桜蘭高校ホスト部:目指すは「原作ファンが望む実写化」 豪華セットやCG、コスプレも満載

ドラマ「桜蘭高校ホスト部」で出演する川口春奈さん(上段右)と山本裕典さん(同左)、下段は原作マンガのイメージイラスト (C)葉鳥ビスコ/白泉社
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ドラマ「桜蘭高校ホスト部」で出演する川口春奈さん(上段右)と山本裕典さん(同左)、下段は原作マンガのイメージイラスト (C)葉鳥ビスコ/白泉社

 男装の女子高校生とイケメンのセレブ高校生たちがつくる「ホスト部」のドタバタを描いた葉鳥ビスコさんの少女マンガ「桜蘭高校ホスト部」(白泉社)が、TBSの深夜ドラマ枠「Friday Break」でドラマ化されることになり、「この人気原作を生かして、原作ファンが望む実写化を実現したい」という橘康仁プロデューサーと、演出も手がける韓哲プロデューサーがドラマに懸ける思いや見どころを語った。(毎日新聞デジタル)

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 「桜蘭高校ホスト部」は月刊少女マンガ誌「LaLa」(白泉社)で連載され、全18巻で累計1200万部を突破している人気マンガ。06年4月には日本テレビ系でアニメも放送された。名家の子息・令嬢が集まる「桜蘭高校」に一般庶民ながら特待生として入学したハルヒは、超セレブの環が部長を務める「ホスト部」の800万円の花瓶を割り、借金返済のためホスト部に入部するという物語。韓プロデューサーが語る見どころは「ゴールデンタイムのドラマに引けを取らない豪華なセット」だという。既存のスタジオには建てられないセットを作るのは「Friday Break」枠では初めてで「とてつもないお嬢様、お坊ちゃまが通う学校にあるホスト部をどう作るか考えたら、別にセットを作ることしか方法がなかった。天井がすごく高くて『これが学校の中なの?』と思うような空間を作ります」と胸を張る。

 出演は、女子高生ながら男装してホスト部に入部する主人公の藤岡ハルヒ役をドラマ初主演の川口春奈さん(16)、ホスト部部長を務める須王環役を山本裕典さん(23)が演じるほか、12年のNHK大河ドラマ「平清盛」へも出演する大東俊介さん(25)をはじめ、竜星涼さん(18)、千葉雄大さん(22)、高木心平さんと万平さん兄弟(ともに25歳)、矢口真里さんと結婚した中村昌也さん(25)といったフレッシュなキャストが顔をそろえ、韓プロデューサーは「まずは10代、20代の成長しようとする若い子たちとガチで勝負しよう。大人たちが作った舞台で、思いっきりはじけてもらう」と期待を寄せる。

 ビジュアルについて、韓プロデューサーは「マンガのまま実写化して浮いてしまうのを(原作者の葉鳥さんも)すごく恐れている」といい、例えば身長の低い埴之塚光邦役については「悩ましかったが、身長は普通で顔は可愛らしい男の子(千葉さん)を選んだ。ビジュアルで可愛らしさを表現するため、たまにちっちゃくなってもらいます(笑い)」とCGを使った大胆な表現を取り入れることを明かした。橘プロデューサーは「(原作者の葉鳥さんに)原作にこだわりすぎないでくださいと言われたのが一番うれしかった。例えば制服をマンガのままの色で再現しようとしていたが、ビスコさんは先に『安っぽくならないように、一緒に考えましょう』と言ってくれた。我々が迷う前にアイデアを出してくれる」と原作者の協力的な姿勢に感謝の言葉を述べた。

 ストーリーの根幹はラブストーリーではなく、徹底したコメディ−だという。原作の多くの場面で登場するコスプレについて、韓プロデューサーは「もちろん満載です。楽しみにしていてください」と太鼓判を押す。「楽しさはすごく重要です。人間ドラマを描く前に、原作にあるバカバカしいような楽しさを伝えたい」と韓プロデューサーが話すと、橘プロデューサーも「ビスコさんは原作を『徹底的にバカバカしく、楽しく、華やかに描いた』と話していて、ドラマはできるだけバカにしてくださいと言われています。いい意味で原作者と心中しようという勢いで作ってます」と原作者と連携を大切にしていることを明かし、「少しでも世の中が明るくなるような楽しいドラマにする。深夜だけで終わらせるつもりはない」と力を込めた。ドラマは7月スタートで、毎週金曜深夜0時20分から放送予定。

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