AKB48:9月は大ジャンケン大会、今度はどんなサプライズ いまさら聞けない基礎知識

6月9日に「第2回選抜総選挙」を行った「AKB48」
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6月9日に「第2回選抜総選挙」を行った「AKB48」

 6月選抜総選挙の“政権交代”で一気に世間の注目を集めたアイドルグループ「AKB48(エーケービーフォーティーエイト)」。今度は9月21日に武道館で大ジャンケン大会を開き、選抜メンバーを決めるという。どんなサプライズがあるのか。そんな話題を提供し続けるグループだが、詳細は一般にはあまり知られていない。結成のきっかけは? メンバーの集め方は? チーム分けの基準は? 派生したユニットにはどんなものがある?など、いまさら聞けない素朴な疑問に答える「AKB48」についての基礎知識を紹介する。

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 ◇成り立ち

 「AKB48」は、作詞家で放送作家の秋元康さんが総合プロデュースする次世代アイドルグループ。これまでにない形の新しいアイドル像を模索していたところ、「劇場からスターを作ろう」という発想に行き着き、劇場に足を運べば「会いにいける」をコンセプトに、05年に東京・秋葉原に誕生した。

 チーム名の「AKB」は「AKiBa」を略したもの。「48」は人数ではなく、当初メンバーの所属事務所の社長の名前が由来とされるが、秋元さんは「あくまでも商品番号」としている。現在は正規メンバーが「チームA」16人、「チームK」16人、「チームB」16人の総勢48人。研究生20人も加えると68人の大所帯だ。ホームグラウンドは「ドン・キホーテ秋葉原店」8階にある専用劇場「AKB48劇場」で、チームを入れ替えてほぼ毎日公演している。東京ドーム公演が最終目標。すべてオリジナル曲を歌い、作詞は秋元さん、振り付けは夏まゆみさんが担当している。また、メンバーのステージ衣装のほとんどは、秋元さんが副学長兼芸術学部教授を務めている京都造形芸術大学の学生がデザインしているという。06年2月1日にインディーズからシングル「桜の花びらたち」をリリースし、06年10月25日シングル「会いたかった」でメジャーデビュー。07年年末にはNHK紅白歌合戦に初出場した。

 ◇所属事務所はバラバラ

 「AKB48」のメンバーは、05年の「オープニングメンバーオーディション」から計10回のオーディションによって選出されてきた。合格者は結成当初、全員が芸能事務所「office48」に所属していたが、それぞれのメディア露出などを強化するため、また「AKB48」を卒業しても芸能活動ができるように、他の芸能事務所へ移籍することが発表された。既存の事務所に所属が決まったメンバー以外は「office48」から「AKS」に所属が変更になった。その後は新たに研究生として加わったメンバーも最初は「AKS」に所属し、他の事務所からのオファーがあったら移籍をする。これによって現在は、7期以前に合格したメンバーの全員が「AKS」以外の事務所に所属するようになった。「AKB48」の活動自体は「AKS」が管理している。

 ◇チーム分け

 メンバーはA・K・Bの三つのチームいずれかに所属している。05年10月に最終審査を行った「オープニングメンバーオーディション」での合格者が「チームA」に、06年2月に最終審査をした「第2期追加メンバーオーディション」の合格者が「チームK」に、そして06年12月に最終審査をした「第3期追加メンバーオーディション」の合格者が「チームB」に所属しており、第4期以降の合格者は研究生となり、その中からいずれ正式メンバーに昇格して三つのチームのどこかに所属するという流れだった。ただし「チームB」発足前に辞退者が出たため、チームAから3人が異動して補強された。

 その後、09年8月のライブ「AKB104選抜メンバー組閣祭り」(日本武道館)で、グループ内の「新内閣の発足」が発表され、3チームのメンバーの組み替えと、一部メンバーの移籍、大勢の研究生が昇格し、大幅にメンバーが入れ替わった。

 ◇第2回選抜総選挙

 「AKB48」がここに来て一気に注目を集めるようになったのは、6月9日の「第2回選抜総選挙」だった。17枚目のシングルのメーン曲を歌うメンバー21人を、「AKB48」のメンバーと東海地区を中心に活動する「SKE48」のメンバー、研究生の総勢104人からファン投票で選出するという企画。結果は、前回1位だった前田敦子さんを抑えて前回2位の大島優子さんが600票差で1位に躍り出た逆転のドラマも話題を呼んだ。22~40位は「アンダーガールズ」と呼ばれ、シングルのカップリング曲の歌を担当。今回投票できたのは、5月26日に発売された16枚目のシングル「ポニーテールとシュシュ」の購入者や「AKB48」のファンクラブ会員らで、複数投票が可能なことから、CDを大量購入するファンの存在も話題となった。イベントの副題に「母さんに誓って、ガチです」とあるように、開票は第三者機関の協力を得て、「ヤラセなしの完全ガチンコ方式」で行われたのも、メンバーそれぞれが感激や落胆する表情が、よりリアルに伝わりやすかったのではないだろうか。開票イベントの模様は全国の映画館で同時生中継されるなど、衆目を集める大規模なイベントに発展した。ちなみに13枚目のシングル「言い訳Maybe」の参加メンバーを選出した09年の第1回選抜総選挙が全体で約6万票だったのに比べて、第2回は40万票以上と7倍近くにふくれ上がった。

 ◇派生ユニット

 「AKB48」のメンバー数人で結成した派生ユニットも数多く生まれている。有名なのはチームBの選抜メンバーで結成された「渡り廊下走り隊」(平嶋夏海さん、多田愛佳さん、渡辺麻友さん、仲川遥香さん、菊地あやかさん)だ。80年代後半にブレークした「おニャン子クラブ」の派生ユニットで工藤静香さんらが所属していた「うしろ髪ひかれ隊」の妹分として09年1月にシングル「初恋ダッシュ/青い未来」でデビュー。ユニット名はおニャン子クラブの派生ユニット「うしろゆびさされ組」のデビュー曲の歌詞からとられている。「うしろゆび~」と「うしろ髪~」と同じく、レコード会社は「ポニーキャニオン」、所属事務所は「プロダクション尾木」、プロデュースは秋元さんと、いわば王道の派生ユニットといえる。そのほかにも同じく「プロダクション尾木」に所属する小嶋陽菜さん、高橋みなみさん、峯岸みなみさんによる「ノースリーブス」、渡辺プロダクション系列の事務所「ビスケットエンターティメント」に所属する柏木由紀さん、高城亜樹さん、倉持明日香さんの「フレンチ・キス」、フジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマを歌うために結成した「チームドラゴンfromAKB48」(小嶋陽菜さん、大島優子さん、高橋みなみさん、板野友美さん、前田敦子さん、柏木由紀さん、渡辺麻友さん)などがある。

 ◇姉妹ユニット

 08年には名古屋市中区栄を中心に東海地区で活動する「SKE48」(SKEはSaKaEに由来)が誕生し、09年にはAKB48劇場で土曜日の夜に公演を行うSDN48(SaturDay Nightに由来)、そして7月10日の「AKB48」のコンサートでオーディション開始が発表された大阪市中央区難波を中心に活動する「NMB48」など、「AKB48」の姉妹ユニットも続々生まれている。その地域で「会いにいけるアイドル」がこれからも各都市に、さまざまなジャンルで生まれる可能性を秘めている。海外で「AKB48」の売り出し方に興味を持っている業界人もいるといい、世界に広がる「AKB48」の今後の動きに注目したい。

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