解説:朝ドラに続き、夜ドラでも視聴者魅了 北香那のチャーミングさとコメディーセンス その“源泉”は

夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」で主演を務めるのが北香那さん (C)NHK
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夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」で主演を務めるのが北香那さん (C)NHK

 主人公が“まっぱ(上半身のみ)”を世界にさらすという衝撃的な展開で始まったNHKの夜ドラ替え玉ブラヴォー!」(総合、月~木曜午後10時45分)。同作で主演を務めるのが北香那さんだ。同局の朝ドラ(連続テレビ小説)「ばけばけ」では、知事の娘の“おリヨ様”を好演し、話題となった北さんだが、この夜ドラマでも随所でコメディエンヌぶりを発揮。「面白い」「早く続きが見たい」といった声が上がっている。そんな北さんが視聴者を惹きつけてやまないチャーミングさとコメディーセンスの“源泉”とは……。

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 ◇主人公に何が? 見ず知らずの女児の前で不審者ぶりも

 ドラマは、劇作家で、演出家の岸本鮎佳さんのオリジナル。「友情」に「ラーメン」「クラシック・バレエ」が絡む、ちょっとブラックな大人のためのコメディーで、北さんは広告代理店で働くラーメン好きな主人公・千本佳里奈を演じている。

 バレエウエアブランドの新作発表会を担当することになった佳里奈は、イベント当日、代役としてステージに立ち、踊りを披露するも、トラブルから首の後ろで結んでいたウエアの紐がほどけてしまい、最後の決めポーズの瞬間、上半身があらわに。

 発表会の模様がネットでライブ配信されていたことから、佳里奈は「(人生)詰んだ」と思い、会場から逃亡。たどり着いた先の公園では、転んで泣く見ず知らずの女児に「大人社会の厳しさ」を説くという不審者ぶりで、子供も怖がらせ、その子の母をも困惑させた。

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 親友の優美(天野はなさん)に連れられ、自宅に戻った佳里奈は、優美が作った大好きなラーメンを食べ、少し落ち着くが、そこへ心配してやってきた彼氏(と本人は思っている)の光生(駒木根葵汰さん)に対しては、揚げ足どりに終始。それはただの八つ当たりでしかなく、ついには優美に絶交されてしまった。

 ◇絶妙な間とせりふの言い回しで“毒”を中和し、“おかしみ”へ

 その身を襲った不幸とショックで自暴自棄になっていたとはいえ、決して褒められたものではない(ように見える)佳里奈の一連の言動。しかし、北さんは、絶妙な間とせりふの言い回しで、佳里奈を実にチャーミングに表現。「ばけばけ」の“おリヨ様”がそうであったように、“毒”を中和し、“おかしみ”へと昇華するあたりに、彼女のコメディーセンスを感じさせた。

 もちろん、岸本さんの脚本による秀逸な“キャラ造形”や、演出の“妙”あってのもの。実際に北さんは、佳里奈について「感情の理性的なブレーキがない人なので、どこまでもいけてしまうというか、落ちるときはどこまでも落ちるし、楽しいときはどこまでも上がっていける。この幅広さは、演じていて夢中になっちゃいました。思うままに表現しても成立するキャラクターなので、演じていてすごく楽しかったですし、多少の共感もありました。『分かるよ、ただみんな隠して生きてるんだよ』と(笑)。でも佳里奈はその感情を隠さず、ありのまま突っ走っている姿も魅力的で、すごく好きなキャラクターになりました」と語っている。

 ただそれでも無視できない“勘の良さ”は絶対にあって、北さん自身は今回、佳里奈を演じるにあたり「『ゾーンに入る』感覚を大切にしていた」と告白。

 「中島由貴監督が『佳里奈はゾーンに入る』とおっしゃっていて。現場で『ここゾーンに入ってるから』と合図のように指示してくださったので、そこで一気にスイッチが入るというか、違和感のない程度に演じ分けることを意識していました。やりがいももちろん感じましたし、表現したいと思ったコミカルな部分を、共演者やスタッフの方々が笑ってくれたり、監督が『いいね』と言ってくれることが、達成感の一つでもありました。ここまで長期の撮影で、主演として個性的な役を演じさせてもらうのは初めてのことだったので、自分にとって挑戦でした」とも振り返っていた。

 ◇コメディーセンスの“源泉”? 素顔は“筋金入り”のお笑い好き

 また、北さんはお笑い好きで「空き時間に劇場を訪れたり、好きな芸人さんを見るために大阪の劇場に行くこともあります。若手しか出ていない小規模なライブにも足を運び、次に来る若手芸人さんを発掘しています」というほどの“筋金入り”。「芸人さんたちの掛け合いや絶妙な間を、演技の参考にしている部分はあると思います。趣味のお笑いライブ鑑賞が、自然と演技の勉強にもなっているのかな? なっていたらいいな、と思います」と明かしている。

 そんな北さんは、コメディー作品では「押してダメならもっと押せ」を意識。「引きの演技をすると周りも引いてしまうので、そこはコメディーを演じる上で気にしていることです」と説明。さらには「あとは空気を読むこと。これを言ったら面白いんじゃないかという想定は、私自身、すごくお笑いが好きなので、見てきたものを通して学んだ部分ではあるかなと。あとは去年、舞台でコントにも挑戦したので、そこでの学びもあると思います」と話していた。

 自身について「コメディエンヌとは思いませんが、もしそう感じていただけるのであれば、それはきっと、お笑い好きであることが根底にあるのかもしれません」と分析してみせた北さんの、チャーミングさとコメディーセンスには引き続き注目だ。

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