話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、「赤ずきん」「浦島太郎」などおとぎ話をモチーフにしたキャラクターが登場する学園ドラマ「オオカミさんと七人の仲間たち」です。岩崎良明監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−作品の概要と魅力は?
御伽花市という街にある御伽(おとぎ)学園という高校が舞台の作品です。その学校の中にある「学生相互扶助協会」、通称「御伽銀行」というちょっと変わった部活に所属するメンバーの活躍を描いたお話です。ちょっと珍しい舞台設定で、登場人物たちが古今東西のおとぎ話の主人公たちをモチーフにして作られています。それぞれのエピソードについても、いろいろなおとぎ話がモチーフになっていて、パロディーというわけでなく、それに添った形で独自のアレンジをしているところが魅力ですね。
−−アニメ化するうえで心がけたことは?
やはり原作のテイストをうまく生かした形で作りたいという思いはありました。既存のおとぎ話をモチーフにしている分、既に作られてしまっている、型にはまっている部分があるわけなんですが、それにとらわれ過ぎずに、生き生きと描くようにしました。物語のキャラクターたちを単純にそのままアニメにするのではなく、アニメのキャラクターとして生きてくるように気をつけました。今回は御伽銀行のメンバーが9人もいるわけですが、その中でもおおかみさん、りんごさん、亮士君という特にメーンの3人にスポットを当てて描いています。
−−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは?
今回キャラクターデザインの飯塚晴子さんがすばらしいイラストを描いてくださり、作画の方々もすごくがんばってくれて、特に1話の絵が上がってきてそれを見た時はとてもうれしかったです。スタッフみんなが作品を好いてくれて、気に入ってくれて、そして、それぞれが頑張って作り上げてくれたことをうれしく思いました。
大変だったこととしては、キャラクターを生き生きと表現する方法で悩んだ部分はあります。それぞれのキャラクターが個性を持っているので、表情や動きに違いをつけるようには常に気をつけていました。特におおかみさんに関しては、気持ちが揺れ動いてなかなか定まらない部分があることもあって、ついついみんな優しく描いたりするんですね。「ツンデレ」の「デレ」の方で描いてきたり。でもやっぱり「ツン」の方が多くて、さらに心と表情にギャップがあるキャラなので、そこがぶれないように描き方に苦労した部分はありますね。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
この作品は、おおかみさんの過去の話と、亮士君とおおかみさんの話という2本柱で進んでいるところがあります。今後は、羊飼いとの話が11話で一つの決着を迎え、さらに亮士君とおおかみさんの関係も12話で一つの方向性が見えるようになるかなと思います。最後まで新しいキャラクターが出てきたりしますが、おおかみさんと亮士君がどうなっていくのかを見守っていただければと思います。
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