注目映画紹介:「グリーン・ホーネット」 ラジオ、テレビのヒーローが復活 悪を装い悪党退治

「グリーン・ホーネット」の一場面
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「グリーン・ホーネット」の一場面

 1930年代にラジオのドラマシリーズとして放送され、その後、映画、コミック、60年代にはテレビシリーズ化され多くのファンを生んだ人気キャラクターが、「エターナル・サンシャイン」(04年)で知られるミシェル・ゴンドリー監督の手によってスクリーンによみがえった。「グリーン・ホーネット」が22日から全国で公開される。

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 大手新聞社の社長である父が死に、いきなり後継者の座につくことになったブリット・リード。父の使用人だったカトーという中国人に並外れた発明と武術の才能があることを知った彼は、自分たちを“グリーン・ホーネット”と命名し、カトーが発明したハイテク装置満載の愛車を駆って、街にはびこる悪党退治に乗り出す……というストーリー。

 ブリットを演じるのは、カナダ出身の人気コメディアンで、「40歳の童貞男」(05年)に出演していたセス・ローゲンさん。今回の作品では、脚本と製作総指揮も務めている。また、60年代のテレビ版でブルース・リーが演じたカトーには、ミュージシャンとしても活躍し、映画「頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」(05年)や「王妃の紋章」(06年)にも出演した台湾出身のジェイ・チョウさん。さらに2人が奪い合うブリットの美人秘書をキャメロン・ディアスさんが演じている。

 ヒーローものの主人公は、往々にして、自力で強さを獲得していくが、今作のブリットはそうではない。お世辞にもカッコいいとは言いがたく、思考回路も幼稚。そんな彼がヒーローになりえたのは、クールな使用人カトーの、天才的発明と武術のお陰だ。さらに、彼らは正義の味方を名乗るのではなく悪を装う。なぜなら、そうすることで道徳や規律の違反も許されるからだ。そんないいかげんかつ危なっかしい悪党退治の様子を、ププッと噴き出すような視覚的な笑いをところどころに交えながら描いていく。物語自体は、決してコメディーではない。独特のセンスに、ゴンドリー監督らしさがうかがえる。もちろん爆破シーンや銃撃シーン、さらに愛車「ブラック・ビューティー」による派手なカーチェイスシーンもある。アクション映画ファンも満足できるはずだ。3D版も同時上映。22日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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