松雪泰子:全編手話で主演「難しかったけど楽しかった」 NHKドラマスペシャル「心の糸」

「心の糸」の会見に出席した松雪泰子さん(左)と神木隆之介さん
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「心の糸」の会見に出席した松雪泰子さん(左)と神木隆之介さん

 女優の松雪泰子さん(37)と俳優の神木隆之介さん(17)が2日、主演ドラマ「心の糸」(NHK)の完成記者会見に出席。生まれつき耳の聞こえない母親役を演じ、初めて手話に挑戦した松雪さんは「チャレンジしがいのある作品だった。(口から発せられる)言葉がないから表現できないとは思わなかった。(役者として)表現を楽しむという意味では難しかったけど、面白く楽しかった」と話した。

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 「心の糸」は、ドラマ「星の金貨」の龍居由香里さんによるオリジナル脚本。生まれつき耳が聞こえないために息子の人生に過度の期待を寄せる母・玲子と、母の人生を理解しつつも束縛から逃れて自分の人生を歩みたいと思う高校生の息子・明人とのきずなとぶつかり合いを描いた感動作。息子を一流のピアニストにして周囲を見返したいと思っている玲子の期待を重荷に感じていた明人が、ある日、路上でライブをするろう者の女性・いずみに出会う。その出会いを経て、明人は次第に自分や母の生き方に疑問を感じ、やがて母の過去を知ることになるというストーリー。いずみ役を谷村美月さん、玲子が勤める水産加工会社の社長を石橋蓮司さん、明人に共感する同級生を染谷将太さんが演じる。

 全編手話で演じきった松雪さんは約1カ月にわたって手話の訓練を受けた。松雪さんは「言葉の表現の仕方が英語に近く、強調したい部分を繰り返したりする。普段の言葉の感覚と違うので感情を乗せていくポイントが違って、難しいなと感じた」と振り返った。また日本テレビで春に放送されたドラマ「Mother」に続き、親子の物語を演じたことについて「私自身も10歳の男の子の母親ですし、自然に演じています。母性は奥が深く各家庭でさまざま。愛情を持っているけど、それをうまく表現できないということなどは私にとっても理解できます」と語った。

 手話に加え、ピアノのレッスンにも励んだ明人役の神木さんは、「楽譜が一切読めないけど、先生が教えてくれてうまく弾けるようになったのかな」と照れたが、磯智明チーフプロデューサーは「神木さんは天才的。先生が一回やった仕草をすぐ覚えてしまい、ドラマで登場しない曲まで覚えてしまった」と絶賛。また子どものころから役者として活動する神木さんは「俳優をやっていきたいと思ったのは小学校高学年ごろ。それまでは人と話すのが好きで、現場で人としゃべるのが楽しかった」と振り返り、自身に役柄を重ね、「小学校のころはお母さんに(現場に)ついてきてもらって(劇中の親子のように)一緒にいる時間が長かった。そういうところは(役柄の)明人に共感を持つ部分がある。明人の心が僕なりに理解できたと思う」とコメントした。

 放送は総合テレビで27日午後9時~同10時13分。(毎日新聞デジタル)

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