M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
26日に開かれる「亀田祭り2010 ~Thanks God It’s Boxing Day~」(さいたまスーパーアリーナ)で、日本人初の3階級制覇に挑む世界ボクシング協会(WBA)バンタム級2位の亀田興毅選手がこのほど、インタビューに応じた。対戦相手の同級5位、アレクサンデル・ムニョス選手(ベネズエラ)について「簡単に勝てる相手じゃない。俺は打たれ強い選手じゃないから、一発もらったら倒れているかも分からない。一瞬も気は抜けない」と警戒しつつ、「だからこそ楽しみな部分もある。中盤から後半にかけてノックアウトできたら理想」と自信を見せた。(毎日新聞デジタル)
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−−興毅選手にとって大きな興行が近づいています。意気込みは?
今回勝ったら夢の3階級制覇。勝つことは最低条件として、すごい試合、いい試合をしたい。見てて「ああ、すごい試合やったなあ」ていうね。絶対に勝って、3階級を制覇する。
−−一気に2階級上げて、バンタム級での挑戦ですが。
やっぱり難しいことやと思う。今までやったことのない体重やし、階級が上がっていけばいくほど、相手も強くなってくる。バンタム級でもトップクラスの選手と戦うわけだから、難しい挑戦になると思う。でも、俺の性格には挑戦するっていうのがあってるし、防衛していく、守っていくというよりは挑戦していきたい。(挑戦するという気持ちは)ボクシングだけじゃなくても、いろんなことに共通すると思う。挑戦する気持ちが人間、大事なことだと思う。だから俺は今回、難しいことだけど、あえて挑戦したい。
−−対戦相手のムニョス選手は、過去に日本人選手7人と対戦して全勝しています。印象や自信のほどは?
強い選手だと思う。簡単に勝てる相手じゃないし。どっちかっていうと俺の方が不利じゃないかな。周りから見たら。どういう予想をみんな立てているか分かれへんけど。向こうの方が階級も上やし、日本人は誰も勝ったことがないし。でもそういう強い選手に勝って、3階級制覇できたら、最高やしね。自信はどの試合でもあるよ。過去24戦すべて自信はあった。今度の試合も自信はあるけど、勝負やから、勝つときもあれば負けるときもあるし。結果はふたを開けてみんと分からへんから。でも不安もあるし。(階級が違うから)実際にリングに上がってみてパワーが違うなって感じるかもわからへんし。こればっかりはリングに上がらんとわからへんことやから不安もあるし。すごいプレッシャーはあるけど、絶対勝つっていう気持ちで、難しいやろうけど、向かっていきたい。
−−トレーニング方法は変わりましたか。
いや、無理に上に上がったからって、パワーつけようとか考えるとスピードがなくなってしまうし。(階級が)下から上がってきた選手が上の選手と戦うとなったら、パワーで戦ったら絶対に勝たれへんから。でも、下の選手には、下の選手の良さがある。それはやっぱりスピードだと思う。だから(試合では)スピードで翻弄(ほんろう)して、スピードで圧倒したい。そのスピードを落とさんように磨く。だからおれはあえて、パワー(をつける)っていう練習はしない。今までのボクシングにさらに磨きをかける。
−−戦い方は?
戦い方は、より速く、よりパンチをもらわず、こっちが一方的に当てる。今までの試合より、もっともっと集中せなあかんし。上の階級なんで、一発もらったらそれが命取りになってくるから。
−−集中力がものをいう?
12ラウンド一瞬も気を抜く場面は絶対にない。より集中して、より速く動いて、こっちが一方的に(パンチを)当てる。これが一番理想の展開。36分間集中するっていうのはまず難しいことやから、だから今はそういう練習ばっかり(している)。集中すること、より手数を出すこと、より動くこと。今までの倍はしんどい。何をするにしても、集中するってしんどいことだから。集中(すること)だけじゃなくて、さらに、パンチをもらわへんために今まで以上に動かなあかん。36分間ずっと動くのもしんどい。そっからさらに、パンチ力っていう面でも負けてるんやから、こっちはスピードで手数をいっぱい出していかなあかん。タイミングよく、手数をいっぱい出す。手数もそうやし、動かなあかんし、集中もせなあかん。いままでより倍は疲れる。スタミナはムニョスはそんなにないから、長期戦になったら俺のほうが有利かな。向こうは前半に勝負をかけてくると思う。
−−ムニョス選手の弱点はスタミナですか。
スタミナはない。あと腹も弱いと思う。前半からしっかりボディを打っていってスタミナを早く切れさせて、あとはこっちが手数を一気にまとめてたたみかけるだけ。それが一番の理想の展開。(対戦相手に対して)怖いことはないな、不安はあるけど。うまく集中して戦わないと一発もらったら本当に危ないなっていうのはある。俺は打たれ強い選手じゃないから、タフでもないと思うし、一発もらったら倒れているかも分からへんし。
−−ダウンするかもしれないって言葉が出たのは、たぶん今までのインタビューで初めてだと思うんですが、それだけギリギリの挑戦に向かっているっていうことですか。
今までで一番難しい戦い。だからこそ楽しみな部分もある。俺の力を試したいし、どれだけのレベルにあるのか試したい。それであかんかったら、まだまだ弱かったんやな、もっと練習せなあかんなって思うし。この戦いは不安もあるし、やばいなあ、強い選手やなあっていうのもあるけど、強い選手を相手にどこまでできるんか(を試したい)。自信があるから、俺は。あっさり勝ったら勝ったでまた自信になるし、やっぱ俺、強かったんやなって。
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−−日本初の兄弟によるダブル世界戦でファンが注目しています。大毅選手への思いは?
あいつも世界チャンピオンやし、余計なことをべつにいう必要はないし。俺は俺の試合に集中して、3人の中で一番いい試合をしようっていう気持ちが強いし。一番最後にええとこだけ持っていったろうっていう。
−−夢の3兄弟同時タイトルマッチに近づいてきましたね。
近づくねえ。すごく大きな一歩だと思う。3人同時タイトルマッチ、これが一番の夢やからね。だけど、まだまだ先は長い。通過点、これからに向けての第一歩、新たなスタート。ここからまた、次に広がっていくから。(今回)それぞれが最高の試合をして、いい形で新年を迎えられたら、ベストかな。「見に来てよかったなあ」っていう声が出るような、いい試合をしたい。
−−興毅選手自身の3階級制覇への思いは?
日本人で誰もやったことがない、日本で一番。これが一番大きいかな。ボクシングやってきて、今後ずっと語り継がれるような記録を残したいっていうのがあったから。(3階級制覇で)日本のボクシング界の歴史に亀田興毅っていう名前を刻めるわけやから。それが俺がずっとやりたかったことやから。それが俺が小さいときからの夢やったし、一つのゴール。ゴールでもあり新たなスタート。そこからまた広がっていくし、だからまずは3階級制覇する。
−−亀田プロモーターの社長として、今回の「亀田祭り2010」にどのような部分でかかわっていますか。
興行にかんするすべてにかかわってるよ。毎日どういう状況か聞いてるし。今回は初めて3兄弟がそろって、俺のタイトルマッチもあるし、大毅のタイトルマッチもある。そういう大きなイベントだからこそ、ボクシングに興味がない人でも気軽に来られるように、500円の席をつくったりとか
−−500円の席は4000席あると聞いてます。
一回、試合を生で見て、何を感じるかは人それぞれだと思う。500円で亀田3兄弟の試合見れんねや、一回見に行ってみようかってチケットを買って、ボクシング楽しいなとか、他の試合も見てみたいとかってボクシングに興味を持って雑誌を買うたり、それだけでもいうたら大成功なわけや。ボクシングというものに興味を持ってもらうために、今回こういう形(500円席)を取ってやらしてもらっている。
−−自分の試合に集中したいところだと思いますが、興行にもかかわって、選手と社長の両立は大変ではないですか。
いやいやいや、そんな大変なことはない。自分の趣味でやっているみたいなもんやから。俺はボクシングが好きやから、ボクシングがより良くなっていったらええし。べつにこんなん(興行面に携わることは)しんどいうちに入れへんし。練習は練習。こっちはこっちでちゃんとやってるし。俺一人でやってるわけじゃないから全然、大丈夫。
−−サブタイトルの「Thanks God It's Boxing Day」にはどんな意味が込められているんですか。
海外では12月26日はクリスマスプレゼントをもらって、プレゼントの箱(Box)を開ける日、それで「Boxing Day」って呼ばれてるらしいねんけど。同じ日に試合するから、それで(スポーツの「Boxing」とかけて)ボクシングデー。ファンに対するプレゼントみたいな気持ちで。たまたま同じ日やったからね。ファンあっての亀田3兄弟だしね。ファンがいなかったらここまでできへんし。だから感謝してるし。毎試合見に来てくれる人もおるし、応援してくれる人もいる。そういう人たちに何かできへんかなと。
−−17歳でプロデビューされて、11月には24歳になられました。心境の変化はありますか。
デビューして7年目に突入したわけで、30歳まではやろうと思うけど、そう考えたらあと6年しかない。これからはもうベテランになってくるし。だから後悔だけはせえへんように、今できることは全部やっていきたいなあっていう気持ちになってきた。昔はそんな焦らんでもまだまだ先は長いっていう気持ちはあったけど、これからは先が長いとか言うてられへんし。今できるチャンスがあったんなら、全部やっていこうと。たとえそれが失敗したとしても、間違いではないと思うし。自分で決めたことやから。失敗しても、いい勉強として次につなげていけたらええことやと思うしね。いろんなことに挑戦していきたいから、だからこれから後悔だけはせんように、今できることをしっかりやっていきたい。
−−興毅選手がボクシングを通じてファンに一番伝えたいことは?
挑戦する気持ち。誰でも勇気と自信を持って難しいことにも挑戦していこうっていうね。そういう挑戦する、なんていうかな、勇気っていうかな、そういうものを俺の試合を見て、伝わったらいいと思う。
<プロフィル>
1986年11月17日生まれ、大阪市西成区出身。亀田3兄弟の長男。03年12月にプロデビュー。前WBC世界フライ級王者、元WBA世界ライトフライ級王者。左利き。ニックネームは「浪速乃闘拳」(なにわのとうけん)。
*……「亀田祭り2010」には弟の大毅選手、和毅選手も出場し、3兄弟が初めてそろってリングに上がる。大毅選手はWBAフライ級の2度目の防衛戦を行い、国内で初めての兄弟同時世界戦となる。当日は俳優の溝端淳平さんがスペシャルゲストとしてリングアナウンサーを務め、俳優の竹内力さんが大毅選手の試合前、国歌独唱をする。試合の模様はTBSで午後7~9時(延長あり)に放送される。
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2024年12月25日 03:00時点
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