ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、日本を代表する美内すずえさんのマンガ「ガラスの仮面」です。別冊花とゆめ編集部(白泉社)の中島英貴さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
見た目は平凡ながら天性の演劇的才能を持つ少女・北島マヤと、演劇界のサラブレッドとうたわれる美少女・姫川亜弓が、幻の名作「紅天女」の主役を競うお話です。2人の役者根性や、師である月影千草のシゴキっぷりなどのスポ根的要素も楽しめると同時に、マヤは親のかたきである男・速水真澄に恋心を持ち戸惑う……という恋愛ドラマも楽しめます。演劇バトルの興奮・快感と、困難な恋愛のもどかしさ、ひと粒で二度おいしい作品です。
−−作品が生まれたきっかけは?
当初はお琴を弾く主人公のお話だったそうですが、担当に「マンガは音が出せないよ」と言われ、以前掲載して好評だった演劇モノを勧められたそうです。演劇モノでしたら、主人公の衣装も替えられるので見た目に変化がありますし、いろいろなキャラになれるので面白そう、と。
ちなみに「マヤ」という名前は初めから使うつもりだったそうです。ただ、名字を何にするか悩んでいたところ、ある日、ラジオから流れてきた北島三郎を耳にして「あ、北島!」となったとか。
−−編集者として作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変だったエピソードを教えてください?
これだけの人気長寿作品なので、担当していること自体名誉なものですが、やはり、三十余年間、誰もが気になっているストーリーを先に読めるということでしょうか。たまに、ネーム段階で描き直す「未発表」的な話も読めるわけですし。
苦労は毎回必ず泊まり込みで詰めることですね。アシスタントも入り、さあ原稿を、という段になってネーム作りに喫茶店へ出てしまうときもいまだにあります。それでも携帯電話を持たれてからは、居場所の把握は格段に楽になりました。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
再び距離が縮まったマヤと真澄の関係と、真澄の婚約者・鷹宮紫織、マヤを思う桜小路優、この4者の人間模様に注目です。また、視力を失い極秘にけいこを続ける姫川亜弓の根性やたくましさも堪能していただければ。雑誌(別冊花とゆめ)と単行本では描写が微妙に違いますので、よりディープに楽しむためには、両方の併読がお勧めです。
別冊花とゆめ編集部 中島英貴
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