米俳優のブラッド・ピットさん(47)とショーン・ペンさん(50)との共演で話題の「ツリー・オブ・ライフ」(テレンス・マリック監督)が16日(現地時間)、仏カンヌで開催中のカンヌ映画祭で上映され、ピットさんらが会見とレッドカーペットセレモニーに登場した。
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映画は、73年に監督デビュー以来、38年間でわずか4本を発表したのみというマリック監督の最新作。成功した実業家であるジャックが人生の岐路に立ち、遠い少年時代を回想する。力こそがすべてだと信じる厳格な父と、愛に満ちた母とのはざまで葛藤し、父への反感を募らせていた日々。あのころに再び思いを巡らす時、すべてを乗り越えつながり続ける家族の姿に、ジャックは過去から未来へと受け継がれていく生命の連鎖を見いだす……という。
映画は、メーン会場「シアター・リュミエール」でコンペティション部門正式出品作品として上映され、満員の2300人の観客が詰めかけた。上映に先立ち行われたレッドカーペットセレモニーには、主演兼プロデューサーを務めるピットさんと、成長したその息子を演じた共演のペンさん、ピットさんの妻を演じたジェシカ・チャステインさんが登場した。ピットさんとペンさんは、久しぶりの再会を祝してカーペット上でがっしりと抱き合いあいさつ。チャスティンさんの手をとり、3人で観客の声援に応えた。
ピットさんは、マリック監督との仕事について「素晴らしい体験だった」とコメント。ペンも「マリック監督は、本当にすごい人だよ。カンヌに来られてとてもうれしい」と語った。話題作が集まる今年のコンペティション部門の中でも、最大の注目作といわれるだけあって、イベント会場には、黒のドレスに身を包んだピットさんのパートナーのアンジェリーナ・ジョリーさんやジュード・ロウさん、リュック・ベッソン監督、ミア・ワシコウスカさん、シャーロット・ランプリングさんなど豪華な顔ぶれが集まった。
イベント前に開かれた記者会見でピットさんは「この映画はなぜ、何のためにこの世に生まれて、そして死んで、一体どこに行くのかを描いた作品だ。(この映画で描かれている家族は)自分の少年時代と少し似ている。脚本を読んだ時、自分が幼かったころを思い出した。(自分の父親も)あそこまで厳格ではなかったが、どこか似ているところがあった」と役に共感したことを明かした。
また、マリック監督については「(公式の場に現れないことで有名で今回も欠席したが)とても優しい人で、一日中よく笑っている。トイレにも行くよ(笑い)。毎日喜びを見いだして、キャラクターを愛しみ、とてもリスペクトしてくれる」と話した。チャスティンさんは「もともと監督のファンだったので、(この映画に出演することができて)とてもうれしかった。監督とは撮影の約3カ月前から役作りの相談をしました。そこで、前もって出来上がりを計算するような演技プランを立てるのではなく、瞬間、瞬間をとらえるアプローチを学びました」と撮影エピソードを語った。
映画は、今回の映画祭のコンペ作品の中でも最高賞である「パルムドール」に最も近い存在とうわさされている。発表は最終日の22日(現地時間)。日本では8月12日(金)から丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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