公開中の主演映画「少女たちの羅針盤」(長崎俊一監督)では、10代の高校生のみずみずしい魅力を画面いっぱいに披露している女優の成海璃子さん。犯人の目線で次第に真実が浮き彫りになっていく難解な内容の同作に悩みながらも、女子高生劇団「羅針盤」のリーダーとして、忽那汐里さんや森田彩華さん、草刈麻有さんという同世代の若手女優たちの先頭に立って「どうすれば映画がよくなるか」と積極的に話し合うなど責任ある立場を全うした。この春、高校を卒業し、進学せずに“女優一筋”という道を選んだ成海さんに、プライベートの過ごし方を聞いた。(黒澤恵/毎日新聞デジタル)
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幼いころから俳優として活躍し、多忙な成海さんには、あまり“オフ”という感覚がないようだ。休日でも、成海さんは頭の中でいつも演技のことを考えているという。「仕事がないときは、映画を見に行っています。映画館には1人で見に行きます」とすべての時間が演じるということにつながっている。よく見る映画のジャンルを聞くと「ジャンルは考えたことがない。公開していて見たいと素直に思うものを見に行きます」と特にこだわる様子はなく、自分の直感を信じて、そのときに引かれるものを見に行くという。
そんな成海さんの最近のお気に入りはジョニー・トー監督。香港出身の映画監督で「ザ・ミッション 非情の掟」などアクションものが多いが、ラブストーリーやロマンチックコメディーも撮る、まさにノンジャンルの監督だ。「あんまりうまく説明できないんですけれど面白い。物語も面白いし絵(画面)も面白い、全部いいです」と絶賛した。
多忙な女優業をこなしてきた成海さんは「学校は行ってましたけれど、ずっと仕事をしていた気がするので、(卒業した今と)何も変わってないんですよ」と高校生活を振り返る。社会人という感覚を持つまでには少し時間がかかりそうだ。「周りからは(高校を卒業して)『社会人ですね』とすごく言われるんですが、私自身は特に何か変わったっていうよりは……という感じです。あんまりよく分からない」と素直な思いを口にした。しかし、女優一筋と決めたことで「気合は入りましたよ」と力を込める。
プライベートでやってみたいことは? 「いろんなものを見たいので、いろんな場所には行きたいですね。いろんな人にも会いたいし、海外にも行きたいです」と目を輝かせた。海外なら「(行きたいところは)たくさんあるんですけれど、インドは行きたいです。風景も人も丸ごと見たい……」と、直感と自身の才能をさらに磨く旅に思いをはせた。
<プロフィル>
92年8月18日生まれ。神奈川県出身。00年にテレビドラマ「TRICK」(テレビ朝日系)の主人公の少女時代を演じて女優デビュー。02年「TRICK 劇場版」で映画デビューを果たした。05年にはドラマ「瑠璃の島」(日本テレビ系)で初主演。07年には「神童」で映画でも単独で初主演を務め、同年の2本目の主演映画「あしたの私のつくり方」の演技力が評価され「山路ふみ子映画賞新人女優賞」など数々の賞を受賞した。09年には「罪とか罰とか」「山形スクリーム」でコメディー映画にも挑戦し、10年の「武士道シックスティーン」「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」などでも主演した。現在は毎週木曜午後10時から放送中の連続ドラマ「BOSS」(フジテレビ系)で黒原理香役を好演している。成海さんが主演を務める映画「少女たちの羅針盤」は4月23日に広島で先行公開され、14日から全国で公開中。
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