寺島しのぶ:「自分の顔を塗りたくなった」 岡本太郎の母・かの子を熱演 NHK「TAROの塔」

「TAROの塔」の会見に登場した寺島しのぶさん
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「TAROの塔」の会見に登場した寺島しのぶさん

 生誕100年を迎える芸術家・岡本太郎の生涯を初映像化したNHK土曜ドラマ「TAROの塔」の会見が17日同局であり、岡本太郎役の松尾スズキさん(48)らキャストが出席。岡本太郎に多大な影響を与えた母・かの子を熱演した寺島しのぶさん(38)は、1話で太郎に絵を描かせるシーンで「台本には(かの子が絵の具で)太郎の顔を赤く塗ると書いてあったんですけど、どうしても自分の顔を塗りたくなっちゃった。(監督のOKが出て)一発勝負で描いたんですけど、意外とアーティスティックに描けて、ちょっと自画自賛という感じです」と笑顔で明かした。

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 ドラマは、岡本の生誕100周年企画の一環で、67~70年の「太陽の塔」誕生秘話を軸に岡本太郎の誕生から死までを描く。関係者の全面協力を得て、岡本の実像を取材し、人気マンガ家だった父・一平、芸術面での影響を強く受けた歌人で小説家の母かの子、秘書を経てパートナーとなった敏子との人間模様や心象風景を、太陽の塔の完成と重ね合わせ、新たに発見された資料を基に展開する。撮影は「ノン」や「樹霊」など多くの作品が持ち込まれて行われ、主題歌は、仏歌手エディット・ピアフの「水に流して」を美輪明宏さんが仏語で歌い上げた。

 かの子は大地主の娘で幼いころから芸術に没頭し、与謝野晶子に師事。「明星」「スバル」などに短歌を発表し、後に小説家となった。21歳で一平と結婚したが、自身の愛人を一平の公認で自宅に住まわせていたこともある。ドラマで寺島さんは着物姿で髪を振り乱して創作に打ち込むなど鬼気迫る姿を見せている。

 寺島さんは「役をいただく前から、かの子さんの人生ってなんなんだろうとすごく考えていた。(オファーがきて)即答で『やらせていただきます!』(と言った)」と話し、子供のころにテレビでかの子の特集を見たことがあるといい「ものすごくショッキングで、岡本かの子という名前を覚えていた」と振り返った。演技については「実際のかの子さんをリスペクトしつつ、自分のかの子をクリエートしたいという(気持ち)」と語り、かの子を「ものすごく生きにくい生き方しかできなかった方なんじゃないかな。そこが見事に太郎にも引き継がれていった」と分析した。会見には敏子役の常盤貴子さん(38)、一平役の田辺誠一さん(41)も出席した。

 総合テレビで26日から毎週土曜午後9時(3月5日は午後9時15分)放送、全4回。(毎日新聞デジタル)

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