俳優の松平健さん(57)が京極夏彦さん原作の劇場版3Dアニメ「豆富小僧」で、主人公、豆富小僧の父親で妖怪たちの総大将「見越し入道」の声を演じることが25日、明らかになった。松平さんは今回が声優初挑戦。主役の豆富小僧は深田恭子さんが、豆富小僧を励ます目付け役の妖怪・達磨(ダルマ)を武田鉄矢さんが演じることはすでに発表されており、映画はゴールデンウイークに公開予定。
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京極さんの小説「豆腐小僧双六道中ふりだし」(角川文庫)を、劇場版アニメ「あらしのよるに」の杉井ギサブロー総監督が映像化する。人間と妖怪が共に暮らしていた江戸時代、盆に載せた豆腐を持つだけが取りえの豆富小僧は、間抜けな見た目と弱虫な性格で、全く人間を怖がらせることができず、父で妖怪総大将の見越し入道から怒られてばかりだった。ほかの妖怪からいじめられ、なぐさめてくれるのは目付け役の達磨だけという中、母を捜す旅に出た豆富小僧の目の前におっかさんが現れるが、それは妖怪の敵タヌキの仕業で、達磨と2人でお堂に閉じ込められてしまう。にらめっこをしながら外に出る時を待っていた2人は、10万回戦ったとき、ごう音とともに外に出るが、そこは現代の日本だった……という物語。
松平さんは「私が演じた見越し入道と息子である豆富小僧との関係を見て感じたのは、子どもは純粋、その純粋な気持ちを大切にしないといけないと思いました。最近は、どなる頑固おやじがいなくなったように感じるのですが、時にはどなることも、親子の関係を築くという意味では、大事なのかなと思いました」と親子の関係に思いをはせていた。
小岩井宏悦エグゼクティブプロデューサーは、松平さんの起用について「主役である豆富小僧に『このおから頭があ!』とどなるときに誰が一番怖いか、と想像し松平さんがすぐに思い浮かびました。そして、何よりも重要なことは『真剣に怒るってことは、その裏に父親としての愛情があふれている』ということなので、その意味でも愛情深い人柄がにじみ出ている松平さんしかいませんでした。実は、イメージが近いので、絵もちょっと似ています(笑い)。声優をお願いしたときに、ふざけるな!と怒られるかと思ったら快諾してくださって、スタッフ一同感激です」と話している。(毎日新聞デジタル)
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