長野県山ノ内町の渋温泉が、人気ゲームソフト「モンスターハンターポータブル3rd」に登場する「ユクモ村」に装いを変えるというタイアップ企画(10年12月23日~11年1月10日)を実施したところ、期間中に発売した「ユクモパス」(2800円)の利用者が5000人を突破し、例年より宿泊客3000人を上乗せするという目標をほぼ達成したことがわかった。中には売り上げが対前年同期比で3.5倍になった店も出た。
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企画は、山中で和の雰囲気を強く残した同温泉郷が、ゲームの世界観に似ていることから、開発・発売元のカプコン側から打診。開湯1300年の歴史を持つ地元は、人気ゲームとのタイアップに議論もあったが、近年の不況から下降気味の宿泊者数増のカンフル剤として企画に乗った。
期間中は、地区の家々は赤い幕を張って、ゲームに登場する村のイメージカラーと同じ赤色に統一し、町の建物内にモンスター「ジンオウガ」の巨大展示物を設置。ゲームの開発者が監修したおやきや山菜そば、アイスクリームなど多数のメニューを用意し、温泉を巡るスタンプラリーの企画などもあり、スタンプラリーや休憩所でゲームが楽しめる「ユクモパス」も発売された。長野電鉄は、長野駅から渋温泉最寄りの湯田中駅まで約45分(約33キロ)を結ぶ「モンハン特急ゆけむり号」を運行した。
その結果、普段は訪れない20代のカップルやグループ、特に女性の姿が多くみられるようになったといい、宿泊客で満員のため、近隣に宿を取って来た人もいたという。さらに1泊7万5000円の「狩(カ)ップルプラン」は予約から数日で完売。宿泊客にも好評で「また来たい」という声も多かったといい、地元の旅館組合は「渋温泉の名が全国的に広がり、温泉街にも活気が出た」と喜んでいる。(毎日新聞デジタル)
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