鈴木崚汰×宮下早紀:「ハズレ枠」インタビュー(1) 闇、重さを表現する

「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」の一場面(c)篠崎芳・オーバーラップ/ハズレ枠の状態異常スキル製作委員会
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「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」の一場面(c)篠崎芳・オーバーラップ/ハズレ枠の状態異常スキル製作委員会

 オーバーラップ文庫(オーバーラップ)のライトノベルが原作のテレビアニメ「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」がTBSで7月4日から放送される。篠崎芳さん作、KWKMさんイラストのライトノベルで、クラスメートと共に異世界に召喚され、一人だけ女神に廃棄された主人公・三森灯河が、“状態異常スキル”のみを駆使して復讐(ふくしゅう)を目的に生き抜く姿を描く。三森灯河役の鈴木崚汰さん、美しいハイエルフで、とある理由で姿を変えて逃亡していたところ、灯河と出会うセラス・アシュレイン役の宮下早紀さんに、収録の裏側を聞いた。

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 ◇自分を偽る灯河

 --作品の印象は?

 鈴木さん 第一印象はシンプルに“暗い”と感じました。主人公の復讐劇から始まり、灯河たちを召喚した女神ヴィシスの思惑、それに巻き込まれた灯河の復讐心、クラスメートたちもいて……と大きく分けて3つの柱で話が進んでいきます。ともすればバラバラに話が動いていくこともあるかもしれませんが、その3本軸がうまく絡み合って、重さ、幅を作っていると感じました。ファンタジーで重たい物語にあまり触れてこなかったので、そういう意味ではすごく新鮮でした。

 宮下さん タイトルだけ見ると闇が深そうで、重さを感じますよね。灯河が背負っているものを考えると、締め付けられるような思いもありました。

 鈴木さん 灯河は幼少期からあんまりよい環境で育っていないけど、おじさん、おばさん夫婦に助けられながら高校生まで成長してきたわけですけれども、自分を常に偽り続け、本当は持っているものを表に出さないようにずっと努力していました。異世界に召喚され、本性をあらわにして、抑えつけていたものを解放していく気持ちよさみたいなものを感じます。この作品の重さは、灯河によるところが大きいんでしょうね。

 宮下さん セラスは、灯河の抱えているものを癒やすような優しさを持っていますが、割と拒まれてしまうんですよね。女神のような印象がありますし、姫騎士という立場もあるので強さもあります。灯河への恋心も抱えているので、表情豊かなキャラクターです。

 鈴木さん セラスは真面目ですよね。

 宮下さん そうそう。真面目なんです。

 ◇セラスのお姉さん感を表現

 --灯河は複雑なキャラクターです。演じる中で難しさもあった?

 鈴木さん モノローグ、せりふの行き来が多く、難しいところだったのですが、別々に収録させていただけることもありました。闇を声に乗せるところや、自分を弱く偽って見せるギャップは演じ応えもありました。僕は灯河を演じ、灯河は自分を偽って演じている……と複雑ではあるのですが、そこもやりがいがすごくありました。灯河は偽り、本音は見せないので、人と会話している気がしないところもあります。上辺では会話が成立しているようだけど、心が通っていない。セラスたちに出会い徐々に変わっていくところもあるのですが。

 --宮下さんは?

 宮下さん 自分自身の声質は幼さがあると感じているので、セラスはお姉さん感を出したいキャラクターですし、自身の声質の幼さが出ないようにすることを意識していました。

 鈴木さん セラスは灯河よりも大人っぽく振る舞おうとしますね。

 宮下さん そうなんです。セラス自身も最初は自分の正体を隠して、演じている部分もありますし、灯河との距離感も難しかったです。新たな引き出しを開けていただきましたし、勉強させていただけて、すごくありがたい機会でした。

 インタビュー(2)に続く。

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