竹野内豊さん主演で太平洋戦争のサイパン島の戦いを日米双方の視点から描いた映画「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」(平山秀幸、チェリン・グラック監督)が11日、公開初日を迎え、TOHOシネマズ有楽座(東京都千代田区)で舞台あいさつが行われた。竹野内さんは「かつて血で争った両国の感情と、激戦の中を生きた方々の並々ならぬ思いをたった2時間で映し出すことは到底できない。けれど、この作品を一人でも多くの方にご覧いただいて、伝えていくきっかけになればいいと心から思う。尊ぶという言葉を忘れないでいただきたい」と力を込めて語り、会場からは拍手の嵐が巻き起こっていた。
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「太平洋の奇跡」は、ドン・ジョーンズさんの実録小説「タッポーチョ『敵ながら天晴』大場隊の勇戦512日」が原作。太平洋戦争末期に、激戦地のサイパン島で、たった47人の日本兵を率いて4万5000人のアメリカ軍に立ち向かい、多くの民間人を守り抜いたという大場大尉の実話を基に、日本パートを平山監督、米国パートをグラック監督が、日米双方の視点からサイパン島の戦いを描いた。
舞台あいさつには、竹野内さんのほか、井上真央さん、山田孝之さん、阿部サダヲさん、唐沢寿明さん、岡田義徳さん、中嶋朋子さんらキャストと両監督が登場した。映画にちなんで、最近起こった奇跡を聞かれた竹野内さんは「(井上)真央ちゃんが虫を食べたこと」と話したが、井上さんは「竹野内さんと唐沢さんに食べさせられたんです。(タイの)屋台に連れて行ってもらって、唐沢さんがキラキラした目で虫を差し出して『おいしいよ』というので、目にやられて食べました」と暴露し、虫の味は「意外とおいしい? 油の味がしました」と笑った。中嶋さんは「この悪天候の中、こんなに大勢の方が来てくれたのが奇跡」と答え、会場は拍手に包まれていた。
サプライズで2カ月に及ぶタイでの長期ロケを共にした大場隊の30人が軍歌を歌いながら登場すると、竹野内さんは「本当にびっくりしました。ロケ以来なのでびっくりです。この映画は彼らの存在なくしては絶対できなかった作品だと思いますので、彼らには頭が上がりません」と感激し、花束を手渡した大場隊のリーダーとかたく抱き合っていた。(毎日新聞デジタル)
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