「スラムダンク」などで知られるマンガ家の井上雄彦さんが浄土真宗の宗祖・親鸞を描いた屏風(びょうぶ)が26日、東本願寺(京都市下京区)で公開された。井上さんは「最初は荷が重過ぎると思ったし、今でもそう思っている」と話しながら、「ごまかしがきかない中で、ハッタリなしに(作品の前に)立てるかが自分に突きつけられた時間だった」と思いを語った。
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屏風は、真宗大谷派が親鸞の750回目御遠忌(ごえんき)を迎えるのを機に、若手僧侶が井上さんに親鸞を描いてほしいと発案し、10年5月に制作を打診。井上さんは、親鸞の「自己と向き合う姿」「懊悩(おうのう)する姿」に共感し、「真実を求めようとする人間・親鸞」を描こうと決意し、今年1~2月、親鸞が修行をした比叡山や、「承元の法難(じょうげんのほうなん)」で流罪で送られた越後(新潟県)、関東地方など親鸞の足跡を追って、構想を練った。
高さ212センチ、横582センチの六曲一双の屏風で、親鸞の生き様をテーマに、右隻(右側に配置した屏風)には、絶望や悲しみなどの苦悩する民衆の中にいる親鸞が描かれている。左隻には、2羽の鳥を配し、中央に凜(りん)と座っている親鸞を描いたたシンプルな構図で、3月上旬に10日間で描きあげたという。
4月4~17日、東本願寺の大寝殿(おおしんでん)で一般公開される予定。無料だが、東本願寺内の他の展示を見学し、受け付けで整理券を受け取るのが条件。また、東日本大震災の被災者支援企画として、ポスターやポストカード、ミニチュア屏風を今春に販売し、収益は寄付されるという。(毎日新聞デジタル)
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