村上春樹さんのベストセラー小説を映画化した「ノルウェイの森」(トラン・アン・ユン監督)が、1日開幕した「第67回ベネチア国際映画祭」のコンペティション部門に出品された。2日には、主演の松山ケンイチさんと菊地凛子さん、水原希子さん、トラン監督、小川真司プロデューサーが出席して会見が開かれ、イタリアやフランス、スペインなど約150人の取材陣が参加。松山さんは「『ノルウェイの森』は日本を代表する小説。この国際映画祭には、日本を代表する気持ちで臨んでいます。世界中の人々が待ちわびていた作品に出演できたことがうれしく、気持ちが引き締まります。ぜひ賞を取りたい」と意気込んだ。
ウナギノボリ
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「ノルウェイの森」は87年に出版され、国内発行総累計部数は1000万部を突破、36カ国の言語に翻訳された世界的ベストセラー。親友を自殺で失った主人公ワタナベ(松山さん)が、直子(菊地さん)と緑(水原さん)の2人の女性と出会い、再生していく姿を描いた恋愛物語。菊地さんは「日本の原作で日本製作の映画での参加は今回が初めて。日本人として参加できることが大変感慨深いです」と話した。過去に映画「シクロ」で、95年の第52回ベネチア国際映画祭でグランプリの金獅子賞を受賞しているトラン監督は「観光ではなく、賞を取りに来ました」と仕上がりに自信を見せた。
公式上映では、用意された1016席はほぼ満席となり、レッドカーペットを通って会場に現れた松山さんらは、スタンディングオベーションで迎えられた。エンドロールでビートルズの「ノルウェイの森」が流れると、再び会場から拍手が巻き起こり、松山さんは「無事成功したと感じました。海外でも配給されるかと思うと、たくさんの方に見ていただけるだろうなと確信できました。最高の一日になりました」と喜び、トラン監督とがっちりと握手を交わした。拍手はその後数分間、鳴りやまない状態が続いた。
受賞式は現地時間11日の夜(日本時間12日未明)に開かれる。映画は12月11日から全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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