薬屋のひとりごと
第35話 狩り
3月21日(金)放送分
俳優の松平健さん(57)が、京極夏彦さん原作の劇場版3Dアニメ「豆富小僧」(4月29日公開)で、主人公、豆富小僧の父親で妖怪たちの総大将「見越し入道」の声を担当した。松平さんは声優初挑戦。その感想と映画への思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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映画は、京極さんの小説「豆腐小僧双六道中ふりだし」(角川文庫)を、劇場版アニメ「あらしのよるに」の杉井ギサブロー総監督が映像化。人間と妖怪が共に暮らしていた江戸時代、盆に載せた豆腐を持つだけが取りえの豆富小僧は、間抜けな見た目と弱虫な性格で全く人間を怖がらせることができず、父で妖怪総大将の見越し入道から怒られてばかりだった。目付け役の達磨(だるま)と母を捜す旅に出た豆富小僧は妖怪の敵タヌキのわなで、達磨と2人でお堂に閉じ込められてしまう。にらめっこをしながら外に出る時を待っていた2人が外に出られた時、そこは現代の日本だった……という物語。主役の豆富小僧は深田恭子さんが、豆富小僧を励ます目付け役の妖怪・達磨を武田鉄矢さんが演じている。
松平さんは「自分じゃないキャラクターに声を乗せるというのは、呼吸や間を合わせるのがなかなか難しかった。声の仕事は合っているのかいないのか分からない。(アニメーションが)可愛いので、つい見とれちゃったりしました」と苦笑しながらアフレコの苦労を語った。初体験の現場は「怒鳴っているシーンが多いので、声の調整が難しかった。もっと声を出してもいいと監督に指示をもらいました。みんなで並んで(アフレコを)やるのかと思ったが違った。1人でやったので迷惑をかけないで済んだ」と振り返った。
豆富小僧の父親で妖怪の総大将という見越し入道との共通点は「父親と子どもが1人というところぐらい」と答え、「我々の時代は父親は怖いものだった。やはり父親には怖いところがあった方がいいと思う。(自分は)がんこおやじではないけれど、子どもには怖がられています」と明かした。見越し入道の子どもの接し方については「可愛い子には旅をさせろといいますが、助けがほしいときだけ助けてあげる。だから『おやじに任せろ』と豆富小僧を助けてあげるシーンが一番好きですね」と共感したようだ。
松平さんは映画を「親子で見てほしい」といい、「豆富小僧の純粋さを見て、子どもの純白な心というのを感じました。親はずっとよしよしと可愛がるだけじゃなく、大切に見守ってあげてほしい。ときには自立心を育てるために突き放すことも必要。必要な時に手を貸してあげるのがいい」と思いを語っていた。
<プロフィル>
1953年11月28日生まれ、愛知県出身。B型。75年にテレビドラマ「座頭市物語・心中あいや節」でデビュー。代表作は78年のドラマ「暴れん坊将軍」(テレビ朝日系)をはじめとする時代劇、02年の舞台「用心棒」、06年の映画「バルトの楽園」ほか多数。趣味はウオーキング、ドライブ。特技は殺陣。
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