長谷川育美:「ぼっち・ざ・ろっく!」の一生忘れない思い出 結束バンドのチームワーク

「ぼっち・ざ・ろっく!」で喜多郁代の声優を務める長谷川育美さん
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「ぼっち・ざ・ろっく!」で喜多郁代の声優を務める長谷川育美さん

 「まんがタイムきららMAX」(芳文社)で連載中のはまじあきさんの4コママンガが原作のテレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の劇場総集編「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:/Re:Re:」の前編が6月7日に公開された。2022年10~12月に放送されたテレビアニメは放送時、SNSで関連ワードがトレンド入りするなど人気を集め、劇中バンド「結束バンド」のアルバムがチャートを席巻するなど大きな旋風を巻き起こした。結束バンドのギターボーカルの喜多郁代(喜多ちゃん)役の長谷川育美さんに同作への思いを聞いた。

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 ◇想像していなかった劇場総集編

 「ぼっち・ざ・ろっく!」は、2018年から連載中の音楽マンガ。ギターを愛する孤独な少女・後藤ひとりが、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる結束バンドに加入することになる……というストーリー。原作が人気だったこともあり、アニメの放送前から話題にはなっていたが、放送が始まると人気が爆発した。

 テレビアニメの放送終了から約1年半の時を経て、劇場総集編が公開されることになり、長谷川さんは「想像していませんでした」と驚いたという。

 「テレビで放送したものを劇場で上映するなんて……。ファンの方がいるからこそできることだと思います。そこに踏み切れるくらい応援してくださる方がいることがうれしいです。キャストとしてもどんな総集編になるか楽しみです。毎秒面白いアニメなので、どう編集されるんだろう? ワクワクします。ライブシーンも楽しみです。劇場の音響で楽しめるので、体を動かしたくなりそうですね。応援上映もあるとうれしいです!」

 結束バンドのメンバーは、ギターボーカルの喜多ちゃん、ギターの後藤ひとり、ドラムの伊地知虹夏、ベースの山田リョウの4人。喜多ちゃんは、明るく、可愛く、人と関わるのが大好きな女子高生で、メンバーでは唯一の陽キャだ。

 「友達が多く、リア充だから、人との関わり方がうまい子だと最初は思っていましたが、結束バンドのメンバーといるところを見ていたら、割と強引ですし、結構マイペースなんです。自由に生きているところが面白いし、好きです。すごく器用なわけでもなく、周りが喜多ちゃんの陽気さや雰囲気に巻き込まれて、楽しい気持ちになる。天性の愛され力みたいなのを持っている子なんだろうと思います」

 ◇キターンに期待!

 アニメの収録で特に印象深かったのが、結束バンドが初めて4人でライブに挑んだシーン。ライブシーンの歌は、アニメと別録(ど)りしたわけではなかった。

 「アフレコ現場で歌ったことなかったので、一生忘れない思い出です。少し口ずさむことはあるかもしれませんが、演じた流れで、そのまま歌うなんて今後も経験できないかもしれません。別日に歌を録ると聞いていたのですが、『やろうか?』と急きょ歌うことになったんです。ガチガチでした。新しい体験でした」

 ライブシーンは、1曲目の「ギターと孤独と蒼い惑星」は、緊張もあって歌、演奏がボロボロで、不穏な空気が流れる。空気を変えたのは、ひとりで「このままじゃイヤだ!」と突如、ギターを演奏し、メンバーを引っ張る。2曲目の「あのバンド」で素晴らしい歌と演奏を聞かせ、ライブを成功させる……という名場面だ。収録の流れの中で歌を録ったことによって、臨場感が生まれたからこそ、名場面になったのかもしれない。

 インタビュー時、長谷川さんは劇場総集編をまだ見ていなかった。「どうしても大画面で見たい」という思いがあったといい、劇場版総集編で楽しみにしているシーンを聞くと「多すぎるんですよね……」と悩み始める。

 「ライブシーンは当然として、劇場で上映するからこそ、変なシーンを見てみたいです。大画面で『キターン』も見たいです。ぼっちちゃんみたいに、ああ……となるかも(笑い)」

 「キターン」は、喜多ちゃんが陽キャオーラを発揮した際の擬音のようなもので、長谷川さんが実際に発声している。劇場であれば、喜多ちゃんの陽キャオーラを全身で浴びることができるはずだ。

 ◇「ぼっち・ざ・ろっく!」が日常に

 長谷川さんは数多くのアニメに出演する人気声優ではあるが、「ぼっち・ざ・ろっく!」の大ヒットを受けて、代表作の一つとなった。長谷川さんにとって同作はどんな存在になっているのだろうか?

 「ぜいたくなのですが、あるのが当たり前になっているんです。少し前だと『ぼっち・ざ・ろっく!』のお仕事がある度に、これが最後かも……とも思っていたのですが、今や日常になっているので、終わる時がきたら……と怖さもあります。メンバー4人がプライベートで集まろうとすると、全然スケジュール合わないけど、仕事だったら集まれる。一つ一つの仕事を楽しんでいます」

 結束バンドの後藤ひとり役の青山吉能さん、伊地知虹夏役の鈴代紗弓さん、山田リョウ役の水野朔さんとのチームワークも抜群だ。

 「朔は一番後輩ということもあって、最初は私たちの話をニコニコ聞いてくれている感じだったけど、どんどん私たちをあしらうようになってきました。主に青山を(笑い)。朔は、もっと面白くなりたいとか貪欲なんです。朔がツッコんでくれると私もうれしい。どんどん仲良くなって、チームワークがよりよくなっている感じがします。遊びに行く時は、紗弓が引っ張ってくれて、青山は変なことして盛り上げてくれます。私は何かな? トークの回し?」

 「ぼっち・ざ・ろっく!」は終わらない。8月9日には劇場総集編の後編が公開され、結束バンドが日本最大級の野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」に出演し、ライブツアー「結束バンド ZEPP TOUR 2024 “We will”」も控えている。

 「テレビアニメが終わってから時間がたち、このタイミングで改めて総集編を見ていただけることは本当にぜいたくです。しかもオープニング映像、オープニングテーマ、エンディングテーマも新しくなって、新しい結束バンドを見てもらえることがうれしいです。今まで応援してくださってきた方も新鮮に楽しんでいただけるはずです」

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