宝島社:「電子たばこ」210万部 今なお勢い衰えず

「電子たばこヘルシー」のパッケージ画像
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 雑誌や書籍にとらわれず書店やコンビニを中心に商品を展開する宝島社で、本以外のマルチメディア商品で今年もっとも売れたのは「電子たばこヘルシー」(2500円)だったことが18日分かった。5月に発売し、初版20万部を2週間で完売し、これまで210万部を発行。10月1日のたばこ税増税に伴う禁煙ブームの高まりが売り上げを押し上げており、その勢いは今も止まらず、今後も重版を続けるという。

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 コンセント充電式の「電子たばこヘルシー」は、水蒸気の煙を楽しむたばこの代替品で、タバコ味、洋モク味、メンソール味の三つのフレーバーのカートリッジが付いている。ニコチン・タールは一切含まない。09年に発売したUSBタイプの電子たばこは18万部を売り上げた。各フレーバーの専用カートリッジのみでも販売している。

 ヒットの理由について同社は、書店とコンビニエンスストア合わせて全国約5万8000店舗という圧倒的な店舗数を持つ「出版流通」を活用したことで「より幅広い層の消費者にご購入いただいた。また2500円という低価格で販売したこと」と分析。さらに、たばこ税増税直前の9月最終週に売り上げが前週の3倍近くにまで伸びたことから、「増税による禁煙関連商品の需要が増えたことで伸び、ますます需要が拡大している」と禁煙ブームの高まりに期待している。

 このほか、同社が発売する本以外のマルチメディア商品では、2位に現在160万部を刊行している「スッキリ美顔ローラー」(7月発売)、3位は「ハリー・ポッター」(8月発売)のDVD2種で、各100万部を発行した。

 ブランドムックでは、「Cath Kidston (キャス・キッドソン)“HELLO” FROM LONDON」(3月発売)と「kitson (キットソン)」(8月発売)が各120万部で1位、2位は100万部の「イヴ・サンローラン」(11月発売)だった。「Cath Kidston」は、英国のインテリアブランドで、「kitson」はロサンゼルス発のセレクトショップ。両ブランドとも、幅広い年代の女性から支持されている。

 同社のファッション誌には、人気のブランドグッズの付録がつくのが特徴で、「sweet」10月号は115万部を発行し、話題を呼んだ。日本ABC協会の2010年上半期(2010年1~6月)雑誌販売部数発行社レポートによると、ファッション誌で同社は約26%のシェアを占め業界トップ。販売部数では「sweet」が1位、「In Red」が2位だった。同社は今年、大型書店内に期間限定で同社の書籍のみを取り扱うコーナー「宝島社書店」を展開するなど、新たな試みに挑戦している。(毎日新聞デジタル)

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