あんぱん:注目度推移 のぶ、蘭子、メイコに見どころがあった第108回 最高76.1%の午前8時10分の“主役”は誰?

連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第108回(8月27日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、メイコ(原菜乃華さん)と健太郎(高橋文哉さん)夫婦の関係に黄信号がともった第108回で最も注目度が高かったのは後半に差し掛かった午前8時10分の76.1%だった。

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 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。

 ◇最高値は午前8時10分の76.1% ピント外れの嵩と健太郎を、のぶが一喝

 第108回は、主題歌が流れるオープニングの後、嵩(北村匠海さん)の詩集が出版されることになり、サイン会が開催される場面からスタート。八木(妻夫木聡さん)のアイデアで変わった場所で開かれたサイン会は、嵩の心配をよそに盛況のうちに終わる。

 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を示す「注目度」は、前日の第107回とは異なり、オープニングが終わるとグングン上昇。午前8時2分には70.5%と70%台に突入し、最初の小さな山を作った。

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 2分台は前半がサインを求める人が嵩の前に列を作るサイン会の様子、後半が自室の鏡の前で真っ赤な口紅を引いた蘭子(河合優実さん)が物思いにふけるシーンだ。蘭子は、前日の第107回で最も注目度が高かった八木とのやりとりの場面を回想し、壁に掛けられた、「釜」の字が入ったはんてんに目をやる。はんてんは戦死した恋人、豪(細田佳央太)の形見の品だ。わかりやすい展開が多い朝ドラには珍しい、ちょっと意味深なシーンだが、視聴者は前日に続き蘭子には食いつきがいい。

 期待度は午前8時3分以降、少し数字を落としながらも、70%前後をうろちょろして推移する。

 4分台からは、柳井家を訪れたメイコが、互いに理解しあったのぶ(今田さん)と嵩のやりとりをうらやましそうに見ている場面へ。「うち、何年も(夫の健太郎に)名前で呼んでもらえんがです。うちは健太郎さんのママやないがに」。メイコがのぶと嵩に苦しい胸を内を明かす。その後、のぶとメイコは蘭子(河合優実さん)の部屋へ。ここでも健太郎への不満を漏らすメイコに、蘭子が「メイコ、よろめきドラマみたいなことしたいがかえ」とツッコミ、「違う、違う」と否定するメイコの慌てた表情に3人は笑いに包まれる。

 「じゃあ?」と聞くのぶに、「おしゃれして健太郎さんと歩きたい」と答えるメイコがかわいい。

 「うちらあが一番きれいやったころ、口紅も塗れんかった。ワンピースも着れんかった……。男の人らあが町からおらんなって、うちはもんぺ履いて、防空壕の穴ばっかり掘りよって。やき、うち、母親になっても、おしゃれして、健太郎さんと街を歩きたいが。どればあ、うきうきするがやろ」

 メイコは以前も似たような思いを漏らしていた場面があった。詩人、茨木のり子の詩「わたしが一番きれいだったとき」を連想させる、なかなかいいセリフだ。メイコ役の原の熱演に、この辺まで大きく数字を落とすことはなく、ずっと視聴者を引き付け続けていた。

 この日の最高値は午前8時10分の76.1%。柳井家に健太郎(高橋文哉さん)が訪れ、嵩からメイコのそんな思いを聞く場面だ。「愛してると言えば」とアドバイスを送る嵩に、九州男児の健太郎は「そげなこと言えんべ。顔から火が出るばい」と即座にNO。ややピントがずれた2人のやりとりに、我慢できなくなったのぶが「は~、もう~、聞きよれんわ。2人とも本当にトンチンカンやね」と言うと、嵩の詩集を開き、「えくぼの歌」を読ませる。のぶの強烈な一言が爽快な場面で、そのきっぷの良さで注目度が上がった部分は大きいと思われる。

 注目度はこの後、少し低下しながらもほぼ70%台を維持。午前8時3~9分の頃より、高止まりしている。午前8時14分に再び74.2%まで上昇してエンディングへ。カフェで会った健太郎とメイコが仲直りし、2人で手をつないで街へと飛び出していく。店を出ようとした健太郎が「しまった、お勘定をわすれたばい」とハタと気付くのがちょうど14分に入ってすぐ。2人の関係のなりゆきに注目していた視聴者がほっとするとともに、健太郎らしいセリフにクスリとした場面で、最後に注目度が一伸びしたのかもしれない。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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