話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、「十二国記」の小野不由美さん原作のホラー小説を「封神演義」の藤崎竜さんが描いたマンガが原作のアニメで、寒村を舞台に人々が次々と謎の死を遂げる「屍鬼」です。アミノテツロ監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
−−作品の概要と魅力は?
どこかにある小さな村。一番近い「町」まで歩いて2時間。地形的にも山に囲まれた三角地帯で、底辺を国道が分断している。まるで外界から隔離されたようなこの「外場村」を舞台に不可解な出来事が始まり、謎、風習、虚仮(こけ)の一念!?などが絡み合い常軌を逸した物語が展開される。
小さな村とはいえ登場する人物が多く、それぞれの人間模様が錯綜(さくそう)する。主人公を特定することは難しいが、彼ら、彼女たちの考え方や行動が、興味をそそる。
−−アニメ化企画のきっかけは?
アニメ化はコミックを基準になされている。小説からコミックへ、コミックからアニメーションへとバトンが渡されてゆく感じだ(と、思っている)。小説からコミックへの変遷を見ると、わずかの目線の違いで思わぬ発見があり、刺激される。その刺激を大事にして取り組んだ。日常と非日常が融合しているところが特色だと思っているが、非日常の中にも日常感があり、ドキュメンタリー的にとらえれば面白いと思った。
−−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは?
アニメーションは、大勢の人たちが、よってたかって描いてゆくものだ。登場人物の1人を切り取ってみても、声をあてるのは限定された1人だが、描く人間は不特定多数になる。指定された個性のフォーマットにのっとって描くけれど、それでも無数のバリエーションがあるといっていい。そんな集合体の中から時として、意外な人物像が浮かび上がることがある。ひとつひとつ計画的に作り上げる作業の中でこの意外性に巡り合うのは快感だ。しかし、逆に無数のバリエーションがケンカを始めると収拾のつかない事態に陥ることになる。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
この作品はホラーです。だけど、ひと味違うホラーを目指しています。どこが違うのか? そこが難しいところですが、ひと味を一言で説明するのはこれまた難しい。ぜひとも、感じ取っていただきたい。
そう、ホラーは肌で感じるもの。ということはホラーの本質に迫っているということ? ひと味違って振り出しに戻る。さあ、堂々巡り開始。
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