芥見下々（あくたみ・げげ）さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第2期「懐玉・玉折」の総集編となる「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」の発声可能の応援上映が6月20日、TOHOシネマズ日比谷（東京都千代田区）ほか7都道府県9劇場で実施された。「呪術廻戦」のアニメシリーズで応援上映が実施されるのは初めて。TOHOシネマズ池袋（東京都豊島区）では、女性を中心に男性や子供連れなど幅広いファンが集まった。

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　「懐玉・玉折」は、2023年7月から放送された全5話のエピソードで、“最強の2人”五条悟と夏油傑の呪術高専時代の“もう戻れない青い春”が描かれる。劇場版総集編には、本編のほか映画館で過ごす五条、夏油、家入硝子を描く新規ミニアニメ「劇場版総集編じゅじゅさんぽ」が収録されている。

　応援上映は、うちわ、タオル、サイリウムといった応援グッズの持ち込みもOK。冒頭で東宝など企業のロゴが映し出されると「トーホー！」といったかけ声が上がり、応援上映がスタートした。今回の応援上映では、公式サイトで五条は水色、夏油はイエロー、硝子は若草色といったキャラクターカラーが参考として提示されており、初登場のシーンでは、観客がキャラクターのカラーのペンライトを振り、名前を呼んで“応援”。伏黒甚爾の登場シーンでは、「甚爾！」という声のほかツッコミも入るなど会場に笑いがあふれた。

　シリアスな要素もあれば、コミカルな要素もあるストーリー展開のためか、観客からは五条と夏油がけだるそうに歩く場面や、夏油の紅茶の入れ方など、細かいところにツッコミが入り、大喜利状態になる一幕も。また、五条や夏油の格好良さが際立つシーンでは、「フー！」「イケメン！」といった興奮気味の歓声も上がった。

　迫力のバトルシーンでは、観客それぞれが推しのキャラクターのカラーのペンライトを振って応援。中でも五条が術式順転“蒼（あお）”、術式反転“赫（あか）”、虚式“茈（むらさき）”を放つ場面では、一瞬にしてペンライトがそれぞれの色に統一され、会場が一体となっていた。

　ストーリーが進み、天内理子が最期を迎えてからは、会場にも重苦しい雰囲気が漂っていたが、やつれていく夏油に「大丈夫？」「一人で悩まないで！」「夏油を一人にしないで」といった心配や励ましのかけ声が多く上がっていたのも印象的だった。エンディングで、五条や夏油、硝子たちの“青い春”を描いたイラストが次々と映し出されると、すすり泣く声が聞かれる中、「幸せになって」といった願いのこもったかけ声も上がった。上映が終了すると、会場は大きな拍手に包まれ、多くの観客が「ありがとう！」と感謝の気持ちを口にしていた。シリーズ初の応援上映は、笑い、興奮、涙、感謝と、観客のさまざまな感情があふれていた。

　「呪術廻戦」は、「週刊少年ジャンプ」（集英社）で2018年3月～2024年9月に連載されたマンガ。強力な“呪物”の封印が解かれたことで、高校生の虎杖悠仁が呪いを巡る戦いの世界に身を投じることになる……というストーリー。コミックスのシリーズ累計発行部数は1億部以上。

　テレビアニメ第1期が2020年10月～2021年3月に放送された。第1期の前日譚（たん）となる劇場版「劇場版 呪術廻戦 0」が2021年12月に公開され、国内興行収入が約137億5000万円、全世界興行収入が約265億円を記録するなど大ヒットした。テレビアニメ第2期「懐玉・玉折／渋谷事変」が2023年7～12月に放送された。アニメの続編「死滅回游」が制作されることも話題になっている。

　「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」は5月30日に公開された。MX4D、4DX版が、6月21日から上映される。同作の公開を記念し、「劇場版 呪術廻戦 0」の復活上映が10月17日から実施される。