大黒摩季:「安静ってどういうこと?」 休業中は体を休めて頭をフル回転

「小説を書き始めた」と明かした大黒摩季さん
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「小説を書き始めた」と明かした大黒摩季さん

 子宮疾患のため、11月から無期限で活動を休止しているシンガー・ソングライターの大黒摩季さん。96年に発覚した子宮腺筋症に、子宮内膜症、子宮筋腫なども併発し、これ以上子宮が肥大すると全摘出しか方法がなくなるとドクターストップがかかり、休止せざるを得ない状況となった。現在はライブやレコーディングなど主だった活動は控えているが、「ツアーやキャンペーンなどで出て歩いていると、中途半端になっていることがたくさんあって、じっくり本を読みたいとか、たまっているいろんな素材をクリッピングするとか、小説も書き始めているんですよ」と頭はフル回転。大黒さんの休止中の過ごし方や生き方について聞いた。(細田尚子/毎日新聞デジタル)

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 10年前にも子宮腺筋症で一時活動を休止した大黒さん。再開後は病気を上手に付き合いながら活動を続けてきたが、ここに来て子宮の肥大化が予想を上回る速さで進行し、これ以上進むと他の臓器にも影響を与え、最悪の場合は腹膜炎を起こして死に至ると診断された。03年に結婚した大黒さんは「体外受精で妊娠をしたいという意思に反して、進行のスピードが速くて。全摘出になると代理出産で大ごとになってしまうので、まだ可能性のある今、集中して集約的に治療をしましょうということになりまして。治療しながら活動すると歌にも影響があるかもしれない、パフォーマンスが半減した状態で歌っても誰も喜ばないと思いますので、ここは思い切って休みましょうと。合併症で他の臓器まで悪くなったら、さらに復帰が遅れますからね」と、決断をした。

 「でもね」と大黒さんは好奇心の強そうな目で切り返す。「この間、『安静ってどういうことなんですかね?』ってお医者さんに聞いたら、ひっくり返られましてね。『読んで字のごとく、安らかに静かにしてねということですよ』と答えられたんですけど、どこまでじっとしていればいいのか。例えば、頭は回転して盛り上がって、パソコンをバーッと打っていても、家にいれば安静というのかと。だからジャッジを相方(夫)にお願いしました。『あんまり安静にしてなかったら、イエローカードとかレッドカードとかを出して言ってほしいと」と判定を他人に委ねた。「私の場合、できるだけ見張り番は多い方がいいですね。放っておくと、小説を書き始めているので、気が付いたら、急に海に行っておじさんに取材しているかもしれない」とちゃめっ気たっぷりに笑う。

 「じっくり本を読みたいとか、たまっているいろんな素材をクリッピングして、それをエクセルに移してデータベース化したいとか、小説とか、マンガの原作とか、レコード評を書こうかなとか、動かないからストレスがたまっておかしくなるかなと思ってたんですけど、やるべきことが多すぎて、悩んでいるひまはないみたいです。たぶん活動復帰まであっという間な気がして、(休んでいる間やりたかったことも)中途半端なまま復帰してしまうんじゃないかと」と笑う。

 しばし曲を発表することはないが、待っているファンに向けて「この間の北海道でのライブでめちゃくちゃウケたフレーズなんですけど、『道産子って“前向きなあきらめ”が体の中にあるよね』って。冬になったら動けないから春になればやればいいさ、みたいにじたばたしないんですね。肉体のフットワークが軽いときにできることと休止中にしかできないこととあるわけですから、今年はライブツアーで盛り上がってファンの皆さんも疲労があると思いますので、一緒にお休みいただいて、時期が来たらいろんな面白いものをドバドバお届けできると思いますので、お楽しみに」とメッセージを送った。

 そして、大黒さんは女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)を、「一つのことに夢中になって、一生懸命突っ走っているときに出る心の汗が光に反射してキラキラ見えるのを“輝き”と呼ぶんじゃないかと思いますので、輝きたいなら、夢中になれることを探すといいのではないでしょうか。夢中になれるものがあって、心が動かないと、好きな人に笑顔をあげられない。自分の時間や自分への許し、そして好きなことに夢中になっていたら、必然的にキラキラしてくる。だからみんな、もっと好き勝手にやっていいと思います!」と明るく呼びかけた。

 <プロフィル>

 1969年12月31日、北海道出身。シンガー・ソングライター。92年、「STOP MOTION」で歌手デビュー。2枚目のシングル「DA・KA・RA」がミリオンヒットを記録し、第34回日本レコード大賞新人賞を受賞した。以降、「チョット」「あなただけ見つめてる」「夏が来る」「ら・ら・ら」「熱くなれ」などのヒット曲を連発。99年、全国ツアー「LIVE NATURE #3」を開催。同年の大みそかに奈良・東大寺で開催されたカウントダウンライブで充電休養を宣言する。01年には活動再開。今年8月に子宮疾患の治療のため、2010年10月末で無期限活動休止を発表。11月17日にテレビ朝日系「仮面ライダーオーズ」主題歌「Anything Goes!」、12月15日に吉川晃司さんとのユニット「DaiKichi~大吉~」名義で「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat スカル MOVIE大戦CORE」(18日公開)の主題歌「HEART∞BREAKER」をリリースした。 

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