注目映画紹介:「アメリア 永遠の翼」 大西洋横断飛行に成功した女性飛行士の生き方を描く

「アメリア 永遠の翼」の一場面。(C)2009 Twentieth Century Fox
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「アメリア 永遠の翼」の一場面。(C)2009 Twentieth Century Fox

 世界で初めて大西洋を横断飛行した実在の女性飛行士、アメリア・イヤハートを主人公にした「アメリア 永遠の翼」(ミーラー・ナーイル監督)が27日、公開された。日本でも英語の教科書などに取り上げられ、映画「ナイト・ミュージアム2」(09年)ではスミソニアン博物館のシーンに登場する偉人を、2度アカデミー賞に輝くヒラリー・スワンクさんが生き生きと演じた。アメリアの姿がまぶしく、ロマンにあふれた作品で、シネマスコープサイズで撮影された大空や大地の風景が気持ちいい。

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 1928年、女性初の大西洋横断飛行に成功したアメリアに、全米の人々が熱狂していた。リンドバーグの本を出版したジョージ・パットナム(リチャード・ギアさん)が彼女の広報となり、アメリアも本を出版。2人は恋に落ちる。最初は結婚にためらうアメリアだったが、やがて結婚し、ジョージは飛行資金のために奔走。アメリアは慣れない講演やCMの仕事をこなしていく。しかし、それがストレスになり、アメリアは疲れた心を癒やしてくれるパイロットのジーン・ビダル(ユアン・マクレガーさん)といい仲に。夫婦は危機を迎える……というストーリー。

 偉業そのものというよりも、私生活の面から一人の女性像を描き出した。勇気や強さを持つアメリアが、恋人と夫の板ばさみになるシーンに人間らしさを感じ、夫婦の物語としても楽しめる。スワンクさんは1カ月ほどかけて、姿形や話し方に至るまで本人の生き写しになるように役作りをしたというが、エンドロールで流れる実際のアメリアの映像を見て、あまりにもそっくりで驚いた。映画は1920~30年代の女性の自立と新時代の到来を感じさせ、当時に思いをはせることができる。最後のフライト(1937年)の後、第二次世界大戦が勃発(ぼっぱつ)したと思うと、なおさら感慨深い。27日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル) 

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