新日本プロレスYOH選手:高橋ヒロム選手へのアンサーが「転機」に 三つの信念で初優勝へ 「BEST OF THE SUPER Jr.33」あす開幕

5月14日に開幕する「BEST OF THE SUPER Jr.33」に出場するYOH選手
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5月14日に開幕する「BEST OF THE SUPER Jr.33」に出場するYOH選手

 新日本プロレスのジュニアヘビー級選手によるリーグ戦「BEST OF THE SUPER Jr.33」が5月14日、東京・後楽園ホールで開幕する。総勢20人の選手がA・Bブロックに分かれて総当たり戦を行い、6月7日の東京・大田区総合体育館で優勝決定戦が行われる。昨年準優勝し、今年初優勝を狙うYOH選手に話を聞いた。

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 ◇「今までとは別のフェーズに入った」 独創的なアイデアでファンをつかむ

 つけまつげに真っ赤な口紅というフルメイクでパンフレットの売り子に扮したり、敵対する選手をオマージュした攻撃を繰り広げたりと、独創的なアイデアで話題を集めるYOH選手。昨年の「BEST OF THE SUPER Jr.32」では、なしくずし的に解散することになった所属ユニットの選手たちの技を次々と繰り出すエモーショナルな試合で多くのファンの心をつかんだ。

 デビューから15年目。シングル戦線で結果が出ない時期をへて、この数年で「今までとは別のフェーズに入った」と言う。

 「今の僕には、『孤独を恐れるな』『自由を愛すること』『やるときは、とことん楽しめ』という三つの確固たる信念があって、その軸に従ってプレイしています。今、楽しそうにプロレスをやっているように見えるのは、僕のスタイルが本当に完成しつつあるから」

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 ◇転機の2022年 高橋ヒロム選手へのアンサーで「吹っ切れた」

 今のスタイルにつながる軸ができたのは、数々のタイトルを奪取した人気タッグ「ROPPONGI 3K」を2021年に解散し、シングルプレーヤーになってから。転機になったのは2022年。「僕にとって、気づきが多い年だった」と振り返る。

 2022年に開催された「BEST OF THE SUPER Jr.29」、後楽園ホールのメインイベントで高橋ヒロム選手にシングルで初勝利を収めたYOH選手。試合後のマイクで観客に「俺が勝ってうれしいですか?」と聞いた。観客は大きな拍手で応えたが、YOH選手は静かに自分の胸のうちを明かし、「本当はもっと自由でいいんだ」と訴えた。

 「当時はヒロムさんに『もっとプロレスを好きになれ』みたいなことを言われていて、それに対するアンサーだったんです。僕は自分のスタイルを模索してる時だったし、そもそも好きじゃなきゃ、プロレスラーをやっていない。自分なりに頑張って一生懸命やっていたけど、結果が出ない時期でした。

 同業者からもいろいろ言われていましたし、お客さんも僕にあまり期待感を持っていないことも感じとっていたので、あの日は、自分の思いを素直に吐露したんです。

 それまで基本的に本音は言わないスタイルだったんですけれど、あのとき言ってすっきりした部分や、ちょっと吹っ切れたかなというところもありましたね。今につながる一つの転機だったと思います」

 その後、同年に後藤洋央紀選手、YOSHI-HASHI選手のタッグチーム毘沙門(びしゃもん)とともにNEVER無差別級6人タッグ王座を戴冠。「SUPER Jr. TAG LEAGUE」ではリオ・ラッシュ選手と組んで自身4度目の優勝を果たした。

 「ヒロムさんに対してのアンサー、毘沙門とベルトを取ったこと、リオとベルトを取れたこと。これが大きくて。毘沙門と組んで、HOUSE OF TORTUREと対戦したドッグケージマッチでやっぱりプロレス楽しいなと改めて思ったり、リオが自由奔放に動き回るのを見て、やっぱりプロレスってこうだよなと思ったり。それを、2023年に思いっきり形にし始めました」

 そして3K解散から毘沙門と組むまでの約10カ月をこう振り返った。

 「僕自身のキャラクターが弱いっていうのは自分でも分かっていたし、周りからも言われていたので試行錯誤していました。いろいろ試してみようと思って2~3カ月、試合中にあまり声を出さないようにしてみたり。だから周りから見ると空回りしてるんじゃないか、何がやりたいんだろうという部分があったと思うんです」

 その時期をどう乗り越えたか聞くと「今に見てろと思っていましたね」と笑い飛ばす。

 「僕は時間がかかるタイプの人間なんです。趣味とかあれこれやって、器用ですねって言われるんですけど、そうではなくて。本来はマルチタスクじゃなく、シングルタスク。しかも一つのことを突き詰めていきたいので、本当に時間かかる。時間をかけるっていうのが、僕の一つの答えでもあるし、やり方でもあるから。当時は、俺の良さが分からないのは“お前ら”の問題だとどこかで思っていたはずです」

 ◇2023年、コスチュームを一新し「再構築した新しいスタイル」に

 その思いを胸に、2023年。「そろそろ動き出す時期かもしれないとパッチワークのデニムを着た時が、合図」とコスチュームを一新し、「今までを再構築した新しいスタイルを作る」という意気込みで「BEST OF THE SUPER Jr.30」に臨んだ。

 「対戦相手を煽るようになったりとか、小馬鹿にしたりとか、相手の技をやってみたりとか。ブラッシュアップ、トライアンドエラーを繰り返してスタイルを磨いていきました。

 ベビーフェイスという概念を壊したかったんです。それまでの僕はコテコテのベビーフェイスだったんですが、それは本来の僕ではないと気づいていて。窮屈になっていたのを振り切って、やりたいようにやってみようと腹をくくりました。

 ただ誰もやっている人がいなかったので、賛同してくれる人はいないだろう、自分で道を作って突き進むしかないと思いましたし、これでダメだったら、俺、プロレスやめるわというところまで自分を追い込んで真剣に考えました」

 ここで今ある信念の一つ「孤独を恐れるな」につながった。

 「最初はやっぱり怖かったですけどね。やるしかない。やり始めると周りの意見は一切、気にならなくなりました。お客さんを巻き込んでという課題すらも、どうでもよくなっちゃって。今は僕が楽しめればいい。それでファンの人も楽しんでくれたら最高だよねっていうマインドです」

 ◇「ぶっちぎりで決勝に」 去年の雪辱を果たす

 近年、YOH選手のターニングポイントになってきた「BEST OF THE SUPER Jr.」。今年はBブロックで出場する。

 「Bブロックは技巧派ぞろいなんですよね。ただ、触ったことがない選手はやっぱり楽しみ」とDDTから参戦する佐々木大輔選手、ドラゴンゲートから参戦する豹選手、「シングルでやるのは、たぶん初めて」とジェイコブ・オースティン・ヤング選手を挙げた。

 ほかに「若手の時以来、シングルをやってないので」とKUSHIDA選手、「SHO君とは当たり前にハチャメチャな試合になると思う」とかつてのタッグパートナーとの試合も楽しみにしている。

 そして「まあ、でもぶっちぎりで僕が決勝に行きますよ」と自信を見せる。

 一方、Aブロックはと水を向けると、プロレスリングFREEDOMS所属で「デスマッチのカリスマ」と呼ばれる葛西純選手の名を挙げながらも、「正直に言うと、去年の雪辱を果たしたい。(昨年決勝で敗れた)藤田(晃生選手)に上がってきてほしいですよね。去年はレインメーカーをかわされちゃったんで、今年は当てるぞ、また決勝でやろうぜって思っています」

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