ラノベ絵師ファイル:「彩雲国物語」の由羅カイリさん 「ひらひらした衣装は天下一品!」

由羅カイリさんがイラストを手掛けた雪乃紗衣さんの「彩雲国物語」(角川ビーンズ文庫)の表紙
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由羅カイリさんがイラストを手掛けた雪乃紗衣さんの「彩雲国物語」(角川ビーンズ文庫)の表紙

 ライトノベルには欠かせないイラストを描く「絵師」を紹介する「ラノベ絵師ファイル」。第2回は、官吏となった少女が人々のために奮闘する雪乃紗衣さんの「彩雲国物語」(角川ビーンズ文庫)を担当する由羅カイリさんです。由羅さんと担当編集に話を聞きました。

ウナギノボリ

 −−作品の概要と、由羅さんの描くイラストの特徴を教えてください。

担当 中華風架空世界が舞台の、少女の挑戦と成長を描くファンタジーです。主人公の秀麗は、長年の夢だった官吏を目指して、男性社会である朝廷に挑んでいきます。淡い恋あり、冒険ありの、男女問わずオススメできる作品です。由羅さんのイラストは、一言で表すと「美」ですね。線の美しさ、色遣いの華やかさなど、普遍的な美しさがあるんです! 手描きの原画ですので「この絵は世界に一枚しかないんだ!」と、いただくたびに緊張します。

 −−由羅さん起用の理由は?

担当 雪乃さんが描く、まっすぐで凜(りん)とした主人公と、タイトル通りの色鮮やかな世界を表現してくださる方、ということで、由羅さんにお願いしたそうです。前担当いわく、「ひらひらした衣装をお願いしたら天下一品!」ということも、理由の一つだったとか(笑い)。「彩雲国物語」は現在20巻刊行しており、キャラクターも色とりどりですが、由羅さんは各キャラクターの特徴を見事にとらえ、描き分けてくださるので、安心してお任せしています。

 −−本作のイラストを描くときに心がけていることは?

由羅 少女小説らしい華やかさと個性を持たせすぎないキャラクター造形でしょうか。小説の挿絵ですから読者の想像の邪魔にならないように。ガチガチに設定せず、そしてあまりとがった感じにはしないように心がけています。中華風異世界ファンタジーなので、衣装も時代考証に関係なく自由にアレンジさせていただいています。「彩雲国物語」は作中でキャラクターが強烈に個性を主張しているので、描き分けはさほど意識しなくてもできてしまうんですよ。

 −−他に手掛けている作品を教えていただけますか?

由羅 少女向け恋愛シミュレーションゲーム「アンジェリーク」シリーズのキャラクターデザイン、コミック。ライトノベルでは講談社ホワイトハート文庫、集英社コバルト文庫などでイラストを描かせていただきました。現在は角川書店「月刊あすか」で「彩雲国物語」のコミカライズを担当しています。自分が読者として感じた「彩雲国物語」の世界をマンガで表現するのはなかなか難しく、いつも時間がなくてジタバタしていますが、ぜひお手にとって読んでいただければと思います。

 −−読者へ一言お願いします。

担当 いよいよ最終章に突入した「彩雲国物語」。クライマックスに向けますます盛り上がってまいりますので、応援をよろしくお願い申し上げます! そして、12月5日には初のイベント「彩雲国物語大感謝祭」を開催予定です。会場では、由羅さんの原画展も行います。イベントチケットは販売終了しておりますが、原画展はチケットをお持ちでない方もご覧になれますので、ぜひご覧くださいませ!

由羅 私はライトノベルの挿絵でイラストの仕事を始めました。1冊目を書店でお客さんに手にとってもらえるようにするのが最大の使命! 実は作者と読者の間を取り持つようなこの仕事がなんだかとても好きなんですね(笑い)。今やデジタルイラストが主流のライトノベル界で手描きイラストは逆に個性か!と開き直りつつ頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします!

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