ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「フェローズ」(エンターブレイン)で連載、「何でも屋」を営む少女と、周囲の人々の日々を描く笠井スイさんの「ジゼル・アラン」(651円)です。
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20世紀初頭のヨーロッパ。アパートの大家をしている少女・ジゼル・アランは、「何でも屋」を開業し、店子のエリックを無理やり助手にして、依頼をこなしていく。お嬢様育ちで好奇心豊かなジゼルに、エリックら周囲の人々は振り回されるが、同時にほのぼのさせられる……というストーリーだ。
08年10月、フェローズ創刊号の読み切り「花の森の魔女さん」でデビューした笠井スイさん。本作「ジゼル・アラン」が初の連載作、初の単行本です。
黒髪のおかっぱで、猫のように気まぐれなお嬢様、ジゼル・アラン。実家を出てアパートの大家をしているジゼルが、ある日「何でも屋」を開業します。さまざまな依頼に対して、独自の考えや大胆な行動力で突き進むジゼル。彼女の危なっかしい可愛らしさが楽しい作品です。
単行本を作る際に笠井さんが「なんでもやります!」と言ったので、デザイナーの芥陽子さんと相談して、本当に「なんでも」やってもらいました。カバーイラストはもちろん、各話のサイドストーリーやおまけマンガ。さらに、ほとんど気付いてもらえないのですが、見返し(表紙と本体をつなぐ紙)の壁紙のような模様や、目次や総扉や奥付の飾りは、すべて笠井さんの手書きなんです。内容とともに装丁・造本も見てほしいですね。
世間知らずのお嬢様・ジゼルが作品の中で成長していくように、作者の笠井さんも、この連載の中でどんどん成長しています。今後を楽しみにしてください。
作画もストーリーも新人とは思えないクオリティーで、男女問わず幅広く楽しんでもらえる作品です。賢くてすてきなレディーであるジゼル嬢の巻き起こす騒動に心温まる内容ですが、子供から大人へというテーマが物語の芯となり読み応えを生んでいます。分別をわきまえているようで世間知らずな危なっかしさもあるジゼルに対して、時に優しく時に厳しい大人の世界。そこで彼女が何を見てどのように成長してゆくのか、保護者のような気分でハラハラしつつも優しく見守っていきたいですね。
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