米ロックバンド「MR.BIG」が1月28日、東京都内のスタジオで「LIVE FROM THE LIVING ROOM」と題した一夜限りのスペシャルライブを行った。昨年12月に発表した、オリジナルメンバーとしては14年ぶりの最新アルバム「what if…」からのナンバーや、過去の名曲をおり交ぜた約80分間の熱演。解散、再結成を経ての疾走を改めて印象付けると、抽選で選ばれた200人のファンは歓声と拍手、突き上げた拳で応えていた。
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MR.BIGはベースのビリー・シーンさん、ボーカルのエリック・マーティンさん、ギターのポール・ギルバートさん、ドラムスのパット・トーピーさんのオリジナルメンバー4人で89年にデビュー。99年にポールさんが脱退し、02年に惜しまれながらいったん解散となったが、09年になって、オリジナルメンバーで“奇跡の”再結成。日本武道館などでのツアーを大成功させた。今年4月には、来日通算100公演目となる7日の大阪城ホール(大阪市中央区)を皮切りに、25日の日本武道館(東京都千代田区)まで、全国11公演のツアーが組まれている。
ライブは最新アルバムの1曲目を飾るヘビーなトーンの「UNDERTOW」で幕開け。エリックさんのハスキーで伸びやかな声や、ビリーさんの“超絶技巧ベース”とポールさんの“光速ギター”の掛け合い、コーラスワークなどで観客を魅了した。初の試みとして、ストリングスとの共演に挑戦。91年に発表された大ヒット曲「TO BE WITH YOU」 など3曲をしみじみ聴かせた。一転、パットさんが中心となって作曲した「NOBODY LEFT TO BLAME」など2曲では、地鳴りのように響く和太鼓(茂戸藤浩司さん、井上智彦さん)とのジョイントを、こちらも初披露。会心の演奏にエリックさんが「『クール』って日本語でなんて言うんだっけ?」と問いかけ、ビリーさんが「スゴイネ!」と返す場面もあった。
ステージ上は「FROM THE LIVING ROOM」のコンセプトに基づき、ポスターや窓枠、観葉植物やソファなどを配した居間そのもののしつらえ。エリックさんは、終演後、「このメンバーでやれて最高。とても居心地がよかったよ。まさにバンドの部屋という感じで、裸(naked)の演奏ができたと思う。もっと僕たちを近くに感じてほしくて、あんなふうにしてみたんだ」と話した。ビリーさんは「4月には最高のショーをやる」と期待を持たせた。
ライブの模様は「MR.BIG LIVE FROM THE LIVING ROOM」としてWOWOWで4月3日午後6時半から放送される。昔からのファンはもちろんのこと、ロックをしばらく聴いていないという人や「TO BE WITH YOU」をまだ聴いたことがない若い世代にもおすすめだ。(毎日新聞デジタル)