ラノベ絵師ファイル:「灼眼のシャナ」のいとうのいぢ 「感性に従って絵を添えて……」

高橋弥七郎さん作、いとうのいぢさんイラストのライトノベル「灼眼のシャナ」(電撃文庫)21巻の表紙
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高橋弥七郎さん作、いとうのいぢさんイラストのライトノベル「灼眼のシャナ」(電撃文庫)21巻の表紙

 ライトノベルには欠かせないイラストを描く「絵師」を紹介する「ラノベ絵師ファイル」。第3回は、赤髪の少女と少年の戦い、そして奇妙な共同生活を描いた高橋弥七郎さんの「灼眼のシャナ」(電撃文庫)を担当するいとうのいぢさんです。担当の三木一馬さんと共に話を聞きました。

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 −−作品の概要を教えてください。

 三木 とある高校生の主人公・坂井悠二はある日、異世界から渡り来た、「存在」を喰(く)う化け物「紅世の徒(ぐぜのともがら)」に襲われます。そんな絶体絶命の彼の窮地を、1人の少女が救いました。その少女こそ、「徒(ともがら)」討滅を使命とするフレイムヘイズ「炎髪灼眼の討ち手」シャナ。彼女に助けられるものの、自身の「存在」を喰われ、残り滓(かす)−−「トーチ」となってしまった悠二は、自分の街を守るため、シャナと共に「紅世の徒」と戦うことを決めます。シャナも、悠二を狙ってやって来る「徒」を迎え撃つべく、この地にとどまることを決めます。しかし、シャナは高い戦闘能力を持っているものの、使命のみに生きてきたため、一般常識を全く知らない少女でした。特に恋愛に対しては非常に疎く……。どこか奇妙な共同生活をしながら、シャナと悠二は、この街を襲う「徒」に挑みます。2人の甘酸っぱい関係性にも注目の、学園アクションストーリーです!

 −−イラストレーター起用の理由は? また、いとうのいぢさんの描くイラストの特徴を教えてください。

 三木 (PCゲーム)「忘レナ草」を拝見させていただいて、お声がけしました。カバーイラストというのは、読者への吸引力が無くてはなりません。いとうのいぢさんのイラストには、それが少女のかれんさというかたちで表現されていました。非常に可愛らしいのに、目に揺るぎない意志があります。凛々(りり)しいのに、儚(はかな)さをのぞかせる表情を描きます。「鋭くも柔らかい」、対極にある要素を1枚の絵に内包させているところが、いとうのいぢというイラストレーターの魅力であると感じています。

 −−本作のイラストを描くときに心がけていることは?

 いとう 自分の絵の中にある少女マンガっぽい部分と作品に根付く少年マンガっぽさをいいさじ加減でブレンドできればなあと思いながら描いています。繊細だったりかれんだったりする少年少女たちの描写と、躍動的でカッコいい戦闘描写と。私自身読者として、少女向け、少年向けとどちらもそれぞれに好きなので、その感性に従って思うままに絵を添えるようにしています。それが読者の方々にも共感していただけていたら最高かなと。

 −−手掛けている他の作品を教えていただけますか?

 いとう 現在は、もう一つのノベルのお仕事である「涼宮ハルヒ」シリーズ、それと09年発売されたPCゲームのファンディスクの原画仕事を主に、その他単発でちょこちょことイラスト仕事をさせていただいています。

 今年よりまた新しいお仕事に挑戦させていただくことになっておりますが、発表はもう少し先になりそうです。楽しみにしていてくださるとうれしいです~!

 −−読者へ一言お願いします。

 三木 「灼眼のシャナ」は、10年11月に原作本編第21巻が発売され、いよいよ次巻が最終決着となります。ぜひ、シャナと悠二の物語を見届けてください。まだ「シャナ」に触れたことがない皆さまも、現在MBS、TOKYO-MX、AT-Xにてテレビアニメシリーズが再放送中です(インターネットでは「ニコニコ動画」にて配信中)ので、よろしければそちらをご覧いただき、興味ありましたら原作もチェックしてみてください。終結に向けて、高橋弥七郎さん、いとうのいぢさんとともに、皆さまが満足できるエンターテインメントを提供したいと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。

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