道長の側近として政治、文化面を支えたのちに『一条朝の四納言』の1人まで登り詰めたスーパーエリートボーイという印象」と話していた金田さん。改めて「光る君へ」のおける人物像について「『F4』の中では一番の感情型」と位置付ける。

 「喜怒哀楽がしっかりと出ていて、出世欲も強く、それを隠すこともない。またプレーボーイであり、人間味あふれる人」

 斉信の真っすぐさ、分かりやすさは将棋の駒に例えると「香車」だとか。

 「芸人でいうと『パンサー』の尾形(貴弘)さん。個人的に昔からお世話になっていて、大好きな方なのですが、“ああいう人”には憧れもありますし、男としてかっこいいなと思って、自分もそうありたいっていう」

 また「友達といるときは中心でしゃべりたい感じ。『F4』の4人の中で話を回そうとする、整理したがるところは似てるかもしれないですね」と役に親近感も抱く。

 「ものごとに対して、好きなものは好きというのも似てるし、願いごとに対するアプローチ、口に出して、言霊にしがちなのもそっくりです」

 ◇「長徳の変」で暗躍 「めちゃくちゃ冷静な斉信がいた」

 “プレーボーイ”としての顔を持つ斉信。4月28日放送の第17回「うつろい」では、彼がご執心のききょう(清少納言、ファーストサマーウイカさん)とのやりとりが視聴者の注目を集めた。

 「斉信はききょうには首ったけで、しかも、いつの間にか“深い仲”にもなっていた。遊びのつもりだったけれど、どっぷりハマっているのは斉信で、ききょうには踊らされています。ファーストサマーウイカさんとは今回、初めてお会いしたのですが、本当にききょうのように見えて。本人も竹を割ったような性格というか、すごい博識で、いろいろなことを知っている。ウイカさん自身にも魅力がある」

 5月19日放送の第20回「望みの先に」では、花山院(本郷奏多さん)の牛車に矢を放った一件で、伊周(三浦翔平さん)と隆家(竜星涼さん)に厳しい処分が下った(=「長徳の変」)が、その裏で暗躍したのが斉信だった。

 「最初はもちろん意図してなかっただろうし、驚きから入ったけれど、そこでの料理の仕方というか、アドリブ力、斉信の出世欲にひもづいた計画性みたいなところは自分でも恐ろしかったですし、あせっているようで、めちゃくちゃ冷静な斉信がいました」

 ◇コメディアンが映像の世界で演じることはいたって普通

 「光る君へ」には金田さんに加え、「ロバート」の秋山竜次さんや、矢部太郎さんといった芸人がレギュラー出演。金田さんの周りの芸人仲間の間でも話題になっているという。

 「相方の川島(章良)も見てくれてるみたいで。『めっちゃ似合ってるじゃん、平家』と言っていました(笑い)」

 元々、大河ドラマ好き。ゆかりの地をめぐるツアー企画で立ち寄った神社の絵馬に「いつか大河ドラマに出演します」と書いていた金田さんにとって今回、念願がかなったことになるが、さらにその先に見据える目標があるという。

 大河ドラマに限らず、映画やドラマなど映像界において、芸人の俳優起用が当たり前にある中、金田さんは「喜劇王を目指したい」と思いを明かす。

 「チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドとか、養成所時代に見せられるのですが、コメディアンが映像の世界で演じることはいたって普通なんだって。前から知っていたのに『芸人たるものこうあるべきだ』『もっと芸のことを考えろ』とある種、凝り固まった考えが邪魔をしていた。でも、それもいつの間にかなくなって、ありがたいことに芸人として20年近くやってきて、途中で俳優もやらせていただいて、この融合はありなんじゃないのかと思えたんです」

 かつて「令和の喜劇王決定戦!」という番組企画で、お笑いコンビ「千鳥」の大悟さんが、金田さんを「志村けんさんみたい」と絶賛したことも、この思いを後押し。

 「だからこれからの目標としては『俺は喜劇王になる』って。自分が向いていることとやりたいこと、やるべきことがつながってきているっていうのが体感としてあるので。僕らが俳優をやることは変なことじゃないんだって思っています」

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