アニメ質問状:「フラクタル」ノイタミナ支えたアスミックの卒業作 3人の才能を次に生かしたい

アニメ「フラクタル」のビジュアル(c)フラクタル製作委員会
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アニメ「フラクタル」のビジュアル(c)フラクタル製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、アニメ「らき☆すた」や「かんなぎ」を手掛け、「ヤマカン」の愛称で人気の山本寛(ゆたか)監督が描き、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送が始まった冒険ファンタジー「フラクタル」です。フジテレビの山本幸治さんに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 −−制作の経緯、アニメ化するうえで心がけたことは?

 「ノイタミナ」は、(05年の)枠の立ち上げ以来、アスミック・エースという会社とともにあった枠です。実はこの「フラクタル」という企画を最後に、アスミックはいったん「ノイタミナ」を卒業します。

 そのことは今から1年以上前に分かっていて、アスミック最後の企画として何をしようかということを話していました。その中で、ヤマカンさんが自身で表明しているように、引退も辞さない覚悟でオリジナル企画を考えているという話があり、その話を持ってきてくれた磯田敦仁プロデューサー自身も同じ温度で企画を立ち上げたいという話をしてくれました。その思いを受けて「ノイタミナ」のけじめにふさわしい企画になるだろうと思い、動かす決意をしました。

 −−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは?

 大変なことは、ヤマカンさんという時代の才能を理解するのに時間がかかり、岡田麿里さんや東浩紀さんというこれまた優れた才能を理解するのに時間がかかったということです。同時にその才能と出会えたこと、理解が深まったことが喜びです。きれいごとのようですが、この3人の組み合わせに最初は懐疑的ですらあったのですが、今はそれぞれの才能を次に生かしたいと考えるまでにいたりました。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 ヤマカンさんにしても、東さんにしても、ネット上でいろいろとお騒がせな人たちです。でも実際どういう人で、何を考えているのかということは、インタビューやうわさ話からはどこまでも分からないものです。いざ作品を見るときは、彼らの顔を忘れて見てほしいのですが、彼らに興味がある人は、彼らの顔を思い出しつつ、2度目を見てもらえたらと思います。いろいろと分かるのではないかと思います。

 ノイタミナ編集長 山本幸治 @koji8782

 ◇放送日時

 フジテレビで木曜深夜0時45分から放送中。関西テレビは18日から火曜深夜1時35分~、東海テレビは20日から木曜深夜2時5分~。フジテレビオンデマンドでも14日から順次配信中。

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