中国・台湾映画はおいしそうな食事シーンがよく出てくる。食卓を囲む家族のシーンで始まる「再会の食卓」(ワン・チュエンアン監督)は、存分に食事のシーンが楽しめる一作。歴史的な背景を描きながらも、シニア年代の三角関係という現代的なテーマを掘り下げ、変わりゆく都市・上海をも映し出す。ワン監督はナ・ジンさんとこの作品でベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀脚本賞)を受賞した。ジャ・ジャンクー監督と並ぶ中国での注目監督だ。
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上海で暮らすユィアー(リサ・ルーさん)の元に生き別れた夫イェンション(リン・フォンさん)から手紙が来る。今は台湾で妻を亡くして1人で暮らすイェンション。40年ぶりに元妻ユィアーに会いたいというのだ。しかしユィアーは文化大革命時代にすでに今の夫シャンミン(シュー・ツァイゲンさん)と一緒になり、孫に囲まれる幸せな暮らしを送っていた。息子たちの心は複雑だったが、優しい夫はイェンションを客人として温かく迎え入れる。一方イェンションはユィアーを台湾に連れて帰りたいと思っていた……というストーリー。
見ていくうちに、シニアの三角関係にずぶずぶとハマる。厳しい時代を生き抜いてきただけあって、お互いを思いやる優しさがある半面、老い先短いために気がせいている。元夫の出現によって気持ちがざわつくユィアー。優しい現在の夫は、ふだんは買わないのにカニを奮発し、温かく食卓を囲む。食卓は絶好の交流の場となり、その会話のはしばしから、彼らの過去や心の内をうかがわせる。元夫の登場によって自分の人生を振り返ることになるユィアー。「2人の男が私を取り合っている……」と思ったかどうかは知らないが、歴史に翻弄(ほんろう)された人生をユィアーがかみ締めていることがひしひしと伝わってくる。モテモテのおばあちゃんヒロインを演じるのは、「ラストエンペラー」(87年)で西大后を演じたルーさん。米国、香港で活躍する国際派女優だ。台湾育ちの俳優リンさんが台湾からやって来る元夫を、上海の有名俳優シューさんが現夫を、それぞれ人柄をにじませながら演じていて心打たれる。5日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)、Bunkamuraル・シネマ(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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