小林千晃:「地獄楽」第二期インタビュー より人間らしくなった画眉丸 “微調整”の楽しさ 佐切との気持ちいい関係性

テレビアニメ「地獄楽」の第二期に出演する画眉丸役の小林千晃さん
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テレビアニメ「地獄楽」の第二期に出演する画眉丸役の小林千晃さん

 集英社の「少年ジャンプ+(プラス)」で連載された賀来ゆうじさんのマンガが原作のテレビアニメ「地獄楽」の第二期が、テレビ東京系ほかで1月11日から毎週日曜午後11時45分に放送される。同作の主人公の“最強の忍”画眉丸を演じるのが、人気声優の小林千晃さんだ。演技のこだわりや収録の裏側、第二期の見どころを聞いた。

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 ◇不気味で怖いがのぞきたくなる神仙郷 画眉丸と佐切の魅力

 「地獄楽」は、「少年ジャンプ+」で2018年1月~2021年1月に連載。江戸時代末期を舞台に、仲間の裏切りによって捕らわれの身となった最強の忍・画眉丸が、最愛の妻と再会するため無罪放免をかけて不老不死の仙薬を求め、化け物たちと戦いを繰り広げる姿が描かれた。アニメは牧田佳織さんが監督を務め、MAPPAが制作する。テレビアニメの第一期が2023年4~7月に放送された。

 第一期では、仙薬があるという島、神仙郷の独特の世界観が色鮮やかに、妖しく表現され、話題を集めた。

 「神仙郷は、生物や植物がすごく不気味なんですけど、その中に咲いてる花や、暗がりから射してる光とのコントラストで見ると、幻想的で美しいんです。まさに『地獄楽』というタイトルを表わしているビジュアルだなと。不気味だし怖いけど、思わずのぞきたくなるような世界観が、作品の魅力の一つだと思います」

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 画眉丸ら死罪人と、山田浅ェ門佐切ら打ち首執行人のバディー関係にも興味を惹かれるという。

 「180度相反する立場にある二人がペアになるという設定、見せ方もすごく面白いと思いますし、それぞれのペアで関係性も違うので、今後どうなっていくんだろう?と。付知と巌鉄斎のペアも序盤でいなくなりかねない危うさがあったんですけど、関係性の変化を感じさせる描写があったりして。それこそ『地獄楽』は、序盤で半分くらいのキャラクターがお亡くなりになっているので、この先どのキャラがいなくなってもおかしくない臨場感がありますよね」

 小林さんが第一期で特に印象に残っているのは第3話だと語る。第3話では、画眉丸と佐切の関係性の変化が描かれた。

 「それ以前から、画眉丸は佐切に対して、自分の命を狙ってくるほかの人とは違うと感じ取っていました。それでも本土に戻るために佐切であろうと切り捨てなければいけないという時に、画眉丸は刀を突き立てられなかった。それに対して佐切が『それは弱さじゃない。強さの種よ』と言ってくれたことが、今の画眉丸になるまでのターニングポイントだったと思うので、(佐切役の)花守(ゆみり)さんとの掛け合いも含めてすごく印象に残ってます」

 花守さんとの掛け合いで引き出されたものもあった。

 「花守さんが演じる佐切は、画眉丸に対してすごく厳しい面もあるし、執行人としての矜持(きょうじ)も感じさせてくれます。一方で、その中にある柔らかさや女性らしさ、この年齢特有の成熟していない部分も内包して演じてくださるので、自然と画眉丸として、リードするというか、助け舟を出そうかなと思わせてくれる。でも、画眉丸が弱った時には佐切が引っ張ってくれるというのもあって、アフレコをしていく中で、すごくいい関係性を築けているなと感じる瞬間が多いです」

 画眉丸と佐切を「気持ちよく応援できる」とも感じているという。

 「佐切が求めていた、相手の立場や年齢、性別関係なく、一緒に物事に向かえるという、背中を預け合える関係性がすごくすてきですよね。それは、相手の人間性や技術を信頼しているということなので、画眉丸も佐切も、外面(そとづら)で判断していないというのが見えて心地いい。こういう関係性っていいなと思います。年齢的には近しい男女なんですけど、恋愛なんてみじんも考えていないですし、二人の精神性は、すごく真っすぐなんだと思います」

 ◇第二期の収録は「新鮮」 画眉丸VS弔兵衛の収録秘話

 第一期から約2年半を経て第二期が放送される。収録が始まった際は、喜びも大きかった。

 「すごくうれしかったです。第一期が終わってすぐに第二期の制作が発表されたので、心構えはずっとありましたが、いざ始まる時は、新しいキャラクターを『この方が演じるんだ』ということも含めて、楽しみが増したなという感じでした。第一期の時は、分散収録で3、4人で収録していましたが、第二期は初回の収録で現場がギチギチになるくらいキャストがそろっていて、新鮮でしたね。自分が知っている現場じゃないというか、新番組が始まったような空気感がありました(笑)」

 第二期から登場する新キャラクターの中で、お気に入りのキャラクターは山田浅ェ門十禾だという。

 「個人的には、十禾がすごい好きです。山田浅ェ門側はみんなベクトルは違えど正義の人だと思っているのですが、十禾はどこかうさん臭くて、自己愛に満ちているところが異質だなと思います。それを遊佐(浩二)さんが演じられることで、より深みが増すというか。得体(えたい)の知れなさ、ともすると敵になりかねない恐ろしさを感じさせられるので、僕的にも注目しているキャラクターです」

 第一期は、画眉丸が氣(タオ)と呼ばれる生命エネルギーを使いすぎてしまったことにより、記憶を失い、愛する妻のことすら忘れてしまうという衝撃的な展開で幕を下ろした。第二期では、そんな画眉丸と、亜左弔兵衛が戦うことになる。木村良平さんが弔兵衛を演じている。

 「画眉丸の戦い方が第一期の時と違うというか。完全に妻の存在を忘れている状態で、本当に“がらんの画眉丸”の状態なので、本土に戻るとか、生きたい、妻に会いたいという気持ちもない。敵を倒せるなら自分は死んでもいいくらいの気持ちなので、捨て身な戦い方なんです。弔兵衛も弔兵衛で、弟の桐馬を守らなきゃいけないという思いもありつつ、元々がむちゃな戦闘スタイルという。似ている二人が全身で、全ての武器を使って容赦なくぶつかっていて、演じていてもすごく気持ちよかったです。これまで画眉丸を演じている上ではなかった泥臭さみたいなものを感じられたので、すごく楽しくて。僕ががむしゃらにやれば、良平さんもそれに合わせて演じてくださって、お互いに引っ張り合いながら収録できたと思います」

 ◇「妻の元に帰る」思いの変化 第二期はよりワチャワチャ!?

 小林さんが演じる画眉丸は、強さ、優しさのある魅力的なキャラクターだ。演じる中で意識しているのは、画眉丸の「妻の元に帰る」という強い思いだという。

 「『妻の元に帰る』というのが一番大事ですし、唯一と言ってもいいくらいの画眉丸のファクターです。ただ、一緒に戦う仲間が増えてきたことによって、人に頼れるようになったし、本心から感謝の言葉が出るようになって、より人間らしくなった。だから、『妻の元に帰りたい』は変わらない一番大きな目的なんですけど、プラスアルファで、一緒に戦ってきた仲間たちみんなで帰れたら最善と考えていると思います」

 演じる中では、画眉丸が常に冷静沈着ゆえの難しさもある。

 「戦闘が激化して、天仙様との戦いなどでは、画眉丸もピンチに陥ることが多くなります。その分、必死さを出そうとするんですけど、ディレクションで『あくまで画眉丸は冷静で』とセーブされることがあるんです。やりすぎないようにはしたいんですけど、まずやってみないことには分からない部分もあります。そこから『もうちょっと引いて』はできるんですけど、『足して』と言われると難しい。なので、まずは僕の中の画眉丸で『ここまでなら出していい』という範囲でお芝居をやってみて、その上で監督や音響監督に調整していただき作っていくというスタイルです」

 画眉丸は「大きく感情が揺らぐタイプのキャラクターではない」といい、小林さんは狭い範囲で微調整をしているという。

 「その微調整が楽しくもあります。第一期の頃に比べると、周りのキャラクターに対しても目を向けられるようになって、心配りもできるようになっているので、より許容量、幅は広がったのかなと思っています」

 第二期では、仙薬を巡り、人間と天仙たちの全面対決が繰り広げられる。

 「果たして画眉丸の記憶は戻るのか、妻は本当に存在するのか。そこも楽しみにしていただきつつ、本土からは続々と新キャラクターたちが神仙郷にやってきます。第一期もワチャワチャでしたけど、第二期はよりにぎやかさと混沌が増し、物語が進行していきます。ぜひ最後まで見ていただけるとうれしいです」

 画眉丸たちの戦いの行方はどうなるのか、神仙郷にはどんな謎が秘められているのか、第二期も見逃せない。(しろいぬ/MANTANWEB)

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