ジェフリー・ドノヴァン:米ドラマ「バーン・ノーティス」主演 「今回はダークサイドに行く」

「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲 シーズン3」PRのために来日したジェフリー・ドノヴァンさん
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「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲 シーズン3」PRのために来日したジェフリー・ドノヴァンさん

 孤立無援の元スパイ、マイケル・ウェスティンが活躍する米テレビドラマ「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲 シーズン3」のDVDレンタルが3日から始まり(セル発売は11年2月2日)、PRのためマイケル役のジェフリー・ドノヴァンさんが来日した。10年間、国のために働いてきた一流スパイが、理由もわからぬまま組織から突然解雇(バーン・ノーティス)。FBIには監視され、これまで関係した事件の関係者からは命を狙われ、行き場を失った彼は、故郷マイアミで、培った経験を元に人助けをしながら、自分を解雇した人間とその理由を探り始める……。07年に米国で放送が始まると軽快なユーモアと大胆なアクションの組み合わせが好評で、すでにシーズン6までの制作が決定している。空手を12年間習い、黒帯の有段者でもあるドノヴァンさんに、シーズン3のこと、また、趣味のガーデニングなどについて話を聞いた。

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 −−シーズン3には、あなたが演じるマイケルがダークサイドに行ってしまったのかと思われるエピソードがありました。

 最初の2シーズンで、視聴者にはマイケルはすごくいいヤツだとわかってもらった。その上でシーズン3では、ストリックラー(ベン・シェンクマンさんふんするスパイの仲介人)という新しいキャラクラーが登場し、彼が自分の目的を達成するためにマイケルを利用しようとする。「これをやれば、お前をまたCIAに戻してやる」と言ってね。マイケルとしてはもちろんCIAに戻りたい。だから人助けをしながら、つい、ダークサイドに足を突っ込んでしまうんだ。もちろん、最終的には明るい解決法を見いだしていくことになるんだけど、確かに、そのダークなところが今シーズンの一番の見どころだね。

 −−マイケルを演じて変わった点は。

 自分ではなかなか分かりづらいことだけれど、長年マイケルと付き合ってきて、彼を演じるのは楽になったかな。それによって自分がよくなったのか悪くなったのかは、あえて判断しないようにしている。それは見る人が判断することだから。若いときは、その役を演じるのに自分がどう感じるのがよいかを考えていたけど、いまは、第三者がそのキャラクターを見たときに、その人が感じられるものを僕が表現できているかどうかのほうが大事だと思うようになったんだ。

 −−スパイ役をやってきて実生活で役立ったことはありますか? 例えば、自動車のカギを開けられるようになったとか、もしくは精神面で影響を受けたこととか。

 自動車のカギを開けることはできないけど、ただ、マイケルは社会に対して被害妄想気味のところがある。被害妄想というと語弊があるかな……。ともかく、そういう意識は高くなった。例えば、セキュリティーカメラに気付いちゃったり、他人の会話が意図せずとも聞こえてしまったり。あとは、レストランでは入り口に背を向けて座るのをやめた、身の危険があるからね。そういう面での影響はあるかな。

 −−マイケルはヨーグルト好きですがご本人は?

 僕も好きだよ。中でもブルーベリー味。撮影でもブルーベリー味を食べているんだ。

 −−マイケルは突然CIAを解雇されます。あなた自身、突然仕事をキャンセルされた経験はありますか。

 実をいうと、役者は毎日解雇されているようなもの(笑い)。つまり、オーディションに行って自分をさらけ出しても、「はい、ごめんなさい」と言われればそれでおしまい。そこから何かを学んで成長するかどうかは本人次第。いってみれば俳優は、毎日、敗北感との戦いなんだ。

 −−95年に俳優デビューをしてから、今の地位にたどり着くまでに苦労もあったはず。もしデビューした当時のご自分にアドバイスできるとしたらなんと言いますか?

 僕が俳優になろうと思ったきっかけは、小学校の授業で先生の物まねをしたとき、クラスメートが笑ってくれて、そのときに人の心を動かす仕事は楽しいなと子供心に感じたからなんだ。その後、演劇学校に通い、いろんな仕事をして、俳優として本格的にキャリアをスタートさせたのは30歳のとき。遅咲きだよね。なぜそこまで時間がかかったのかは分からない。でも、当時の自分に声を掛けるとしたら、「とにかくちょっと我慢しろ。いますぐどうかならなくても辛抱しろ」と言いたいね。

 −−ところで、ガーデニングが趣味だそうですね。

 (苦笑しながら)それは、以前、家の改築をしていて庭に白い野バラを植えていたとき、たまたま電話取材を受けたんだ。で、「いま何してたの」と聞かれ、「花を植えていた」と答えたら、それが「趣味はガーデニング」と広がってしまったんだ。そのとき一度言っただけなのにね(笑い)。好きな花? 白い野バラとブーゲンビリア。ブーゲンビリアは、「バーン・ノーティス」の舞台、マイアミにも咲いているよ。

  *    *

 183センチの長身に、グレーのセーターとジーンズといういでたちでインタビュールームに現れたドノヴァンさん。実は、インタビュー前はコワモテ気味に見える外見におじけづいていたが、実際はとてもキュートなナイスガイだった。心が癒やされることは「ゴルフ」で、「週末はいつもゴルフをしている」のだそう。「日本でもゴルフをするのを楽しみにして来た」といい、このインタビューの翌日にはゴルフに行く予定だと話していた。ちなみにハンディは7。「そこそこうまいほうだと思うよ」と教えてくれた。

 *……「シーズン3」のDVDはvol.1~4がレンタル中、vol.5~8が11年1月7日にレンタル開始。セルは「DVDコレクターズBOX」が11年2月2日に発売。価格は1万3440円。

 <プロフィル>

 1968年、米マサチューセッツ州エイムスバレー出身。ニューヨーク大学で演技を学び、95年から映画やテレビドラマに出演するようになった。96年には映画「スリーパーズ」、その後、00年「ブレアウィッチ2」、05年「最後の恋のはじめ方」、テレビシリーズ「タッチング・イーブル~闇を追う捜査官」などに出演。08年のクリント・イーストウッド監督作「チェンジリング」ではヒロインを不当に扱う警部を演じた。空手、合気道、ブラジリアン柔術をたしなむ。

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